ただのメイド
今回から美人エルフメイドが登場します。
庭園。
レイは高級そうな猫と戯れている。
広い庭園には、
レイの他に一人。
そこにいるのは――
エルフのメイド、エフィリアだった。
メイド長専用の黒を基調としたメイド服がとても似合っている。
庭の手入れをしている所だったようだ。
(あれは無属性の王子……)
エフィリアはレイからの視線を感じていた。
(何か、舐め回すように見てくるわね。)
エフィリアが口を開く。
「レイ様、ジロジロとこっちを見てわたしの身体に興味でもあるのですか?」
嫌味を込めてレイに言った。
レイは平然と答えた。
「きれいな身体だね。」
エフィリアの頬がわずかに引きつる。
(どストレートなのね……)
(顔は悪くないし、将来は女ったらしになりそうね。)
レイはさらにエフィリアを見て言う。
「姿勢もきれいだし、歩き方もきれいだよね。」
「ヒールを履いても、ほとんど音がしないんじゃない?」
エフィリアは微笑んだ。
「それは大変光栄です。なにせ王室のメイドですから。」
レイは小さく笑う。
「エフィリア……うまく隠してるみたいだけど、この城で一番強いよね?」
エフィリアの目がわずかに細くなった。
「いえ。ただのメイドですが?」
レイは肩をすくめた。
「まるで殺し屋みたいだ。」
その瞬間。
レイがエフィリアに斬りかかった。
ザッ!!
エフィリアはとっさにそれを避けて言った。
「普通いきなり切りかかってくる?」
そしてレイは楽しそうに言った。
「他のみんなには黙ってるからさ、俺と賭けをしようよ!」
「勝った方が、負けた方の言うことを何でも聞く。…どう?」
エフィリアは静かに答えた。
「ええ、わかったわ。
でも、わたしの願い事は聞かなくていいわ。
あなたは生きていないもの。」
次の瞬間。
エフィリアの鋭い手刀が飛んできた。
パシッ!
レイはそれを受け流す。
さらに鋭い蹴りが襲う。
シュッシュッ!!
レイは上半身を反らして避けた。
「そんなに脚を上げたら、下着が見えちゃうよ?」
エフィリアは平然と言う。
「下着をつけるとラインが出るから……
つけてないかもしれないわよ?」
「え!?」
「冥土の土産にすればいいんじゃない?」
「えっ、メイドだけに?」
「……」
「……」
エフィリアの耳が真っ赤になる。
「……絶対に殺すわ!」
どうやら下着よりそっちの方が恥ずかしかったらしい。
エフィリアはマジックバッグから片手剣を取り出した。
「必殺の奥義で葬ってあげる!」
「黒歴史と一緒に消えてしまいなさい!」
「ちょ、本当に殺す気!?」
「待って待って待って!」
エフィリアが剣を構える。
「……必殺奥義!」
そして片手剣が妖しい光を纏う。
「孤月!」
「やばいやばいやばい!」
レイは叫んだ。
きれいな弧を描きレイに刃が襲う!
「……なんてね。」
レイは孤月を見切り、
刃をかわし、
そして手首を掴んだ。
「え?」
エフィリアは孤月がかわされる事など微塵も思っていなかった。
レイはそのままエフィリアを壁へ押し込む。
掴まれた手首はぴくりとも動かない。
エフィリアはもう反撃する気がないようだった。
レイが言う。
「俺の勝ちでいい?」
レイはエフィリアの頬に手を添え、顔をこちらへ向けさせた。
エフィリアはレイを睨む。
「わたしにいやらしい命令でも聞かせたいの?」
レイは笑った。
「それもいいけど――」
そして言った。
「俺の秘密のメイドになってよ。」
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
エフィリアのイメージ置いておきます。
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