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はじまり

第34話です。

次の日の朝、


快晴で移動日和。


そう言えば悪天候にあたってないな


さすがは魔王というところか


まぁ雲くらい吹き飛ばしてしまえばいいだけど


「こんなところに泊まってくれてありがとうね。」


「ユノベルに向かうんだって?」


「それならユノベルへ行く途中に漁業と海の家で生計を立てているシェルナ村があるよ。」


「海の幸も美味しいし海水浴もできる。おすすめだよ。」


「ここがこんなだから楽しめるといいねぇ。」


辺りを見まわすと若い人たちもいる。


子どももいれば無邪気に遊んでいる。


明るいのは何も知らない子どもたちだけだ。


どこを見ても大人たちは俯き加減で暗い顔をしている。


「そろそろ出発しましょうか。」


エフィリアが切りだした。


荷物を乗せていざ出発。


町が少しずつ遠ざかって行く....


「みんな暗かったね。」


「そうだね。」


エルフィ、エルミナの双子が話している。


「何とかできないのかなー!」


リズが少しイラつきながらいう。


「ドン・ボッタクーレのやつを何とかしないと。」


ルナが言う。


「にゃー!!」

「私も見過ごせないにゃ」


みゅうとニアがの声がかぶる。


「私たちが向かうユノベルやリベルタもやつの息がかかっています。どのみちなんとかしないといけない相手でしょう。」


ミリエルがそう言った。


ミオ姉が


「胸くそ悪いやつよね!痛い目に合えばいいのに。」


と言った瞬間


ドォーーン!


ドカーーン!


ドォーーン!


ドォーーン!


ドカーーン!!


馬車の背後の町から爆発音!


何ヶ所も黒煙が上がっている。


「戻るぞ!」


レイが咄嗟に言った。


「ミオ姉はここにいて。」


「.....わかった。」


町はすっかり変わり果ててしまっていた。


爆発に巻き込まれ多くの人が犠牲になっている。


そこにかろうじて生きている人を発見した。


「私の子どもたちが、子どもたちが攫われたの」


「たすけて...」


それだけ言って息を引き取った。


ルピナが倉庫の様子を確認した。


....すべて運び出されている。


爆発もこの辺りが一番被害が大きい。


「証拠隠滅ね」


エフィリアが低く呟く。



空気が変わる。



さっきまでの軽さが消える。



静かすぎる。



「……許せない」


リズが拳を握る。



「人を、物みたいに扱って……」



「にゃ……」


ニアの尻尾が逆立つ。



「これは……ただの商売じゃないにゃ」



「狩りよ」


ルナが言う。



「弱いものを狙って、奪って、捨てる」



「最低ね」


クロエが一歩前に出る。



「……主様」


ルピナが静かに言う。



「完全に黒です」



「ドン・ボッタクーレ商会」



「人身売買、違法流通、そして証拠隠滅」



「潰しますか?」



沈黙。



レイはゆっくり前を見る。



燃え上がる町。



泣き声。



崩れた家。



そして――



動かなくなった人。



「……あぁ」



静かに答える。



「やるか」



その瞬間――



ドォン!!



瓦礫の向こうから


魔族たちが現れる。



「へぇ……」



「まだ生き残りがいたか」



「ついてねぇな」



「お前らも商品にしてやるよ」



空気が凍る。



「……ねぇ主様」


エルフィが笑う。



「これって」



「“お仕置きの時間”ってやつ?」



レイは軽く笑う。



「そうだな」



黒十華が一斉に前へ出る。



「お仕置きの時間だ」



――次の瞬間



世界が、歪んだ。


「「「「「お仕置きの時間だ」」」」」



その一言で――



空気が変わった。



魔族たちが笑う。



「は?お前らが――」



言い終わる前に



消えた。



「えっ――」



魔族の首が、遅れて落ちる。



ニア。



すでに背後にいた。



「遅いにゃ」



音もなく。


気配もなく。



次の瞬間



三人同時に崩れ落ちる。



「なっ……!」



「囲め!囲めぇ!!」



魔族たちが一斉に動く。



その中央に――



リズが浮かんでいた。



「燃えろ」



静かに。



その頭上に現れる。



巨大な炎。



一瞬で空を覆うほどの火球。



「なんだあれ……!」



逃げる間もない。



「消えろ」



――落ちた。



ドゴォォォォォン!!!



地面が抉れる。


空気が焼ける。


声が消える。



「うるさい」



ルナが一歩踏み出す。



大鎌を振るう。



ただ、それだけ。



空間ごと裂けた。



魔族ごと、


地面ごと、


影ごと、


消えた。


「死神からは逃げられない。」


「嘘だろ……」



クロエが笑う。



両刃の大斧を肩から振り下ろす。



ドォン!!!



振動だけで


魔族が吹き飛ぶ。



「潰れなさい」



地面ごと叩き潰した。



「逃げないでねー」



エルフィとエルミナ。



左右から交差する。



「遅い」



ナイフが閃く。



弾丸が走る。



――交差。



その瞬間



魔族たちは“バラバラ”になった。



「これで終わり?」



セフィラが弓を引く。



星雨セフィラス!」



放たれた一矢。



空で分裂する。



数十、数百へ。



「……綺麗」



雨のように降り注ぐ。



逃げ場はない。



全て、貫いた。



静寂。



煙が消える。



その中に――



一人だけ、


立っている魔族がいた。



「……へぇ」



拍手。



パチ、パチ、パチ――



「雑魚どもが全滅か」



「やるじゃねぇか、人間」



異様な気配。



空気が重くなる。



「……」


黒十華が動きを止める。



「主様」


ルピナが低く言う。



「こいつだけ、別格です」



レイは一歩前へ出ようとする。



その前に――



「ここは、わたしが行くわ」



エフィリア。



一歩、前へ。



「リーダーですから」



静かに微笑む。



「いいだろう」


レイが言う。



「任せた」



魔族が笑う。



「は?女一人で来るのか?」



「舐められたもんだな」



「後悔させてあげるわ」



その瞬間



消えた。



「――ッ!?」



魔族の背後。



エフィリア。



速い。



だが――



ガキィィン!!!



止められる。



「へぇ……」



「見えるのね」



「当たり前だろ」


魔族が笑う。



「オレは“上”なんだよ」



地面が爆ぜる。



一撃が重い。



エフィリアが後ろへ跳ぶ。



(強い)



(でも――)



「その程度?」



笑う。



「は?」



次の瞬間



エフィリアの魔力が“変わる”



空気が震える。



風が止まる。



「……なんだ、それ」



「本気よ」



構える。



終閃エルディア!」



剣が、光を帯びる。



「遅い」



消える。



今度は――



見えない。



「なっ――」



斬撃。



一閃。



遅れて――



血が舞う。



「がっ……!」



魔族が膝をつく。



「バカな……」



「見えなかった……」



「当然よ」



エフィリアが振り向く。



「さっきまでのは“遊び”だもの」



一歩、近づく。



「終わりにするわ」



「ま、待て――」



「やめ――」



「無理ね」



剣を振る。



――一瞬。



魔族は、



跡形もなく消えた。



静寂。



「……終わりです」



エフィリアが剣を収める。



黒十華が並ぶ。



「さすがリーダー」


ルナが言う。



「やっぱり一番強いですね」


ミリエル。



「当然よ」


エフィリアは軽く言う。



「わたしたちは――」



振り返る。



レイを見る。



「主様の剣なんだから」



「これは始まりです」



ルピナが言う。



レイがゆっくり振り返る。



焼けた地面



崩れた家



燃え残る町。



「ドン・ボッタクーレ」



助けられなかった命。



レイはゆっくり前を見る。




「……ルピナ」




「はい」




「場所、割れてるか?」




「はい」




「次の拠点も」




「流通経路も」




「すべて把握しています。」



一拍。




レイが小さく笑う。



「じゃあ――」



「潰しに行くか」




黒十華が並ぶ。




誰も、迷わない。



「主様の命のままに」



その瞳は――



もう“戦争”の目だった。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

引き継ぎ更新がんばっていきますのでよろしくお願いします。

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