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ルナとネコ

第16話更新です。

ルナは猫が好きだ。


とても。


とても、とても好きだ。


なぜそこまで好きになったのか。


それには理由がある。


——昔の話だ。


まだルナが幼かった頃。


魔族の里は人間に見つからないよう、山奥でひっそりと暮らしていた。


魔族は基本的に人間の前に姿を現さない。


しかしルナは違った。


好奇心が強かった。


人間の街がどんな場所なのか。


どうしても見てみたかった。


そしてある日。


こっそり里を抜け出した。


初めて見る人間の街。


市場のにぎわい。

パン屋のいい匂い。

笑いながら走り回る子供たち。


ルナは夢中になって歩き回った。


しかし、しばらくして気づく。


(……あれ?)


人間の中に。


魔族が混じっている。


角を隠し。

魔力を抑え。

人間のふりをして。


魔族が街に紛れ込んでいる。


そのことにルナは気づいた。


だが、その時のルナは深く考えなかった。


それよりも。


気になるものを見つけてしまったからだ。


裏路地。


数人の男たちが檻を運んでいる。


中から小さな鳴き声が聞こえた。


「……にゃ」


檻の中にいたのは、子猫だった。


震えている。


男たちは笑っていた。


「貴族の娘は猫が好きだからな」


ルナの中で、何かが切れた。


次の瞬間。


男たちは吹き飛んでいた。


魔族の力だった。


しかし、ルナは子供だった。


加減ができない。


騒ぎを聞きつけて、人間の兵士が駆けつけてくる。


ルナは子猫を抱き上げ、


そして逃げた。


小さく震えている。


「……大丈夫」


ルナはそう言った。


「もう誰もあなたを傷つけないよ」


そのまま路地を駆け抜ける。


兵士の目をかいくぐり、街の外まで逃げた。


しばらくして。


安全な場所で腰を下ろす。


腕の中の子猫は、まだ震えていた。


ルナはそっと抱きしめる。


「大丈夫」


「もう誰も傷つけない」


子猫はルナの胸元に顔をうずめる。


小さく「にゃ」と鳴いた。


安心したのかいつの間にか


膝の上で丸くなって眠っていた。


ルナは少しだけ笑う。


「……かわいい」


少し考えてから言った。


「決めた」


「わたしはこの子たちの味方になる」


それ以来。


ルナは時々、人間の街にやってくるようになった。


理由は二つ。


猫に会うため。


そして——


人間社会に紛れ込んでいる魔族を見つけるため。


魔族の中には。


人間に紛れて、悪事を働く者もいる。


ルナはそれが嫌いだった。


だから、見つけたら追い払う。


そんなことを続けているうちに。


ある日。


ルナは見てしまった。


街の路地裏で。


一人の青年が猫を抱き上げているところを。


猫は逃げない。


むしろ、すごく懐いている。


な、なんだあの人……


ルナは思った。


あんなに猫に懐かれる人、初めて見た……


そして。


その猫を見た瞬間。


ルナの目が輝いた。


あの猫……!


前に助けた子に似てる!!


なにより、かわいい!!


——それが。


レイとの出会いだった。


そして、ルナの運命が大きく変わり出す。

これからも頑張って更新したいと思います。

楽しんで頂ければ嬉しいです。

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