夜の侵入者
第11話です。
決勝戦後のお話。
武闘大会が終わった夜。
昼間の熱狂が嘘のように、ルーヴェン城は静まり返っていた。
城下町ではまだ酒場の灯りが残り、闘技大会の話で盛り上がっている者も多い。
しかし....
城の外壁、その影に二つの人影があった。
「ふぅー……でっかい城ね」
一人の少女が城を見上げる。
エルフィだ。
その隣には、エルミナ。
「昼の大会、楽しかったね」
エルフィがくすっと笑う。
「決勝戦まで行くとは思わなかったけど」
エルミナが肩をすくめた。
「クロエって子、強かったね」
「でもさ」
エルフィが短剣をくるりと回す。
「わたしたちの目的は大会じゃないでしょ?」
エルミナが小さく頷く。
「そうね」
「今日は....」
「お宝探し」
エルフィがにやりと笑った。
二人は壁に手をかける。
スッ
軽い動きで城壁を登っていく。
音はほとんどない。
屋根へと到達した二人は、城内を見渡した。
「警備、意外と甘いね」
エルフィが言う。
「大会でみんな疲れてるのかも」
エルミナが静かに答える。
二人は屋根から屋根へと跳び移り、城の奥へと進んでいく。
そして。
着地したその瞬間。
ズン……
背後から、重い気配がした。
二人は同時に振り向く。
そこに立っていたのは
巨大な斧を肩に担いだ少女。
クロエだった。
「……やっぱり来た」
クロエは気だるそうに言った。
「昼間の大会でさ」
「あなたたち、ただの参加者じゃないって思ってたんだよね」
エルフィがにやりと笑う。
「へぇー」
「門番のお姉さん、鋭いじゃん」
クロエは斧を軽く回した。
「門番やってると怪しい動きしてるやつはわかるのよ
2人でたくさん賞金もらったんでしょ?それで満足して帰っておけばよかったのに」
「それとこれとは別なんだースリルっていうかさー」
そう言いエルフィが短剣を構え、闇の中で三人が対峙した。
クロエは巨大な斧を肩から降ろした。
ズシン
石畳がわずかに沈む。
「ここから先には通さない」
その瞬間。
エルフィが消えた。
キィン!!
金属音が夜に響く。
短剣がクロエの斧に弾かれていた。
「はやっ」
クロエが呟く。
エルフィはすでに背後に回っていた。
シュッ!
クロエの首を狙う一撃。
だが
ガキン!
巨大な斧の柄が防ぐ。
「くっ……」
「反応早いね」
エルフィが距離を取る。
「昼間はさー、ちから負けしちゃったけどさー」
エルフィが笑う。
「私たち2人そろったら最強なんだよ」
そう言って首を少し傾けた。
瞬間
エルフィの顔をかすめクロエの頭部を狙った弾丸が飛んでくる!
ガキン!
慌てて斧で回避
エルミナの姿は視界内にはいない
「狂ってる...一歩間違えたら...」
クロエは少し微笑んでいたように見えた。
クロエが踏み込む。
ドン!!
地面が割れる。
エルフィが飛ぶ。
斧が振り下ろされる。
ズガァァン!!
石畳が砕けた。
「わっぶな!」
エルフィが叫ぶ。
エルミナが次の弾を装填する。
「大会ではミドルレンジの銃を使ってたけど一番得意なのはこの超ロングレンジライフルなのよ!」
パンッ!
パンッ!
パンッ!
魔弾がクロエを襲う。
しかし。
クロエは回転した。
ゴォォ!!
巨大な斧の一振り。
衝撃波が弾丸を吹き飛ばす。
「見えてないのやっかいね」
体勢をたてなおす。
「やっぱり本気でやらないと無理か」
エルフィとクロエが同時に言った。
二人の気配が変わった。
クロエが斧を構える。
夜の空気が張り詰める。
エルフィが突っ込む。
エルフィの斬撃。
「必殺!!...
双影裂斬」
クロエの渾身の防御
ガキーン!!
「やば、弾きますかそれ。」
そしてクロエがエルフィの首を狙う
「巨斧震断!」
ゴォォォー
「あー終わったなー。あんたの言う通り2人分の賞金で満足しておけば良かったな。ちゃんと逃げ切ってねエルミナ。」
「いやぁぁぁーいやー龍牙螺旋弾!!!」
「間に合って!!」
クロエの眉間を狙いエルミナが必殺技を放つ
クロエはそれに気づいた時には遅かった。
「避けられない、私もあなたも...」
そう言ってクロエは斧を振り抜く
「いゃああああ、誰か助けて....だれかぁ...」
エルミナはその場で泣き崩れた。
その時。
コツン。
クロエの斧の刃を
誰かが軽く指で押した。
「そこまで」
静かな声。
レイだった。
クロエの斧の軌道が変わる。
エルミナの魔弾を真っ二つに割った。
ズドォォン!!
遠くの城壁に巨大な穴が二つ空く。
さらに
クロエの衝撃波は軌道を逸れ
遠くの山を削り取った。
沈黙。
クロエが振り向く。
「……レイ様?」
「....助かった?」
エルフィは自分が生きている事に驚いていた。
レイはあくびをした。
「夜中に騒がないでよ」
「城壊れるでしょ」
「2つも穴あいちゃったけど」
「それでなんだけど君たちはとても強い、ちょっと訳ありでね。君たちみたいな強い娘を探してるんだけど俺の秘密のメイドになってよ。」
「エルフィとエルミナは強制ね?断ったら死罪だし笑」
「ですよねーでもなんだかおもしろそう!ねっエルミナ!」
「はい、あっありがとうございます。よかった、よかったよーぐすっ」
エルミナはまだ泣いていた。
「で、クロエはどうする?」
「...私をこんな気持ちにさせた責任を取ってください。」
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