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俺が魔王じゃなければ誰が魔王だというんだ〜無属性と判定された王子と黒き薔薇のメイドたち〜  作者: 黒華レン
学園編

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新しい日常

セレスティアたちが来て数日、みんな慣れてきたようです

 数日後、


 ユノベルの屋敷。


 朝日が差し込む広い食堂には、焼きたてのパンやスープ、卵料理、新鮮な野菜や果物が並べられていた。


 レイとミオが朝食を食べている。


 そして、数日前からこの屋敷で暮らすことになったセレスティア、アイリス、フィオナも同じ食卓を囲んでいる。


「ん〜! 今日も美味しいです!」


 アイリスが焼きたてのパンを頬張り、幸せそうな声を上げた。


「アイリス、朝から食べすぎじゃないですか?」


 フィオナが呆れたように言う。


「これくらい普通です!」


「今ので四つ目です」


「まだ四つです!」


「もう四つです」


「学院では頭も身体も使いますから!」


「昨日も同じことを言っていましたよね?」


 二人のやり取りを聞きながら、セレスティアがくすくすと笑う。


 屋敷へやって来たばかりの頃はどこか遠慮がちだった三人も、数日が経ち、少しずつこの生活に慣れ始めていた。


「別にいいんじゃない? いっぱいあるんだし」


 レイがスープを飲みながら言う。


「ほら、レイさんもこう言っています!」


「レイ、あんまり甘やかしちゃダメよ」


 ミオが言う。


「ミオさん!?」


「アイリスって放っておいたら全部食べそうだもの」


「さすがに全部は食べません!」


 アイリスが反論した直後。


「残りのパンもお持ちいたしましょうか?」


 近くにいたメイドが尋ねる。


「お願いします!」


「食べるんじゃない」


 フィオナの即座のツッコミに笑いが起こった。


 最初こそ王女とその護衛という関係からどこか張り詰めていた三人だったが、こうして見れば普通の少女たちとそれほど変わらない。


 セレスティアも以前より柔らかい表情を見せることが増えていた。


「そういえば、今日は俺たちが先だっけ?」


 レイが尋ねる。


「そうね」


 ミオが時計を見る。


「私たちが先に出て、少し時間を空けてセレスティアたち。その後にクロエたちね」


「はい。昨日とは順番を変えるのでしたね」


 セレスティアが頷く。


 この屋敷で暮らしていることを学院で知られるわけにはいかない。


 レイとミオがルーヴェン王国の王族であること。


 二人がユノベルの大きな屋敷で暮らしていること。


 セレスティア、アイリス、フィオナが現在その屋敷で生活していること。


 そして学院へ通うクロエ、エルフィ、ニアが、本来はレイに仕えるメイドであること。


 そのどれも学院では伏せられている。


 だからこそ登下校にも工夫が必要だった。


「毎日同じ順番だと、それはそれで怪しまれるかもしれないからね」


 レイが言う。


「まるで潜入任務みたいですね!」


 アイリスが楽しそうに言った。


「遊びじゃないのよ」


「分かっていますよ!」


 フィオナは小さくため息を吐く。


「あなたが一番心配なのです」


「なぜです!?」


「昨日も学院でレイさんに『今日の夕食は何でしょうね』と聞こうとしていたではありませんか」


「…………」


 アイリスの動きが止まる。


「危なっ」


 レイが呟いた。


「でも言ってません!」


「途中で私が止めたからです」


「結果的には大丈夫でした!」


「それを大丈夫とは言わないのよ」


 ミオが苦笑する。


「まあ、仲良くするのは別に問題ないんだし、変に意識しすぎない方がいいんじゃない?」


 レイが言う。


「交流戦で知り合ってるんだから、学院で一緒にいても不自然じゃないし」


「そうですね。かえって避ける方が不自然かもしれません」


 セレスティアが頷く。


「ただし、屋敷については絶対に口にしないようにしましょう」


「はい!」


 アイリスが元気よく答えた。


 その場にいた全員が一瞬だけ彼女を見る。


「な、なんですか!?」


「いや、別に」


「信用してください!」


 朝から賑やかな食卓だった。


 朝食を終えると、まずレイとミオが屋敷を出た。


 それから時間を空け、セレスティア、アイリス、フィオナ。


 さらに時間をずらしてクロエ、エルフィ、ニアも学院へ向かう。


 全員が同じ場所から出ていると悟られないよう、学院へ向かう道まで少しずつ変えていた。


 そして――


 リベルタ中央魔導学院。


「おはようございます、レイさん、ミオさん」


「おはよう、エリシア」


「おはよう」


 Aクラスの講義室へ入った二人を、先に来ていたエリシアが迎えた。


 その近くではアウレリアが教本を読んでいる。


「おはようございますですわ」


「おはよう、アウレリア」


「今日は随分早いのですね」


「そう?」


「いつもより少しだけですけれど」


「たまたまだよ」


「そうですの」


 アウレリアは再び教本へ視線を戻した。


 しかしレイが通り過ぎると、ほんの僅かにその背中へ目を向ける。


 他の者が自分に対して取る態度とはどこか違う。


 王族や貴族に対しても妙に物怖じしない。


 それでいて、何を考えているのか分からない時がある。


 交流戦を経てから、以前よりも少しだけレイという人物が気になるようになっていた。


 それからしばらくして。


「おはようございます」


 セレスティアが講義室へ入ってきた。


「おはようございます!」


「おはようございます」


 続いてアイリスとフィオナ。


 交流戦でその実力を見せた三人だけに、転入直後は大勢の生徒たちから質問攻めにされていた。


 しかし数日が経ったことで、それも少しずつ落ち着いてきている。


「おはようございます、セレスティアさん」


「おはようございます、エリシアさん」


「もう学院には慣れましたか?」


「はい。まだ分からないこともありますが、皆さんが親切にしてくださいますので」


「何か困ったことがあったら聞いてくださいね」


「ありがとうございます」


 そんな二人の横を通り、アイリスがレイを見つける。


「あっ、レイさ――」


 そこで一瞬止まった。


「?」


 レイが首を傾げる。


 ほんの少し前まで同じ食卓で朝食を食べていた。


 その相手に改めて朝の挨拶をする。


 分かってはいたものの、実際にやってみると妙な感覚だった。


「お、おはようございます、レイさん!」


「おはよう」


「今日もいい天気ですね!」


「そうだね」


「…………」


「…………」


「それだけ?」


「はい!」


「そっか」


 レイは特に気にすることなく自分の席へ向かった。


 アイリスも自分の席へ向かう。


「何をしているのです?」


 フィオナが小声で尋ねた。


「だって、さっきまで一緒にいたから何を話せばいいのか分からなくなったんです!」


「普通でいいのです」


「その普通が難しいんですよ!」


「余計なことを言わなければ、それで十分です」


「私、そんなに信用ありません!?」


 セレスティアが二人を見て苦笑した。


 さらに少しして。


「おっはよー!」


 エルフィが元気よく講義室へ入ってくる。


 その後ろからクロエ。


「おはようございます」


「おはようにゃー!」


 最後にニアも入ってきた。


 三人とも、この学院では普通の学生として生活している。


 少なくとも表向きは。


 ニアがレイを見つける。


「あっ、主――むぐっ!?」


 隣にいたエルフィが凄まじい速度でニアの口を塞いだ。


「おはよう、レイさん!」


「お、おはよう」


「むぐぐぐぐ!」


「何してるの?」


「何でもないよー♪」


「ニアが苦しそうだけど」


「気のせい気のせい♪」


「気のせいではありません」


 クロエが冷静にエルフィの腕を外した。


「ぷはっ! 苦しかったにゃ!」


「ニアが危ないこと言おうとするからでしょ!」


「何がにゃ?」


「それが分かってないから危ないの!」


「?」


 ニアは本気で分かっていないようだった。


 少し離れた場所からその様子を見ていたアイリスとフィオナが顔を見合わせる。


(今、主って言いかけましたよね?)


(言いかけましたね)


 二人とも事情を知っているだけに、別の意味で冷や冷やしていた。


 そしてもう一人。


「お、おはようございますぅ……」


 リリアナが講義室へ入ってきた。


 いつもの学院制服姿。


 リリアナはこの屋敷に住んでいるわけではない。


 ユノベルにある実家から学院へ通っている。


 ただし、以前からメイドとしてレイの屋敷で働いており、最近になって自分が働いていた屋敷の主が学院で顔を合わせていたレイとミオだと知ってしまった。


 それだけでも十分すぎるほど衝撃的だった。


 なのに今では、黒十華の秘密まで知ってしまっている。


 本人としては、知りたくて知ったわけではない。


 ほとんど巻き込まれた結果だった。


「おはようございます、リリアナさん」


「ひゃい!」


 セレスティアに声を掛けられ、リリアナの肩が跳ねた。


「……?」


「お、おはようございます、セレスティアさん!」


「はい、おはようございます」


 セレスティアが微笑む。


「昨日は――」


「ひゃああっ!?」


 突然リリアナが声を上げた。


 講義室中の視線が集まる。


「リリアナ?」


 アウレリアまで振り返った。


「ど、どうしましたの?」


「な、なんでもありません!」


 リリアナは必死に両手を振る。


「セ、セレスティアさん! 昨日は何でしょうか!?」


「昨日、エルナ先生がおっしゃっていた課題について聞こうと思ったのですが……」


「…………」


「…………」


「そ、そうですよねぇ……」


「大丈夫ですか?」


「大丈夫ですぅ……」


 リリアナは静かに自分の席へ座った。


(私が一番意識しすぎてますぅぅぅ!)


 危うく自分から屋敷の秘密を暴露するところだった。


(落ち着くんですリリアナ……私は何も知りません……王子様も王女様も知りません……黒十華なんてもっと知りません……私は普通の学院生ですぅ……)


「リリアナ」


「ひゃい!」


「朝から本当にどうしたんですの?」


 アウレリアが怪訝そうな顔で見ていた。


「な、なんでもありません!」


「さっきからそればかりですわよ?」


「今日もちょっと調子が悪いだけですぅ!」


「今日も?」


「いえ、今日は絶好調ですぅ〜!」


「本当ですか?あなたいつも何かに巻き込まれてますものね」


「うぅ……」


 否定できなかった。


 やがて鐘が鳴る。


「皆さん、席についてください」


 Aクラスの担任、エルナが講義室へ入ってきた。


 生徒たちがそれぞれの席へ戻る。


「では、本日の講義を始めます」


 こうして、いつも通りの学院生活が始まった。


 ––昼休み


 レイ、ミオ、エリシアは学院の中庭で昼食を取っていた。


 そこへセレスティア、アイリス、フィオナも加わる。


 交流戦を通して知り合った者同士が一緒に昼食を取る。


 それ自体は何も不自然ではない。


「この学院の食堂も美味しいですね!」


 アイリスが嬉しそうに料理を口へ運ぶ。


「朝あれだけ食べたのに、よく入るわね」


 ミオが何気なく言った。


「…………」


 アイリスの動きが止まった。


 フィオナも止まった。


 セレスティアも止まった。


 レイも止まった。


「朝?」


 エリシアが首を傾げる。


「…………」


 一瞬の沈黙。


「あ、朝……交流戦の時もいっぱい食べてたなーって思い出して」


 ミオが慌てて誤魔化した。


「ああ、そういうことですか」


 エリシアは何の疑いもなく納得する。


「アイリスさんは昔からよく食べるのですか?」


「は、はい! 身体を動かしますから!」


「騎士として日々鍛錬しておりますからね」


 フィオナもすぐに補足した。


「そうなんですね」


 エリシアが微笑む。


「…………」


 危なかった。


 事情を知る全員が同じことを思った。


「ごめん」


 ミオが小声で言う。


「ミオねぇも人のこと言えないじゃん」


「うるさい」


「今のはかなり危なかったですね」


 セレスティアが苦笑する。


「やっぱり意識しすぎると逆に難しいわね」


 ミオがため息を吐いた。


「エリシアー!」


 その時、遠くから声が聞こえてきた。


「あっ」


 エリシアが振り返る。


 こちらへ走ってくるのはBクラスのセラだった。


「やっと見つけた!」


「セラ、どうしたの?」


「一緒にご飯食べようと思って探してたの」


「もちろんです」


 セラがエリシアの隣へ座る。


「皆も一緒なんだ」


「うん」


「セレスティアさんたちも、もうすっかり学院に馴染んだね」


「皆さんのおかげです」


 セレスティアが微笑む。


 しばらく雑談しながら食事を続ける。


 するとセラが何かを思い出したようにため息を吐いた。


「はぁ……」


「どうしたの?」


 エリシアが尋ねる。


「最近カインさんに全然会えないのよねぇ」


「カイン?」


 ミオが聞き返した。


「誰?」


「えっ!? ミオさん、カインさん知らないんですか!?」


「知らないわよ」


「セレスティアさんたちは?」


「私は存じ上げません」


 アイリスとフィオナも首を横に振る。


 セラの目が輝いた。


「じゃあ教えてあげます!」


「何でそんなに嬉しそうなのよ」


 ミオが苦笑する。


「カインさんは冒険者なんです! すっごく強くて、格好よくて、それで――」


 セラのカイン談義が始まった。


 レイは無言でパンを食べる。


(はぁ、始まった……)


「以前一緒に依頼を受けたことがあるんですけど、本当に凄かったんですよ!」


「へぇ」


 ミオも普通に興味を示す。


「そんなに強い人がユノベルにいるのね」


「はい!」


「どれくらい強いの?」


「それが――」


 セラがさらに熱く語り始める。


 レイは黙々と食事を続けた。


(なんで本人の話を聞かされないと……)


 もちろんミオは知らない。


 セラが想いを寄せる冒険者カイン。


 その正体が、自分の隣で昼食を食べている弟だということを。


「レイは知ってる?」


 突然ミオが尋ねた。


「ブッ!」


 レイが危うく水を吹き出しかける。


「ちょっと!」


「ご、ごめん!」


「そんなに驚くこと?」


「いや、急だったから……」


「カインって人。知ってる?」


「知らない知らない。全然知らない」


 レイは首を横に振った。


「そうなの?」


「うん」


(…………)


 セレスティアも興味を示す。


「かなり有名な冒険者なのですか?」


「これから絶対有名になります!」


 セラが断言する。


「なるほど……」


 アイリスの目が輝く。


「そんなに強い方なら、一度手合わせしてみたいですね!」


「アイリス、あなたはまた……」


 フィオナが呆れる。


「だって気になるじゃないですか!」


「会っていきなり勝負を申し込むような真似はしないでくださいね」


「しませんよ!」


「本当ですか?」


「信用してください!」


 そのやり取りを聞きながら、レイは静かにパンを齧る。


(できれば会わないでほしいなぁ……)


 カインの正体を知っているのは黒十華だけ。


 ミオも知らない。


 リリアナも知らない。


 当然、セレスティアたちも知らない。


 今のところ、それで何の問題もない。


 レイはそう思っていた。


 その日の放課後――


 学院の正門から生徒たちが次々と帰っていく。


「じゃあ、また明日」


「また明日ね」


「はい、また明日」


 レイとミオはセレスティアたちと普通に別れた。


 周囲から見れば、仲の良い学院生同士の別れ。


 それだけだった。


 それからしばらくして。


 学院から離れた人通りの少ない場所。


「お待たせしました」


「お疲れ」


 先に待っていたレイとミオのところへ、時間をずらして学院を出たセレスティア、アイリス、フィオナがやってくる。


 アイリスが大きく息を吐いた。


「毎日これをするのって、意外と大変ですね……」


「そのうち慣れるわよ」


 ミオが笑う。


「でも学院は楽しいです!」


「それならよかった」


 レイが答える。


 五人が屋敷へ向かって歩き始める。


 するとセレスティアがレイとミオへ声を掛けた。


「お二人に少しお話ししておきたいことがあります」


「ん?」


「どうしたの?」


 セレスティアは一度アイリスとフィオナを見る。


 二人も頷いた。


「私たち三人で話し合ったのですが、いつまでもレイさんたちのお世話になり続けるわけにはいきません」


「別に気にしなくていいのに」


「そう言っていただけるのは本当にありがたいです。ですが、私たちもこの国で生活していく以上、自分たちでお金を得られるようにならなければならないと思っています」


「確かに前にも言ってたわね」


 ミオが頷く。


「冒険者をするつもりだって」


「はい」


 アイリスが一歩前へ出る。


「私とフィオナなら魔物討伐や護衛依頼もできます!」


「アイリスはちょっと楽しみにしてない?」


 レイが言う。


「そ、そんなことありません!」


「顔が楽しそうだけど」


「気のせいです!」


 フィオナがため息を吐く。


「アイリスはともかく、冒険者という選択肢については私も賛成です。私とアイリスなら戦闘を伴う依頼もこなせますし、セレスティア様にも無理のない仕事を選べば三人で活動できます」


「なるほどね」


 レイは頷く。


「それで明日にでも、冒険者ギルドへ行ってみようと思っています」


「いいんじゃない?」


 ミオが言う。


「三人とも強いんだし」


「俺もいいと思うよ」


 レイも笑った。


「分からないことがあったら、ギルドで聞けば教えてくれると思う」


「ありがとうございます」


 セレスティアが嬉しそうに微笑む。


「まずは冒険者登録からですね!」


 アイリスが拳を握る。


「その後は依頼です!」


「まだ登録もしていないのに気が早いですよ」


「だって楽しみじゃないですか!」


「目的は生活費を稼ぐことですよ?」


「分かっています!」


 楽しそうに話す三人。


 ミオもそんな姿を見ながら笑っている。


 しかし――


 レイだけは別のことを考えていた。


(冒険者ギルドか……)


 当然、レイも冒険者ギルドへ出入りしている。


 ただし、学院生レイとしてではない。


 髪と瞳の色を変え、別人として活動する冒険者――カインとして。


 先ほどセラから聞いたばかりの名前。


 セレスティアたちも興味を持っていた人物。


 その本人がレイだとは、三人とも夢にも思っていない。


(まあ、そんな都合よく鉢合わせることもないか)


 レイはそう考えた。


 自分がカインとして活動する日と、三人がギルドへ行く日が重ならなければいいだけ。


 特に問題はない。


 そう思いながら屋敷への道を歩いていく。


「カインさんにも会えるでしょうか?」


 アイリスが突然言った。


「セラさんのお話を聞いて、少し興味が湧きました」


「私も一度お会いしてみたいですね」


 セレスティアも頷く。


「どのような方なのでしょう」


「…………」


 レイの頬が僅かに引きつった。


「そのうち会えるんじゃない?」


「はい!」


(できれば会わない方向でお願いします……)


 こうしてセレスティアたちは、この国で自分たちの力で生きていくための新たな一歩を踏み出すことになった。


 向かう先は――冒険者ギルド。


 そしてそこには、彼女たちがまだ知らないもう一つの顔を持つ男。


 冒険者カインがいる。


 もちろん、その正体が毎日同じ屋敷で顔を合わせているレイだとは、知る由もなかった。

どうやら冒険者登録をするようです

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