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あの子はどこに〈団長side〉

「団長、ご無事すか?」

赤毛の若い団員が走ってくる。

「マックス、いい所にコイツを縛っておいてくれ」

男を捻り上げながらマックスに渡す。

「何があったんすか?たまたまメシ食おうと来たら

何やら揉め事っぽかったんで見にきたんすけど」


「説明は後だ、フードをかぶった女の子を見なかったか?」


キョロキョロと辺りを見廻すが、それらしき女の子は見えない。

怪我をしていた筈だ、早く見つけないと。

気持ちは焦るがどこにいるのかわからない。


男を縛り上げながら、

「そう言えば、なんかフラフラしながら女の子がそこの雑木林に入って

行きましたね、知り合いっすか?」


「チッ!早く言え!!」

「ええ〜舌打ちっスか!って、だんちょ〜!」


早く見つけてやらないと、どこだどこにいる。

辺りを見廻しても、鬱蒼とした木々が繁ってわからない。


「おーい!返事してくれ!君が助けてくれた者だ。

お願いだ、返事してくれ!」


耳を澄ますが聞こえるのは鳥の囀りだけだった。


「あの男に斬りつけられた筈だ、早く見つけないと」

もしかして出血が多くて気を失っているかもしれない。

雑草をかき分け声のかぎり呼んでみたが返事はない。


ふと、甘酸っぱい花の香りが漂ってきた。

いつもなら気にも留めないが呼ばれている様な気がして

誘われるように香りのする方に足を進める。


ガサガサと小枝が頬を傷つけて血が滲んでもう構わず進んでいくと

小さな白い花がひとつの塊になって、その花の塊が沢山咲いている

低木を見つけた。甘酸っぱい香りにまじって血の匂いがする。


よく見ると、木の根本に小さな女の子が座っていた。

見つけてホッとしたが、様子がおかしい。


右手で左手を握り胸に抱き抱えて少し前屈みになっている。

フード付きのコートの前から見える淡いグリーンのワンピースが

血に染まっていた。


「お嬢さん」


呼び掛けると、ビクリと肩を震わせ木の中に隠れようと後退り

しようとするが、動けないようで益々小さく体を窄める。


驚かせないように静かに声をかけてみる。

「お嬢さん、何もしません。先程、助けてもらった者です。

決して傷つけないので、その怪我を見せてくれませんか?」


そっと右手を差し出してみる。

少し少女は顔を上げたがフードが邪魔で顔がみえない。

出血は続いているようで気は焦るが、じっと手を差し出したまま

待ってみると、そっと怪我をした手を差し出してくれた。


「少し触りますね、痛かった言ってくださいね」


そっと左手を掬いどり怪我をみる。

かなり深いようで痛々しい、痛かったようで少女が顔を

上げた時フードが落ちた。

少女と目があった瞬間、心が震えた。


精霊!!そこには輝く長い黒髪とアメジストのような

バイオレットの瞳が涙で煌めいていた。


一瞬見惚れてしまったが、少女の瞳から大粒の涙が

ポロポロと流れるのをみて我に返った。


「ハンカチを巻くから少し我慢して」


コクリと少女が頷くのを見てゆっくりと、それでいてきつく止血をする。


少女は俯きながらい痛みを堪えていたが、フッと力が抜けて

気を失った。

慌てて抱き抱え、街道に向かった。


「マックス!」


「あっ!団長どこに行ってたんすか?って、その女の子どうしたんですか?」


「怪我をしている!館に連れて行くから、そいつを牢に入れたら女の子の両親を探せ!」

言い捨てて館に向かう。

後ろから

「了解です!」と、マックスが答えていた。



ブクマありがとうございます。

めちゃくちゃ嬉しいです。

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