本気をだしましょう
「ちっ!もう少しだったのに」
アレイドが悔し気につぶやいた。
「アーレン!!」
サラがスレイに支えられこちらに来ようとしていた。
「サラ!だめだ、さがって!」
アレイドの言葉を無視して少しふらつきながらアレイドに
抱きついた。
「サラ、危ないからスレイと向こうに行ってて欲しい。
スレイ!なぜ連れてきた守れと言っただろう」
「スレイを怒らないで、私が連れてきてって頼んだの」
アレイドは小さな少女を優しく抱きしめた。
一瞬の優しい時間が流れた時、まがまがしい声が響き
わたる。
《やっとわしのモノになる気になったか》
「ならないよ、なるわけないじゃん父や母が私を生かそうと
頑張ってくれた想いがあるから、この体は絶対に守る」
《じゃあ問題なかろう。わしが欲しいのはその体だ大事に使ってやろう》
「ああ、言葉足らずだったね。たとえ“私”が消えたとしてもお前には
渡さない!この体を大切に想ってくれる人にあげる!お前じゃない!」
アレイドの手を押しのけて、そっと体を離す。
先ほどの弱弱しい姿はそこにはなく、凛とたたずみ
風が舞い上がりサラを中心に流れていく。
緑の黒髪を靡かせて静かに跪き両手を地面に触れ目を閉じる。
硬いはずの地面がモコモコと盛り上がり柔らかくなっていく。
風が強くなり渦を巻くように吹いていく。
《な、なにをするつもりだ!》
「父や母がやり残した事を私が引き継ぐだけよ」
風の勢いは増していき柔らかくなった土を少しづつ
巻き上げていく。
「私の力は父や母よりもずっと強い、お前を逃しはしない
精霊の最後の愛し子として、いえフルメール王国唯一
にして王族最後の王女サラスティーア・ウィズ・ウィステリア
の名のもとに父母の仇、打たせてもらいます!!」
サラの怒号とともに土が舞いがり視界が茶色く染まる。
「うわっぷ!何?腐葉土?」
リカルドのつぶやきにアレイドが
「いや・・違う。これはウィステリアの花びらだ・・。」
茶色だった腐葉土が薄紫に変わりキラキラ輝きながら薄紫の
花びらが舞い散り黒い霧を取り囲んで行く。
《なにをするつもりだ!やめろ!》
花びらはどんどん黒い霧を閉じ込めていくと、
あれだけ鮮やかだった薄紫色が茶色くもとの腐葉土に戻って
いき、丸い大きな茶色い塊になった。
中からくぐもった声が聞こえてくる。
《出せ!からっぽの人形のくせに!出せー!!》
「そうね、でももうからっぽじゃあないの」
この場に似合わない柔らかい表情でふわりとほほ笑むと
アレイドに振り向き
「アーレン、燃やして!」と。
「まかせろ!!」
言うが早いか剣を振りかざし炎を剣にまとわせ
剣を振り下ろした。
かなりノロノロ更新になってしまって、すみません。
あと少しお付き合い願えれば幸いです。




