人の気持ちはむつかしい
「「じゅうろく~!!」」
一斉に声を上げた。
すごいハモってる・・・。
「サラ!サラ!ほんとなの?本当に16歳なんだね」
アレイドがしつこく聞いてくる。
なんだか鬼気迫ってるよ~。
「間違いなく16歳です」
「うそおっしゃい!!そんな16歳見たことないわ!アレイド様
の気を引きたいだけでしょう!」
「え~っと気を引く必要ないと思いますけど、すでに
プロポーズされてますし」
「だよね~、まだ私は返事もらえてないと思うんだけど
16歳のサラは私にどんな返事をくれるのかな?」
「後で!」
「楽しみにしてるからね、ごめんなさいは聞かないから!」
アレイドの中では、すでに返事は決まってるじゃん。
「信じないから!」
マリアンヌ譲が吼える!
私はため息をつきながらマリアンヌ譲に答える。
「別に信じてもらわなくて結構ですよ、あなたに私の
事情を話す義理もないですしね、それと少し落ち着いて
もらえますか」
「これが落ち着いてられる?あなたが本当に16歳だとしたら
みんなを騙してたってことでしょう」
「騙してたつもりはないけど、誤解されているのを知ってて
黙ってたのでそうなりますね、追い出されても仕方ないと
思ってます」
だめだ、泣きそうになってきた。
皆の優しさに付け込んだのは事実だから軽蔑されても
仕方がない、そう思っているとアレイドがそっと抱きしめて
くれた。
「大丈夫ですよ、お嬢様がいくつでもリサがお嬢様を好きなことは
かわりません、それよりお祝いできなかった方が残念です」
「そうだよ、サラちゃんは嘘は言ってないし、なにより変態が一人
メチャクシャ喜んでるぜ」
副団長の言葉に顔を上げてアレイドを見た。
「サラちゃん変態で迷わずアレイドを見たね」
カカカっと笑われた。
「サラ限定の変態さんだよ~」
自分で言ってるよ、クスクスと笑いが漏れた。
「やっと笑った、シュンとした顔も可愛いけど
サラは笑顔が素敵だよ、君を泣かしちゃう悪い奴は
やっつけちゃおうか?ん?」
言い方は軽いが目が笑っていない・・・。
「怖いからやめてください」
「おじ様達が許すはずありませんわ!」
お願い空気読んでください。。。
「アーレンもう帰りましょう?きりがないし、別に
あの人に納得してもらわなくてもいいんでしょう?」
「もちろん、でもサラの体調の事もあるし、あと一泊
泊まって明日の朝一番に帰ろうね」
「アレイド様!わたくしの気持ちはどうなりますの?
そんな嘘つきの子なんか・・・」
「いいかげんにしてくれないか!君の気持なんかどうでもいい!これ以上
サラを貶めるなら君の恥ずかしい話をばらすぞ」
えっ?ちょいと待って?それって、こんな大勢で聞いていいの?
「あれは君が5歳のころ、階段から私に飛びつこうとして、ちょっと
避けたら・・」
避けたんかい!
「顔面から落ちて鼻血を出しながらおもらしまでして泣き叫んでたな
あれは見ものだったな、覚えてるか?リカルド」
「忘れようがないだろう、あれはやばかったな」
男二人がクククっと笑う。
「あと、あれも・・」
「もういいですわ!アレイド様なんか大っ嫌い!」
泣きながら走っていってしまった。
しつこく絡んできた令嬢が悪いがさすがに同情するな~。
「アーレン、さすがにあれは可哀そうです」
「そうか?あれくらい暴露しないと引き下がらなそうだったからな
マリアンヌ譲の気持には答えられないから嫌われるくらいがいいだろう?」
「そうだけど・・・」
う~ん、私だったら立ち直れないな~。
「サラ、とりあえず帰る準備をしようか?」
「邸に帰るの?」
「いや、さっきも言ったがもう一泊してから朝一に帰ろう、
いやか?いやならこのまま出発して近くの宿をとろう」
「気まずいかな?って思って我がまま言ってごめんなさい」
「大丈夫だよ。さあ、みんな帰る準備をしてくれ!
サラは危ないからそこの木陰で休んいて」
「はあい」
危ないっていうより邪魔だしね、ここは素直にしたがう。
木陰最高!!爽やかな風が吹いて木漏れ日がキラキラ
してて綺麗、風に身を任せていると・・・
いきなり背筋がゾクリとした。
なに!?この感覚はあいつだ!!
周りを見渡すがいない、いやな感覚は近づいてくる。
恐ろしい気持ちが膨れ上がって声が出ない。
だめだ!助けてアーレン!
暗闇にのまれた。
「サラ?」
呼ばれた気がして振り向いても誰もいない‥誰も!
「サラ!サラ!どこにいる!」
アレイドの声に使用人達もサラがいないことに
気が付き騒然となる。
何があった!落ち着けオレ!考えろ!
「サラ・・」




