さあ旅立ちです
〈さあ、泉の中から出るのじゃ〉
そういうと、ザバアっと泉の外にでた。
一気に肺の中に空気が入り込んできた。
ゴホゴホ、ガハア!!およそ女の子とは思えない咳が込み上げた。
爽やかな森の中、鳥の声と共に。。。ガハガハ、、、ゲバア、、、ゴホゴホ。
いやいや死にそう。ハアハア、うんやっと落ち着いた。
〈落ち着いたようじゃな、なにせ5歳から泉の中で保護しておったからな、因みにいまは15歳じゃ。
しかし、泉の中での成長も限界があってな、見た目が幼いのじゃ。病気への抵抗力もないので
気をつけるのじゃぞ〉
〈いやいや気をつけようがなくない?〉
〈骨も脆いぞ〉
笑い事じゃねえ!成長不良って事ですね、幸先不安だ。
ところで声も出さずに会話してる?
〈今気がついたのか、お前の世界で言うテレパシーというやつじゃ。何で知ってるかって、
お前の記憶を見たのじゃ。お前の心も読めるぞお。どうやらお前の世界と似たような言葉や
種も存在するようじゃな。おそらく異空間同士で交差して情報がまざるのじゃろう、声は出した事が
ないから喋れないだけじゃ、練習すれば話す事も出来るようになる〉
フワリと柔らかい布で優しく体を拭かれているうちに、小さな精霊たちが可愛いワンピースを
用意してくれた。それに着替えて泉に自分を写せば、そこには素晴らしく可愛い美少女が。。。
流れるように長い黒い髪、パッチリ二重夕焼けが夜の闇と混ざり合う時のような
バイオレットの瞳。日に当たった事がない真っ白な肌。
いいんですか、私がこんな美少女で。
〈さあ、愛し子の記憶の封印をとくぞ。混乱しては困るから封印していたのじゃ〉
キラキラとした光に包まれた瞬間、、映画の様に記憶が流れ込んできた。愛されていた記憶や
両親の死の記憶が悲しくホロリと涙が溢れたが不思議と違和感なく受け入れられた。
私と愛し子がひとつになる。
〈困る事がないよう記憶の中にこに世界の常識も入れておいた〉
〈ふむ、この世界は一部の精霊の加護を受けた人が精霊の力が使えるのですね、私も使えますか?〉
ワクワクして聞いてみる。
〈使えぬが〉
〈なんでえ、加護受けてるんですよね〉
〈愛し子は存在が愛しいのでいるだけで幸せになるのじゃ、痩せた土地が肥沃になって
豊作になる、と言う感じじゃな。それがお前の力じゃな。
だから、お前が不幸になれば全ての精霊が嘆き世界が滅びるぞ、心して幸せになれ〉
お、重い。。。全力で幸せになるように頑張ります。
〈さあ、行きなさい元気でな〉
額に優しくキスを落としてくれる。
〈はい、行ってきますありがとうございました〉
小鳥たちが見送るように囀り出した。
さあ幸せになる為に出発だ。




