春ののどかな庭園で嵐の予感です
外に出たのは何日ぶりだろう、まだ少し肌寒い感じがするけれど
陽の光が暖かくて、気持ちよかった。
風が吹き、緑の草の匂い小さな花達の甘い香り、生きている私は生きているんだと
実感できた。
「寒くないかい?」
「あい、寒くないでしゅ、気持ちいいです」
うう、もう少しハッキリ話せるようになったらいいのに。
これじゃあ、子供じゃなくて赤ちゃんだわ。もっと練習しよう。
「この東の庭園は野原をイメージして作ってあるから、ピクニック気分が
味わえるんだよ、ほら、あそこにお茶とお菓子を用意してあるよ」
広々とした芝生の上にはシートが引かれ、クッションがタップリと
置かれている。
フカフカのクッションの上の座り向かいにアレイド様が座る。
遠くからアレイド様を呼ぶ声が聞こえてきた。
あの声は副団長さんかな?どうしたんだろう?
ああアレイド様のお顔が険しくなっていく。
「団長!休憩中すまん」
「何事だ?」
「いや、今日サンレール子爵の次男が入団する予定なんだが、演習場に
案内する途中ではぐれたらしくいないんだ」
「そんなことか、それぐらい何とかしないか」
「すまん、なかなか見つからなくて変なところに行かれても困るから一緒に
探してくれ!邪魔してほんとに申し訳ないが頼むよアレイド」
アレイド様がふか~く大きなため息を吐かれてこちらに顔を向ける。
「サラ、すまないがちょっと待っていて欲しい。すぐに戻るからいい子でな」
頭をなでて副団長と走って行った。
アレイドがいなくなって少し寂しいけど久しぶりの外だし、すぐ戻るっていったてし
のんびり待ちますか、あ~風が気持ちい~。
気持ちよくてウトウトしていると、ザクザクと足音が聞こえる。アレイド様が
帰ってきたのかな、と、目を開けると知らない男の子が近寄ってくる。
リサがさっと私の前に出て私を隠してくれる。
初めて見る顔だけど軍服着てるし少年みたいだし大丈夫なのかな?
でも、スレイもリサと少年との間に割り込んで警戒する。
「誰だ!」
少年は悪びれることなく両手を上げて
「そんなに警戒しないでくださいよ、今日からお世話になるカート・サンレール
14才です。迷子になってしまって」
「先ほど、副団長が言ってたものだな」
「はい、ちょっとよそ見したらはぐれてしまって、でもはぐれて良かったです
こんなに綺麗なレディに出会えるとは思いませんでした」
と、近ずこうとするのをスレイが剣を抜いて牽制する。
「近ずくな!じっとしていろ、リサ殿、団長達を呼んできてください」
「わかりました」
リサが慌てて走って行った。
わあ、なんか殺伐としてきたし、う~ん危なそうには見えないしな。
「スレイ、わたしは大丈夫なので、てんをしまってくだしゃい、
カートさんでしゅね、わたしはサラでしゅ。もうすぐアーレンもくりゅので
お茶でもどうでしゅか?」
「サラ様!」スレイが私に向かって何か言おうとしたけれど、かぶせるように
カートが答える。
「いいのですか!喜んで」
と、なぜか私の隣に座る。いやいや近いから!
手を取りキスをしようとして
「怪我をしたの?触ってごめんね、大丈夫?」
「大丈夫れす」
「よかった、そうそう、その空色のワンピースがとても良く似合ってるね」
「あい、アーレンのプレジェントです」
そうなのだ、アレイド様が用意してくれたのはアレイド様の瞳と同じスカイブルー
なのだ、お揃いにしたかったなんて、よほど妹が欲しかったのね。
「ヘ~、君は団長の婚約者か何かなの?年が離れすぎてるようだけど」
ん~見た目ほど離れてないと思うんだけどな、てか君の方が年下だよねー。
あえて言わないけど。。。なんか馴れ馴れしい子だなあ。。。
「いろいろあっておしぇわになってましゅ、妹のようにかわいがってもらってましゅ」
「喋り方がたどたどしいね、話すの苦手なの?」
「まだ、うまくしゃべれません」
なんか、ちょっと悲しくなってしまった。
やっぱりおかしいんだな、皆、可愛いって言ってくれてるし安心してたけど
もっと、練習しないとダメだな。
「じゃあさ、団長と何もないなら僕なんかどう?」
「どうとわ??」
「僕と付き合わない?一目ぼれなんだ、なんなら婚約しようよ今は見習いだけど
すぐに一人前になる・・・おわ!!」
後ろからカートめがけて剣が振り下ろされ、恐ろしく低い殺気に満ちた
声がしてカートが飛びのいた。
「死にたいか!!」




