すれ違い届かない同じ想い
「あーあーいーうーさー」
「お嬢様、何をされてるんですか?」
「しゃべる練習してましゅ」
いや~確かに一人であーうーやってればおかしい人だわな。
心配させてごめんよ~。
「そうでしたか、お上手になられましたよ」
リサったら、なんて優しいの、本当に大好きだ。
あれ、ノックの音がするけど誰がきたのかしら?
リサが出てくれたけど、なんか困ってる?カツカツとベットに
近づいてくる足音がするけどだれかしら?
「サラ、具合はどうかな?」
声をかけてくれたのは麗しのアレイド様だった。
ラフな格好のアレイド様も素敵だ!と、思っていたら顔がどんどん近づいて
おでことおでこをコツント合わせた。
ひえ~恥ずかしすぎる!!
「熱はないみたいだね、もし具合が悪くなければ東の庭園に散歩に行かないか?
春の野花が綺麗だよ」
と、微笑まれた。
綺麗なのは貴方ですよ、と言いたい!でも、アレイド様は野花と言うより
大輪のバラです。
「あい、行きたいでしゅお花みたい」
負けずにニッコリ微笑んでみたけれど、そっと頭を撫でて額にキスをされ
赤面してしまった。
「では、ワンピースを持って来たから着替えたら降りておいで、
待ってるからね」
と、言って颯爽と去って行った。
なんか私だけドキドキしてずるいなあ。アレイド様にしたら私なんて子供に見えるんだろうなあ。
所詮、妹枠なのよねえ、あ〜なんか切ない。。。
何もないフリして部屋を出たけれど、もう立っていられないほどドキドキした。
何あれ可愛すぎない!犯罪級の可愛さでしょ!なんて綺麗な笑顔なんだろう、
ダメだ子供に見えない、堪えろ俺!きっと兄のようにしか思われてないだろう。
あ〜切ないなあ。。。
扉越しのお互いの気持ちなど気づきもしない。
「さあ、お着替えしましょうか」
「あい」
着替えさせてもらったワンピースはとても可愛らしくサラに良く似合っていた。
頭の両サイドを軽く編み込み、ワンピースと同じ色のリボンを結ぶ。
着替えが終わった後に軽くフワリと回転するとメイド達からほ〜っと、
ため息が洩れるほど美しく愛らしかった。
しかしメイド達の胸中は穏やかでわなかった。
アレイド様の執着が凄い、メイド達一同は生暖かく見守る事にした。
「さあアレイド様がお待ちでしょうから、行きましょうか」
促されて歩き出すと、ヒョコ、ガコン、ヒョコ、ガコンと安定のギプスの
音がやましい。
スッと手が伸びて来たかと思うと護衛のスレイに抱き抱えられていた。
「危ないですので、私がお連れします」
恥ずかしいが騒音を撒き散らすわけにも行かないし甘える事にしよう。
「あい、お願いします」
スタスタ、お〜やっぱり早いね。
アレイド様発見!んっ?何か先程と様子が違うなあ、なんか機嫌が悪いのかしら?
「なぜお前がサラを抱っこしてるんだ?私が抱くからサラこちらにおいで」
私をスレイから奪うように抱き上げてニッコリ微笑まれた。
よかった、機嫌が悪いわけじゃあなかったのね、あれか!ヤキモチだ!
折角できた妹を取られると思ったのね。あんがいアレイド様って可愛いのね。
クスリと笑って、アレイド様の首に抱きつき「サラはアーレンおにいしゃまが大好きです」
と伝えた。アレイド様も「ありがとう、私も可愛いサラが大好きだよ」って言って
くださったのだけど、抱きついていたので私からはアレイド様のお顔は見えなかった。
ただ、使用人達が可哀想な子を見る目が何を意味するかよく解っていなかった。
「さあ、行こうか」と言って私に向けてくださる、アレイド様はいつも通り優しいお顔だったから。。。
だけど、いつか妹じゃあなくて、ひとりの女性として見て欲しいなあ。




