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イケメン護衛はワンコ系

足早にアレイドの寝室に向かうと扉の前に副団長と執事長の姿が見えた。

「副団長様、どうされたのですか?」

メイド長の問いに

「今日は早朝訓練に付き合ってもらう約束だったんだがこなくてな

こんなこと今までなかったから、心配できてみたんだ」

「メイド長こそこんな時間に坊ちゃまに何の用ですか?」

「お嬢様のお部屋にこのリサが行ったんですが、お嬢様が

どこにも居られないそうなんです」

「それは大変じゃあないですか」

執事長が扉をノックしてアレイドに声をかける・

「お坊ちゃま、急を要します入ってもよろしいですか?」


扉の向こうから変な音が近付いてくる。

ゴン、、、ゴン、、ゴン

何かをぶつける音と共にそっと扉が開き、その場にいる全員の

声なき叫び声が響き渡った。

そこに居たのはアレイドではなく長い黒髪の少女だったからだ。

「おはようごじゃいましゅ、アーレンしゃまはまだねれますが

おこちましゅか?」

舌足らずな可愛いおしゃべりに思わず皆ほわ~んとした空気に

なりかけたが、もしや何かされたのではないかと様子を伺った。


誰が先に動くか・・。一番に動いたのはさすが専属メイドのリサだった。

「お嬢様、お部屋に居られないので心配しましたよ。アレイド様と

おやすみだったのですか?」


皆んなの顔に緊張が走る。主がやらかしたのか、セーフなのか!


「あい、一緒にねまちた、おでこにチュウしてもらいまちた」

「「アウト!!」」

ニッコリ笑うと全員がワナワナ震え副団長は膝を折り両手を

床につけてワナワナ震えリサは両手を口元に持っていき

メイド長は静かに下を向き執事は天を仰いでいる。


“あれ〜なんか間違えたかしら?”


素早く立ち直ったリサが「お部屋に帰りましょう」と

その場を連れ出す。


ガコン、ひょい、ガコン、ひょいやっぱり凄い音がするなあ、

そっと歩いてみるが、やっぱりガコンとギプスがうるさい。

床に傷がつかないか心配だけど、どうしようもないなあ、と、考えていると

急に目の前に20歳位の茶髪に茶色の目のイケメン君が現れた。


ビックリして転びそうになってしまったが、イケメン君が素早く

抱き抱えてくれたので転けなくてホッとする。


「ありやとうごじゃいます」

助けてもらったから、ちゃんとお礼言わないとね。

ふむ、でも何で下ろしてくれないんだろう?

不思議そうに首を傾げていると、


「おはようございます、お嬢様。今日から護衛をさせて頂きます

スレイと申します、お見知り置きを」


なんと護衛ですと!私ってただの居候ですよ。

なんと恐れ多い。。。


「このまま、抱っこでまいりましょう。足もまだ治っておりませんし

大変そうですしね」


言い方や言葉は丁寧だけど、表情筋が少し死んでるね。

言葉と表情があっていませんね。

じっと顔を見ていると、それに気がつき、ぎこちなく微笑んだ?


いやいや怖いから無理しなくてもいいよ、とも言えず。

取り敢えずお断りの方向でいこうと決意した。

「わたちは、ごえいちてもらうほどのものでは、ありまちゃんち

あぶないことも、ないでちょうからごえいはいらないとおもいまちゅ」


スレイはじっと見つめてなにやら考えあぐねているようだ。

しばらくしてスレイは

「そうですね、このお屋敷はとても安全だと思います、なので

こうやってお嬢様を運んだりお暇な時に呼びつけたりしていただければ、

よろしいですよ」


“え〜〜!大事な軍人さんをそんな事に使っていいの?”

内心アセアセと同様してしまう。


「あと、こちらの笛をお持ちください」


渡された笛は5センチほどの小さな筒状の笛で吹いて見たが

何も音が出ないのに、なぜかスレイがピクリと反応する。


「こちら普通の笛のように音は出なくて16,000Hzで鳴るので

普通では聞こえませんが、私は耳に精霊の加護を受けていますので

何か御用のがあれば吹いていただければ、すぐにかけつけます」


えっ!犬、犬なの!っと、突っ込みたかったが真剣な表情に、

こんな扱いでいいのか心配になる。


部屋に着きベッドに置いてもらうと、リサが横にならせてくれる。

動いたせいか、少し怠い。そっとリサが額に手をあて熱がないか確認する。

「少し熱っぽいですね、お薬をお持ちしますから寝てて下さいね」っと言って

部屋を出て行った。


やっぱり豆腐だなあ、ちょっと部屋から出ただけで腐る(熱が出る)

ふ〜っとため息がでてしまう。こんな豆腐もどきな体を早く卒業して

私はラーテルになりたい!憧れちゃう!

ラーテル、前世で憧れた動物。強くて、丈夫で怖いもの知らずな上に毒の耐性も

ある凄い動物なんだよねえ。昔から憧れたなあ、でも2点だけまねできない、

いやしたくない欠点があるよねえ。

臭い!!これは乙女として許されないよね!あと誰にでも喧嘩売る!

ヤバいよね〜。。。。


「お嬢様?」


スレイに声をかけられて我に帰る、おっと自分の世界に入っちゃった。


「すえいしゃま?すえいしゃまは、わたしみたいなどこのだえかわかりゃない

もにょの護衛は嫌ではないでしゅか?」


「嫌ではありませんよ、団長の命の恩人ですしそれに何か色々して

差し上げたい気持ちになります、なので遠慮なく使って下さい。

それと、私に様いりません、スレイとお呼び下さい」


あいがとうごじゃいます、では私のことはサラと呼んでください」


「はい、サラ様」と、とても綺麗に微笑んだ。


「お嬢様、おまたせしました。さあこのお薬を飲んで少しお休み

下さいね、さあ一気に」


「あい」


ゴクゴクと飲み干すが「にが!!」


「お利口様ですね、さあお休みなさい」

リサの優しい声を聞きながら眠りについた。






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