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切ない想いと優しい想い ここにいてもいいですか?

「メイド長、先生がいらっしゃいました」

「お通しして」

「はい、先生どうぞ」

部屋に入ってきてサラの脇の椅子のこしを掛けサラに問いかける。


「メイドが熱がでたと騒いでいるが気分が悪いかい」

フルフルと首を横に振る。

「でも、少し顔が赤いかな」

「アーレン様がきてはじゅかしやったの」

「おっ声が出るようになったね」

「あい、れもうみゃくちゃべれまてん」

「それは沢山お話すれば大丈夫、もっとうまく話せるようになるよ

だから次は食事を少しづつ、まずはスープから食べてみようか」

「あい、たべらいれす」

「そうだねでも、先に手と足を診ておこうかな」

先生が怪我をした手の包帯をはずすとまだ痛々しい傷が

見えた。


ざっくり切れてるなあ、傷が残るのかな。

キズが残ったらアレイド様気にするだろうから、できれば

残らないといいんだけど、でも、こんなに深い傷なのに

痛くないのはなんでだろう、っと考えていると、

じっと傷を見つめている姿を心配したように

お医者様が静かに傷の状態を教えてくれる。


「痛いかい?精霊の加護糸で縫っているから痛みは

出ないはずなんだけど、傷も少し時間はかかるけど綺麗に

治るから心配しなくてもいいんだよ」

そう言いながら包帯を丁寧に巻きなおす手が優しい。

足はギプスのようなもので固定されており動かすことが

出来ない。継ぎ目もないし、外す道具も持ってないのに

どうやって外すのか不思議に思っていると、

先生が触れるだけでサラサラと崩れて消えてしまった。


“おお消えた!どうなってるんだろう?あんなに硬かったのに

すごい不思議これもやっぱり加護の力なんだよね”


「新しく固定し直すからね、これで少しは歩けるように

なるけど、あまり無理して歩いてはいけないよ。また

熱がでてもいけないからね」

「あい」

「さあお待たせ、メイドさん達にスープを持ってきてもらおう」


振り返りメイドさん達を見るとメイドさん達はしたり顔で

もうご用意できています、と言って湯気のたったいい匂いの

するスープを運んできてくれた。

久しぶりイヤイヤこの世界に来て初めての食事の匂いに

感動してつい涙が零れてしまった。

しまったって思ったけど先生やメイドさん達が悲しそうに

目をふせてしまった。

絶対勘違いされてるよね、違うよ~虐待されてないからね。

でも、うまく説明できないしな~よし!笑ってごまかそう!

渾身の微笑みを皆に向ける。

はう!っと変な声がして、

バタバタと倒れる音がしてメイドさん達が悶えていた。


なに!何があったのぉ!

先生まで肩がプルプルしてるぅ!

「君は自分の微笑みの威力をもっと自覚した方がいい」

と先生がよく分からないこといってるけど、確かに可愛いと

思うけど、そんなに?


「ん、皆どうしたんだ?」

心地よい低音ボイスに振り向くとアレイドが不思議そうに

扉の側に立っていて、スタスタと先生とは逆方向のベッド脇の

椅子に腰を掛けた。

「スープを飲むのか?手を怪我してるんだから飲みずらいだろう。

飲ませてあげよう」

ひょいとスープを取り楽しそうにスプーンを差し出す。

「ほら、あーん」

“ええ~!それは恥ずかしすぎる”

「アレイド様ダメですよ」

動揺しているとお医者さまがアレイド様に注意して

くださったので、ホッとしていると

「それでは多すぎます、久しぶりの食事になりますから

その半分くらいが妥当でしょう」

“そっちなの~!!ああそんなに綺麗な顔でみないでぇ

きらめく銀の髪、優しくゆらめくスカイブルーの瞳、

麗しの低音ボイス、うっく切ない妹枠(涙)”

もうあきらめて腹を決め目を瞑ってあ~んをする。

なのにいくら待ってもスープがこない。


チロリと片目を開けてみると顔を真っ赤にしてスプーン

を持ったまま固まっている。

“どした?どした?さっきから何が起こっているのだ、

てか早くスープ飲みたい”

悲しくなってウルウルしてしまうと、焦ったアレイド様が

ごめんねって言ってスープを飲ませてくれる。


でも、うまく飲み込めなくて取り合えずアムアムと液体だけど

噛んでみる。アムアム。。アムアム。。アムアム。。

よし!いまだゴクン。。。飲み込めた~。


心配そうに見守っていたアレイド様や先生、メイドさん達が

涙を浮かべながら笑顔で拍手してくれる。


スープ飲み込めただけなのに皆が喜んでくれる。

なんて幸せなんだろう。


笑顔でアレイド様がふたくち目を口に入れてくれた。

美味しい、美味しくて、また涙が零れてしまった。

でも、すぐにお腹がいっぱいになってしまって残して

ごめんなさい、て、あやまると

「少しづつ食べられるようになったらいいんだから、気にしないで」

と優しく言ってもらえて、また涙がこぼれた。

どうやら泣き虫になったようだ。


「少し話をしても大丈夫かい」

アレイド様が優しく聞いてくれるのでコクリと頷いた。

「ご両親を探したんだけど、見つからなくてね、言いたくないことは

言わなくてもいいんだけれど、言える分だけでも少し教えてほしい」


“う~ん、どこまで言って大丈夫かな、追い出されちゃったら

どうしよう”不安で少し泣きそうになってしまった。


そっとアレイド様が怪我をしていない方の手を握ってくれた。

「大丈夫だよ、不安な顔しないでサラを探している人がいないか

確認したいだけだから、心配してる人がいるなら連絡してあげたい

だけなんだ、そんな人達はいるのかな?」

私は横に首を振る。

アレイド様は少し悲しそうな顔して質問を続ける。


「では、ご両親はどうしてるのかな?」


「…ひにまひた…」

誰もが言葉に詰まった。


アレイド様は私を抱き寄せ「大丈夫だよ」って言ってくれた。

そう、サラの両親は死んだ、でもサラになる前の私の両親は?

わからない、でも今は私がサラなのだ。サラの両親の記憶もある、

そして記憶の中にだけ存在している両親を愛してる、これも事実だ。

両親の死が悲しいのも今の私の感情なのだ。


私はアレイド様の胸で泣き続けいつの間にか眠ってしまった。

。。。ここにいたい。。。。











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