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空は青いが心は泣いてる、そして涙を返せ!

「どうしたんだ!マックス、何があった」

馬に乗り副団長が駆けマックスに問い詰めた。


「ふくだんちょう〜、うっく団長が、うっ、団長が男の子

を、、助けに行って土砂に、、、」


涙を流しながら説明をする。


「大丈夫だ、あいつは悪運が強いから、きっと土砂の中から

ヒョッコリと子供を抱えて出てくるさ。大丈夫だ!」


土砂崩れのあった場所を睨みつけ、自分に言い聞かせるように答える。

握り拳が震え血が滲む。


「おかしいな、雨も止んでこんなに青空が見えるのに、ここだけまだ

雨が降っているようだ」


副団長の言葉に目を向けると、副団長の顔は涙に濡れていた。

皆が俯き声も出せない中、副団長が皆に指示を出していく。


「全員整列、1班は避難した住人の安否確認、2班は救助用の

道具の確保に行け、3班は俺と一緒にまずは状況確認だ。

もう、土砂崩れが起きないか確認でき次第、救助に向かう

必ず2人を助けるんだ、わかったな!」


「「はい!」」


泣き崩れている子供の両親の前に跪き、2人に優しく声をかける。


「全力を尽くして救助に当たります、どうか気をしっかり持って

下さい」


副団長は立ち上がり土砂に向かって歩き出す、その後ろを団員達が

ついて行く。本当は走って行って土砂の中から

俺の親友を助けたい、だが、無謀に行動すれば団員達の命も

危険に晒すことになる、だから今は耐えるしかない。

誰にも気づかれないように歯を食いしばる。

一瞬何かが見えた気がして目をこらしてみると

土砂からキラリと太陽の光に照らされて何かが光り

そしてひょっこりとアレイドが顔を出した。

腕には男の子をかかえている。


アレイド-、アレイドあいつ生きてやがった心配させやがって。

走って向かおうとしたが、アレイドがなにかを叫んでいる。


「来るな!まだ土砂が崩れるかもしれん、俺達が

そっちに行くから待ってろ」

言うと、足場の悪さをもろともせず、走って向かってくる。

土砂から抜け出し子供をそっと下ろすと、両親のもとに掛けていった。


「パパ、ママ」

「ジミージミー、ああよかった」

抱きしめて無事を喜んだ。


ハーマン副団長も目から涙を溢れさせガシっと

アレイドに抱きついた。

「ガフ!」

勢いよく抱きつかれたアレイドは変な声が出てしまったが

副団長はただただ団長の肩に顔を埋め涙をながした。

「心配かけんじゃねえよ」

「すまなかった」

「本当っすよ、でも副団長の言う通りひょっこり顔が出てきたんで

ビックリしたっす」

そう言うマックスの目からも涙が流れていく。

他の団員達もオイオイ泣いている。


落ち着きを取り戻した副団長が

「どうやって助かったんだ正直もうダメだと」

「俺も不思議なんだ、土砂が俺達を避けたように感じるんだ」

そう、あの時覚悟をきめた。男の子を抱きしめてる腕に

力を込め、目を閉じ衝撃に備えたが一向に来ない上に

恐ろしい地鳴りが止み、あれだけ降っていた雨も感じなくて

恐る恐る目を開けると自分達の周りだけ土砂がなくどう考えても

土砂が避けてくれたとしか考えられない。


「まあ、取り敢えず助かってよかったよ、

坊主も怖かったろう、よく我慢したな偉いぞう」


「団長さん、僕を助けてくれてありがとう」


泥だらけの男の子が笑顔でお礼を言う仕草が可愛くて

皆んなが男の子に注目した時、男の子から爆弾発言が

飛び出て一瞬周りが固まった。

「団長さんがギュッてしてくれたから怖くなかったよ、

俺はロリコンだって言ってたけどロリコンって何?」

そっと父親が子供を抱き上げ3歩ほど後づさりをする顔が

引き攣っている。

「団長様は息子の恩人です、でも息子をそう言う目で

見られるとちょっと、、、困りますが、うちの息子は

困りますが、恩人様です、誰にもいいません!」

子供の母親もウンウンと大きく頷いている。

「おま、ちょっとそれはヤバいだろう」

「イヤ、違うその子じゃあなくて、ちょっとあの子のことを

思って、つい呟いてしまったんだ」

「あの子って、黒髪の少女のことか?いや、それはそれでダメだろう」

「団長、オレらが泣いて心配してた時に何を考えていたんすっか!」

皆んなに白い目でみられ、いつもは鬼の団長と恐れられている

面影はなく、只々モジモジと「あの子は可愛いだろう」と

ぬかしてやがる。

副団長以下全員の心はひとつになる。

不穏な空気に耐えられず


「え〜っと…。すまない、あの子に会ってくる馬を借りるぞ」


言うが早いかもう馬に跨り走って行った後ろ姿を見送りながら

全員の声がそろった。


『『涙をかえせ〜!!』』







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