アルシーの失言
ルイスと別れたシルベリータとアルシーは女子寮の方に向かっていた
<アルシー>
「アルシー、部屋ってどうなってるのかな?」
「私もそれは知らないわね」
「一緒だったらいいね!」
「そうね!」
もし、そうだったら俺たちの親の影響を考えるよな
てか、部屋ってどこ行けばわかるんだ?
「アルシー、すごい人だよ」
「どうしたんだろ?」
「聞いてみる!」
シルはそう言ってすぐに駆けて行った
ああいう行動力は見習うべきだよな
「部屋割りだって!」
「本当? 早く確認しましょう」
「うん!」
部屋割りは液晶のようなもの(魔晶という)に映されていてた
「何々、部屋のパートナーは基本的に同じクラスの人から選ばれています、だって」
「じゃあ!」
「可能性はあるわね」
「やったー!」
可愛い、マジで……いや、これには何の下心も!って誰に弁明してんだか
「えっと、Sクラスは……ここだよ!」
「何々、1001号室、アルシー・ジャンヴァルディ、ミーナ・ロマーネ、1002号室、シルベリータ・フォンダー、ルーネ・ヴァルイ、シル、離れちゃったね……」
「アルシー! 嫌だよー」
「でも、隣の部屋よ、いつでも会えるわよ」
「本当?」
「ええ、大丈夫よ」
「なら我慢する!」
むぎゅっ
「あ、アルシー?」
とっさに行動に出てしまった!
「可愛すぎる……」
その上、声に出てしまった!
なんだよ、こいつ、可愛すぎるんだよ!
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Sクラスのクラス構成は女性五人と男性は五人である
そして、部屋は暮らしていく上で不自由ないように作られているが
クラスのレベルに応じて大きさが変わる
ちなみにSクラスは個人の寝室の他に共用部屋がある
A、AA、AAAクラスまでは個人の部屋があるが、それ以下は共同部屋しかない
個人部屋の大きさは基本的な貴族の寝室の大きさと同じで大体テニスコート半分ぐらいの大きさがある
ただしどのクラスにもメイドなどの人間は配属されることはない、特例はあるが
これは自分の事は自分でやれという創設者の意向が汲まれた結果であるが……
そのせいで貴族と平民が同じ部屋になった場合、平民が使用人扱いを受けることは平常化していた
それを学校側は黙認し、利用していた
幅広く人材を募集するには身分さはあってはいけないが、貴族階級をなおざりにもできないという複雑な事情がからんではいる
裏からの力で部屋分けは極力、貴族と平民になるように組まれていたのである
「シル、じゃあ夕食に行くときにそっちに行くわ」
「うん! 待ってる!」
そう言って二人は各々の部屋に入って行った
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アルシーの場合
「ここが俺の部屋か、いやはやでけーな」
誰もいないと思った故の本来の口調
「ん? ああベッドルームは別なのか、スゲー豪華じゃん!」
そう言ってベッドルームに勢い良く入ると
「ひゃ!」
「うわ!」
女の子がいた
「「驚いた!」」
「「…………」」
「「貴方は?」」
「「…………」」
「「其方から……」」
なぜかお互いの言葉が被る
アルシーは自分から名乗ろうと思った
まあ、貴族の習慣が身についているが故であるが
「私からいくわね、私はアルシー・ラ・ジャンヴァルディよ、この部屋にこれから住む人間よ」
「な! き、貴族様でしたか! 失礼しました! 私はミーナ・ロマーネと申します!」
ミドルネームを持つことがこの国では貴族であることの証明なのである
「急にどうしたのよ?」
しかしアルシーはその事を知らなかった、だから彼女が驚くのがわからなかったが
そもそも貴族として振舞うつもりなど微塵もなかったからであるが、何故貴族とわかったのか?という気持ちが強かった
「いろんな方から貴族様に逆らっては……って私は何を!」
「そう、逆らってはいけないってわかっているのね、なら話は早いわ」
少し遊んでみようと思ったアルシーがこういった
「ひっ!」
ガクガクガクガク
「…………」
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<アルシー>
ちょっとまてええええ
なんでそこまでビビる!!!!
「せめて命だけは!」
「えっと、畏まるの止めましょうよって事だったのだけど……」
ほんとどこの悪役なんだよ!
「え、えええ! そうじゃないでしょ! 普通は、私の下僕になりなさいとかそういうのじゃないの!」
「あら? そうしてほしいの?」
下僕になりたい願望でもあんのか?
「滅相もございません!」
「なら良いじゃない、これから一緒に生活するのに堅苦しいのは嫌なのよ」
「なら、アルシー様は」
「アルシー」
様はいらん!
「……アルシーも猫被るの止めてよ」
…………え?
「…………聞いたの?」
「う! ……うん」
私がこの部屋に入ってから喋っていたことは全て聞いた……ってことでOK?
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「だよなー、はあ、シルの前でもこの状態になったことねーのに」
「あ、アルシー?」
「ん? ああ、これ? 俺の元のしゃべり方だ」
「お、俺?」
「まあいいじゃねーか」
そこは身分にぶら下がりこれ以上は聞かないでね!というオーラを発した
「う、うん」
もちろんミーナが聞けるはずもなかった
「猫被ってるわけじゃねーんだけどな、まあ楽にしろって言われてたらこうなるんだよ」
「そうなんだ……」
「さてと、さっさと部屋の模様替えやろうぜ」
話題を逸らそうとするアルシー
「う、うん」
もう、なるがままのミーナ
「えっと、先ずは……あった、あった、この召喚陣を起動してっと」
「それ、何の召喚陣?」
魔法学校の入学生なだけあり、魔法陣には興味を示していた
「俺の奴隷」
「え?」
「まあ、見てな、えっと”召喚陣起動、対象、アルシー・ラ・ジャンヴァルディ所有奴隷、ルーミア”」
そうアルシーが言うと召喚陣が起動した
「…………ふう、ご主人様、意外と時間かかりましたね」
召喚陣の中央にはメイド服を着たルーミアがいた
「まあ、誤差の範囲じゃないか?」
「それもそうですね、ところで、この方が同室の方でしょうか?」
「ああ、ミーナって言う」
「み、ミーナ・ロマーネです!」
「アルシー様の奴隷のルーミアと言います、よろしくお願いします」
「あ、はい」
「ところで、ご主人様、そんなしゃべり方でいいのですか?」
「いやね、ミスって素が出てしまったからもういいかなって思って」
「いきなりやってしまっていますね、やはりルナンさんかシルベリータ様がいないとご主人様はダメダメですね」
「う、それは……」
「まあ、シルベリータ様の前では自重できてもこの部屋には居ませんし、いずればれると思いますし、よかったと思いますよ」
「それはそうだな」
さもありなんとアルシーは頷いている
「えっと……ルーミアさんって奴隷なんですよね? そんな口利くてもいいんでしょうか?」
ミーナは少し不思議だったので聞いてみた
「何いきなり畏まってるんだよ、いいんだよ、俺が許可してるし、専属メイドなんて俺のことあれ呼ばわりだからな、ははは」
「ミーナ様、ご安心ください、アルシー様は変わり者ですので」
「それ、ちょっとひどくないか……」
「事実を申したまでです」
「まあ、いいか、持ってきた物の整理頼むよ」
そういって彼女は寝室へ入っていった
「はい、畏まりました、ミーナ様の分もしておきますので荷物を出していただけますか?」
「は、はい!」
「あ、そうだ、ミーナ様」
「な、なんですか!」
「アルシー様共々、よろしくお願いしますね!」
「こ、こちらこそ!」
ルーミアはルナンのスペックを引き継ぎつつあったのである、アルシーしっかりしろ
その後アルシーは夕食の時間にルーミアに起こされるまで爆睡していた、一方ミーナはルーミアとのお茶を楽しんでいたのであった




