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入学式

王都レガルノ・王立魔法大学校にて


<アルシー>


「まさか入学までで此処まで来ちゃったなんてね」


「母上?」


「ふふ、貴方達が適正属性すべての中級魔法と適正属性の中級魔術を習得を会得しちゃったから、貴方達の担任は大変ねって思っちゃったのよ」


今日は魔法大学校の入学式


適正や実力は入学してからの基礎能力測定で測られることになっているらしい


「母上、それはさておき、何故私たちの周りは公爵家ばかりなのでしょうか?」


「あら、言って無かったかしら? 私たちは王族なのよ」


「え?」


「アーシャ、今する話じゃないぞ」


「すみません」


「アルシー、後で話してやるから待ってろ」


「はい」


それにしても、入学式とかの式というものはどうしてこうも長いのだ!


『……………以上であるから、諸君たちにはこの国の未来をゆだねることができる人間育ってほしい。これを儂からの挨拶とする』



『新入生起立!  礼!』


終わった!


『続きまして、国王陛下の挨拶です。よろしくお願いいたします』


まだっだったのか……


『全員起立! 礼!』



『紹介にあがりました、この国の王のエリザベーラ2世です。校長の挨拶が聊か長かったと思いますので手短にしたいと思います。みなさん、切磋琢磨して楽しい学生生活を送ってください。これで私からの挨拶とさせていただきます』



『全員! 礼! 着席してください、これで式は終わります、基礎能力測定の日には遅れないように登校してくださいでは、解散です』


女王陛下! なんていい人なんだ!




=====================================



「ふう、やはり、あの爺さんの挨拶は長かったな」


「あら、ドルイ、貴方いつも寝ていなかったかしら?」


「まあ、そうだったが……アルシーの前で敢えて話す事か?」


「あら、そうね、ふふ」


「父上と、母上は学生時代からの縁なのですか?」


「そうね……もっと長いのよね」


「そうだったな、確か……あれ?」


「いつから……かしら?」


「気が付いたら居たような気がするのだが」


「私もよ」


「父上、母上、それは物心つく前からの幼馴染ということなのでは?」


「「多分そうだな(そうね)」」


出身はドルイもアーシャも公爵で、ドルイは二男だったが軍才(作戦立案面)を認められ所領を授かり現在は候爵である


ちなみにドルイの王位継承権は第15位、アーシャは第18位であり、二人の子のアルシーは第30位である


またシルベリータの誕生会に来ていた大公の嫡男は第5位の継承順位である


もっとも、アルシー一家は王位に全く興味がないので本人たちは自身の順位を忘れているのだが、自分たちが王族ということだけは覚えていたようである


『ルイスも新入生の席にいたということは……同い年かよ……とんでもない奴だな』


アルシーはこう思っていたのだが、周りからしてみればアルシーも同じようなものなのであった



====================================



皇期4055期 ノイルナの月 一つ


今日はアルシーたちの魔法大学校の入学式だった


相変わらず校長の式辞は長く途中の意識は無い


アルシーにこの日初めて自分たちが王族の末端であるということ伝えたみたいである


前に言った記憶があったのだがまあ思い違いだろう


いつものように知り合いにあいさつをして帰宅(王都の家)


明日はアルシーたちの基礎能力測定なのだが


アーシャ曰く、我の娘とヴァレンスの娘はアーシャ曰く少々常軌を逸しているらしい


アルシーは何となく納得はいくのだが


シルベリータ嬢は一体何者なのだろうか


稀に居る天才という類の時運物なのだろうが


明日の結果を楽しみにしよう



=================================





今日は王立魔法大学校の新入生に対して基礎能力測定のなされる日である


アルシーとシルベリータは一緒に来ていたので受付も同時に行った


なので、測定はアルシーの後にシルベリータがするという形になっていた


そしてもう一つ


「久しぶりねルイス!」


「あ、これは、お久しぶりです。アルシー殿、シルベリータ殿」


「3期前の会食ぶりでしたかしら?」


「そうですね、お変わり無いようでよかったです」


「ふふ、それはどういう意味でとればよろしいでしょうか?」


「さあ、どういう意味でしょうか?」


二人が言葉遊びをしていると


「あ、あの……」


周りについていけなかったシルベリータが声を発した


「あ、シル、ごめん!」


「シルベリータ殿、これは失礼を」


「わ、(わたくし)は何も……」


「ふふ、シル、この方に対して礼儀は不要よ」


「で、でも!」


「そうですよ、私自身が許可しているんですよ」


「シルにも言ったでしょ? 敬語はやめてって」


「あ……ということは、ルイス様も」


「ルイスでいいですよ、同じ年ですし、これからは同じ学び舎でともに学ぶ学友なんですから」


「……はい」


「でも、ルイス、どうしてここに?」


「おかしなことを聞きますね? 私も測定ですよ?」


「私の前に居たってことは、そういうことなの?」


「そういうことなのでしょうね」


「アルシー?」


「今日一日、ルイスと一緒ってことよ」


「む? アルシーは嫌なのですか?」


「そんなわけないじゃない」


「では、昼食は私がご馳走いたしましょう、女性と一緒に食べる時は男性が持つのは当然ですから」


「ルイス、かっこいい!」


「煽てても何も増えませんよ」


「ばれたか……」


「じゃあ、行きましょうか?」


「そうね」


「アルシー、置いてかないでーーー!」


「ふふ、シルも行きましょ」


「うん!」


アルシーがシルベリータをおいて行くとは到底思えない


それは彼女達を知るものから見れば当然の事なのであった

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