ルナンの日常(朝)
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[ジャルンマーダ基礎魔法導教本]より
ここで少し魔法と魔術の違いについて触れておこう
双方とも魔導と言われるものに属する
魔法は空間に存在する魔素を使用する詠唱による魔導
魔術は術式を描くことで発動する魔導のことである
基本的に魔法の属性は6つある
火
氷
風
土
雷
水
となっている
それぞれ下の属性には優位に立つようになっており
水の下には火が来るのでそれぞれの優劣を図に表すと円形になる
魔術には
光
闇
の2つの種類が存在し
一応双方の魔術の使用は可能だが
基本的に適合属性はどちらか一方になる
また魔法は適合属性の会得が終わらなければ他属性の魔法の会得は不可能でありこの謎は未だ解明されていない
しかし、魔術に関しては双方とも同時に会得が可能であるが適合属性のほうが数段会得速度が上である
これが基本的な魔法と魔術の違いについての基礎知識である。
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<ルナン>
最近の朝の日常的な光景が目の前に広がっています
私の主人であるアルシー様とこの城にお泊りになられているシルベリータ様
二人は同じ部屋で寝ているので二人がこの部屋で寝て寝ているのは当たり前であるのですが
(どうしていつも抱き合っておいでなのでしょうか……)
必ずお互いを抱き枕のように抱き合っておいでなのです
アルシー様の内面を知る私にとっては何とも形容しがたい状況であることは間違いありません
しかし、アルシー様とシルベリータ様がこの状況をお望みであるならば私たちの口からは何も言うことはありません
ではいつものように起こしましょう
「アルシー様、シルベリータ様、朝ですよ」
「……ん、ああ、おはよう、ルナン」
「おはようございます、アルシー様」
「ふぁあーー、アルシー、ルナンさんおはようございます」
「おはようございます、シルベリータ様」
「おはよう! シル!」
「朝食の用意にもう少しかかりますので先に湯浴みをお願いします」
「はーい、シル行こ!」
「うん!」
ドタドタ
少女二人が駆けて行ったあと
「最近、アルシー様の男性らしさが薄れてきているような気がしますね……」
「私もそう思います」
「ルーミアもですか?」
「はい」
アルシー様達を起こすのは私の仕事ですが、部屋の掃除、整理等々はルーミアも加わります
「まあ、あの方どうなるとしても、私たちのあの方に対する思いはきっと変わらないですね」
「そう思いますね……」
私たちにとってあの方がアルシー様でもあれでも関係なく、私たちはご主人様が大好きです