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第二話: 予期せぬ来客

ご覧いただきありがとうございます!

第一話をお読みいただいた方、本当にありがとうございます。


今回は、フラスカの旅に賑やかな新しい仲間(?)が登場します。

二人のドタバタな日常を楽しんでいただけたら嬉しいです!


そうして、とある村に滞在していたある日のこと。フラスカは魔法書を読んだり、村人の手助けをしたりしながら、穏やかな時間を過ごしていた。


昼下がり、気晴らしに散歩へ出かけたとき——突然、小さな影がドスンと彼女にぶつかってきた。


「きゃっ……! あら、大丈夫……?」


見下ろすと、そこには十歳ほどの小さな少女が転がっていた。ショートボブのふわっとした茶髪には木の枝や松の葉がいくつも絡みついており、呼吸を荒くして息を切らせている。


「わあぁっ! お姉ちゃん、本物の魔女様!? すごい、かっこいい! 私、ずっとお姉ちゃんみたいな人に出会いたかったの! 私の師匠になってよ! ねぇ、お願い、お願い!」


何日も森をさまよっていたかのようなボサボサな姿にもかかわらず、少女はエネルギーと情熱に満ち溢れていた。彼女の視線は、フラスカがかぶっている大きな紫色の魔女帽子に釘付けだった。とんがり頭に飾りがつき、彼女が動くたびに「チリン、チリン」と小さな銀の鈴が可愛らしい音を奏でる。


「し、師匠……? ちょっと待って、あなたどこから走ってきたの? もしかして迷子……?」


フラスカは心配そうにしゃがみ込み、少女のボサボサな茶髪から丁寧に枯れ葉や枝を払い落としてやった。


「迷子じゃないよ! パパとママのところから逃げてきたの! 私、ドリーっていうの!」


胸を張って、誇らしげに言い放つ少女。


「逃げてきたの!? どうして……! すぐにご両親の元へ返さなきゃ!」


フラスカの赤い瞳が、少女がどこから走ってきたのかを探るように周囲を慌ただしく泳ぐ。


「嫌だ! あんな親、大嫌い! 私のこと愛してないし、ぶつんだもん!」


ドリーは目を伏せ、とっさに嘘をついた。このお優しい魔女お姉ちゃんが、そう簡単に自分を見捨てないと悟ったからこその作り話だった。


「まあ……なんてかわいそうに……っ。どうしましょう……」


フラスカの胸がキュッと痛んだ。


「よし、それなら私のところに泊まるといいわ。私ができる限りの手助けをするから!」


「じゃあ、魔法も教えてくれるよね!」


もはやお願いではなく決定事項のように目を輝かせ、ドリーは帽子についた鈴へ小さく手を伸ばした。


「ええ、もちろん。もちろん教えるわ」


小さな逃亡者への不安と心配を隠しながら、フラスカはどこか切なげな声を漏らすのだった。


◇


こうして、二人の共同生活が始まった。


実のところ、ドリーが両親を恋しがっているかと言えば、まったくそんなことはなかった。たしかに暴力を振るわれたわけではない。けれど両親は彼女の意見や望みを軽視し、いつも冷たい態度で接していたのだ。どんな服を着たいか、何をして過ごしたいか……ドリーの気持ちが尊重されたことなど一度もなかった。


幸いにも「魔法を学びたい」という望みだけは両親と一致していたものの、あてがわれる家庭教師はいつも退屈で厳格なおじいさんばかりだった。冷遇され続ける毎日に嫌気が差したドリーは家を飛び出し、そして何一つ後悔していなかった。だって、こんなに優しくて素敵な「魔女お姉ちゃん」に出会えたのだから!


正直なところ、フラスカにとって幼いドリーを養う経済的負担は決して軽いものではなかった。それでも彼女はドリーを見捨てようとはしなかった。疲れた顔を見せないよう温かい笑顔で隠しながら、隣村まで足を伸ばして仕事をこなし、稼いだお金でドリーのために新しい錬金術の専門書を買い与えた。


最初こそ魔法の座学を楽しんでいたドリーだったが、やがてそれに飽きると、今度は「調合(ポーション作り)」に夢中になった。呑み込みの早いドリーは、フラスカが教えた基礎をあっという間にマスターしてしまったのだ。


調合のレッスンは、ドリーにとって興奮の連続だった。特に薬師の鍋が「ドカン!」と音を立てて爆発し、二人揃って顔中すすだらけになったり、失敗したポーションの液体をかぶったりするハチャメチャなハプニングが大好きだった。


「あはは! もう一回! もう一回やろうよ!」


鼻の頭にすすをつけたドリーは大爆笑した。


一方のフラスカは、「危ないでしょ!? 怪我はない!?」と毎回心臓が止まるほど肝を冷やし、目を丸くして心配していた。けれど、そんなフラスカの表情が可笑しくて、ドリーはさらに声を上げて笑った。


そんな日々を重ねるうちに、本当に危険はないのだと悟ったフラスカも、やがてドリーの無邪気な笑顔につられるように、クスクスと……そして心から優しく笑い合えるようになっていくのだった。その小さな笑い声は、フラスカの心に深く刻まれた罪悪感を、少しずつ溶かしていくのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました!


少しでも「面白い」「続きが気になる」「ドリーが可愛い」と思ってくださった方は、ページ下部の【ブックマークに追加】や、評価の「☆☆☆☆☆」を押ししていただけると、執筆の大きな励みになります!


感想やご意見も大歓迎です。

次回もよろしくお願いいたします!

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