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二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
恋敵編

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ガタガタと震えるラーナを見て、レイノルズは怒りが抑えきれず、怒鳴るように叫んだ。

「衛兵!!いるなら返事をしろ!!」

「はっ!ここに!」何人かが返事をした。

「お前たち…自分たちが何をしたかわかっているのか!?これは職務怠慢に値するぞ!!理由があるなら言ってみろ!!」レイノルズの拳はわなわなと震えていた。

「それが…持病の薬を兄上様からもらう約束をしていると…。我々が代行すると申し上げましたが、ご自分でないとわからないと言われ、部屋を出て行かれるので、急ぎ同行した次第です。その後、道が違うと申し上げたら、突然走り出されこちらに…。」

皆あきれて言葉が出ずにいる中、レイノルズが努めて怒りを鎮めようとしながら言った。

「セシアナ王女よ、あなたは今、侍女が拘束されたことで、自身も自由に動き回れる立場ではないとお伝えしたはずだ。その上、兄上のところではなく、どうしてこちらにおられる?」王女は悪びれた様子も見せず返した。

「人聞きが悪いですわね。今私が、事故にあわれたラーナ様にお会いしたいと言っても、許していただけないでしょ?ですからやむを得ずこうしたのですわ。私、ラーナ様にお尋ねしたいことがあるだけですの。」

心配気な視線がラーナに集まる。王女に対して震えるラーナに、その王女と対峙するなど、誰もがさせたくなかった。静寂のなか、レイノルズがラーナの隣で片膝ついて聞いてきた。

「どうしたい?」

『私の気持ちを優先してくれようとしている…。ただきっと、レイルの心は決まっている。王女が動きを見せた今、しばらくのやり取りを通して、何かしら引き出したいはずだ。そして…レイルを助けたいと思ったのは私だ。』ラーナは決心したように立ち上がり、震えを押し殺して、

「私なら大丈夫!」とドアを向いて言った。

レイノルズはラーナをジッと見つめてうなずいた。そして、ドアに向き直った。


「どのような理由であれ、あなたは嘘をついて勝手な行動に出た。ラーナに会わせるには条件がある。まずは両手の拘束。それから…ドアは開けるが、この部屋に入ることは許さない。そこから話すということで良いか?」

「構いませんわ。」王女の声に、

「衛兵!準備しろ!用意ができたら知らせろ。」レイノルズが意を決したように言い放った。

「はっ!」そして小さい物音がして、

「準備が整いました!」と返事が返ってきた。

部屋の中では、皆がラーナを取り囲み、ドアを睨みつけている。レイノルズが言った。

「衛兵、王女がまた走り出さないよう備えろ。」

「はっ!」一瞬、ザッ!と音がして沈黙が訪れた。

「ケビン、ノーラン、ドアを開けろ。」レイノルズの声に、二人は手に汗握りながら、ドアを開けた。


腕を後ろにまわした王女を真ん中に、王女の前には二人の衛兵が、こちらに背を向けて立っている。そして王女の両脇にも、こちらを向いた衛兵が二人。物々しい雰囲気だ。

そんな中、不敵にも笑みを浮かべる王女を見て、ラーナは背筋にゾッと寒気が走った。

「要件は手短にお願いする。」レイノルズが言うと、王女はニヤリと笑った。

「ラーナ様、私のドレスを盗んでおられませんか?」

「!?」皆が目を見開いて、ラーナを見た。

「私のお気に入りのドレスがなくなりましたの。鮮やかな紫色のドレスですわ。最近私、レイノルズ殿下と仲良くさせていただいてたでしょ?もしかしたらあなたが嫉妬して、私に嫌がらせをしたんじゃないかと思って…。ラーナ様以外、心当たりがありませんの。」王女は獲物を仕留める寸前の、蛇のような目をしていた。


そんなわけはない、と部屋の皆が理解している。ただ王女の態度を見る限り、間違いなくこの部屋のどこかに、彼女のドレスがある、と…思わざるを得なかった。

『やられた…』ラーナは思った。レイノルズも悔しそうに歯を食いしばっているのがわかる。

「そのようなこと、私には身に覚えがありません。そのような人間だと思われることも、不快でしかありません。どうぞお引き取りください。」精一杯の力で、ラーナは言った。それに対して王女が、

「わかりましたわ。では…そうですね、ドレスが入りそうな…そこのクローゼット。」と言って、部屋の隅に置いてあるクローゼットを見た。

「そちらを開けてください。」

ラーナの額には冷や汗がにじんでいた。そもそもラーナはクローゼットをあまり使わない。今も小物以外、ほぼ入っていないはずだ。

「開けてもそなたの位置からは見えないだろう。」レイノルズが最後まであがこうとしている。実際ドアから見て、クローゼットは右奥に垂直に置いてある。観音開きの扉を開ければ、なおさら中身は見えないはずだ。

「かまいませんわ。ラーナ様、やましいことがなければ…開けられますわよね?」王女の態度は、余裕そのものだった。ハンナがラーナを見ている。指示を待っているのだ。クローゼットを…開けるかどうかの指示を…。ラーナはうなずいた。ハンナは震える目でラーナを見つめ返し、うなずいた。


皆が、ドレスがないことを願いつつも、あることを確信しているという…奇妙な時間の流れとともに、クローゼットが開かれた。


そしてそこには、鮮烈な紫色のドレスがあった。




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