表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
恋敵編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
90/102

旧友

楽しいモーニングティーの時間が終わり、皆が元の場所へと戻った。

ラーナは母が持ってきた出仕用のシンプルなドレスに着替え、その後、今日はどう動くべきか、カイリと話し合おうとしていたそのとき、再びノックの音が響いた。


サーシア国のザラ王子と、タルビア国のイオス王子だった。二人は入ってくるなりラーナを見て目を見張った。そして二人を見たラーナは、言葉よりも、考えるよりも先に足が動いていた。

「ザラ!イオス!」その言葉と同時に二人に飛びかかって抱きついていた。

「久しぶりね!また会えてすごく嬉しい!」ラーナは二人の胸に顔をこすりつけて、子犬のように喜んでいる。

ようやくザラが口を開いた。ザラは筋肉質で体格が良く、短髪でいつも日焼けして肌は茶色、髪も目も同じような薄茶色で、野性的で逞しく、一般的な”王子様”からは少し離れた感じだ。

「お前、ラーナか!?泣いて鼻垂らして、俺に剣の勝負を挑んできてたラーナか!?」

「他の言い方はない…っ!?」ラーナが言いかけた瞬間、ザラは子供を”高い高い”するように、両腕を思い切り伸ばして、ラーナをかかえ上げた。

「キャッ!」と声を上げると、ザラはそのまま回転し始めて言った。

「そうかそうか!こんなに大きくなったのか!しばらく見ないうちに、きれいになったなぁ!」テスとハンナが和やかに、カイリが睨みをきかせて見守る間に、ラーナは目が回り始めた。ようやくイオスが、

「ザラ、ラーナの目が回ってるよ。」と止めに入り、ふらつくラーナの腰にそっと腕をまわして支え、手を握り、間近でラーナを覗き込んだ。

イオスは中世的で、どちらかといえば細身の長身、色白だ。サラサラの黒髪は肩甲骨あたりまで伸びていて、瞳は珍しいシルバー色だ。

「ほんとにあの、いつも口の端に焼き菓子のかけらを付けていた、ラーナなんですね。」イオスが感心していた。


「二人ともひどい。」ラーナはむくれながら、テスたちが入れてくれたお茶を飲んだ。久しぶりの対面式が終わったあとに、三人で歓談テーブルをはさんだ。

「そう、むくれるなよ。可愛い顔が台無しだぞ。」ザラは大きく足を組んで焼き菓子を食べている。

「私たちは久しぶりにラーナに会えたことが嬉しくて仕方がないんだ。」イオスは静かにティーカップを口に運んでいた。二人とも正反対の性格だが、仲は良い。ラーナよりも数年年上だ。

「レイルには会ったの?」ラーナの問いに、

「会いには行ったんだが、何やら忙しそうで、先にこちらに案内されたんだ。」ザラが答えた。

「それにしてもラーナ、この部屋は以前のラーナの部屋ではありませんよね?」イオス鋭し。ラーナが一瞬戸惑ったのを見て、イオスが続けた。

「何かあったんですね。そしてそれは、我々が一日早く呼ばれたことと、関係がありそうですね。」イオスやっぱり鋭し。


イオスは昔からそうだ。まわりに向ける視線の鋭さが違う。瞬時にして受け止めた視界からの情報を、すばやく理解して覚える。

ラーナは、レイノルズよりも先に、自分から現状を話して良いものか考えていたが、横にいたカイリがラーナの耳元でささやいた。

「どのみちレイノルズ様からもお二人に説明があるはずです。ラーナ様から先にお話しをされていたほうが、あとでお三方が話される際、時間の短縮になるかと。ですので今のうちに聞いていただく方がよろしいかと思います。」

『なるほど、それもそうか。じゃあ先に話しを聞いてもらったほうがよさそうね。』と、ラーナが口を開いたときに、二人の様子をジッと見ていたイオスが聞いてきた。

「そもそもなぜカイリがラーナ付きになっているんだ?カイリはもともとレイノルズの側近のはずでは?」

『そうなんだけど…、それとこれとはまた別のことも関わってくるし…、そこから話し出すと長くなるし……』ラーナがもたついていると、見かねたカイリが発言した。

「私がラーナ様付きになった事情はまた別件が絡んでおりまして、こちらは大したことではないのでのちほどお話いたします。今は現状打破のために、ラーナ様のお話を聞いていただけますでしょうか?」

そうして、セシアナ王女が来てからの、長い受難の話が始まった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ