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二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
恋敵編

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作戦会議 その二

四人は場所をラーナの部屋に移した。ラーナのたっての希望で、反対するカイリに無理やり手伝ってもらい、ノーランの左頬の手当をした。まずは湿布を貼るふりをして、ノーランに目をつぶらせた。それから頬に手のひらを置き、カイリにケビンから見えないよう隠してもらいながら…ほんの少しだけ光を放った。その後ノーランはなぜか右頬も赤くなってしまった。ケビンに至っては、

「カイリ殿、私を一発殴ってはくれないか?」と言って、カイリに白い目で見られていた。


テスとハンナにお茶を入れてもらって、計六人で再度話し合いとなった。

「先ほどもレイノルズ殿下がおっしゃっていましたが、今後セシアナ王女がなりふり構わず、ラーナ様に攻撃してくるかと思われます。」カイリの言葉に、全員がゴクリと唾を飲んだ。さらにカイリが続けた。

「毒を飲ませたにも関わらず、ラーナ様が元気でいらっしゃる。その上、レイノルズ殿下と口づけまで交わしておられたのです。想定外のことに激怒し、前回以上のことを企ててくるでしょう。」

「ちょっと、カイリ!」ラーナは真っ赤になってカイリの腕を掴んだ。テスとハンナは初耳な事件に、興味津々だ。ノーランも赤面、ケビンは複雑な顔をして横を向いていた。


「ただある意味こちらに都合が良いのは、彼女の浅はかな行動を理由に、いい加減強制送還が可能なところまで来ているかもしれないということです。」途端に皆の顔色が明るくなった。

「今行われているであろう、御前会議で、おそらくそういった話も上がってくるでしょう。しかしそこで問題となるのが、証拠です。彼女の問題行動の証拠がないまま強制送還をしたとしても、彼女が無実を訴えれば、ラジニア王国からグリナリア王国に言いがかりをつけられる恐れもあります。下手をすれば逆に、王女の心身に障害をきたしたと、責任の所在を押し付けられかねません。」ラーナはゾクリとした。


「ここからはあくまで私の予想です。今日の御前会議で、彼女の悪行の証拠を掴むための作戦、が考えられるはずです。具体的な策がでるかはわかりませんが、王宮は、彼女の尻尾を掴み易くするための状況を、作りだそうとするはずです。」皆理解しようと真剣に耳を傾けている。

「そこで注意すべきは、ラーナ様の危険です。」ラーナがビクッと肩をゆらした。

「尻尾を掴みやすい状態を作る、ということは、セシアナ王女が、ラーナ様になんらかの危険を企て易い場を作る、ということになります。嫌な言い方をすれば、王宮が、ラーナ様を()()()にする、ということです。」ラーナは目を伏せた。と、同時に、

「そんな!あんまりです!」と声をつまらせながらハンナが言った。テスは今にも泣きそうだ。

「先ほども申し上げましたが、あくまで私の推測に過ぎません。ただあながち間違った路線ではないと思っております。そうすることが、一番の近道であり、そうしなければ、あちらから仕掛けて来たこの…ある意味戦争に、勝てないのです。」カイリの言葉に、息を飲む音が聞こえた。

「反対に、証拠を得ることができれば、彼女の強制送還と同時に、ラジニア王国がグリナリア王国にとんでもない爆弾を送り込んできた、と言って貸しを作ることができます。」沈黙が広がった。


「いつ、どのような策が決行されようとも、今この瞬間から、王女の帰国まで、決してラーナ様から目を離さないようお願いします。」皆がコクリとうなずいた。

ラーナの心の中は、王女によって仕掛けられる次の(わな)のことで、真っ黒な雲に覆われているようだった。




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