作戦会議
お茶を飲み始めてしばらくすると、カイリが話し始めた。
「お二人とも、陛下からお話は聞かれているのでしょうか?」
ケビンとノーランは真剣な顔つきでうなずいた。
「セシアナ王女が城にが来られて10日前後ですが、何をされるわけでもなく、レイノルズ殿下の空いた時間を見つけては、会いに行く、その繰り返しで一日が終わっています。」ケビンが言った。
「オルバー殿が、レイノルズ殿下、そしてラーナ様のお立場上、そのように振舞われることは自制していただきたいとお伝えしたようですが…。平手打ちをされて、王女に向かって口答えは許さないと…。そしてそれを問題視したレイノルズ殿下が王女を咎めようとすると、そんなことした覚えはないと…、しらを切られたそうです。」ノーランも付け加えた。
『とことん厄介な人だわ…。どうすればいいのかしら。』
皆言葉を失っていた。
「ラーナ様が戻られた以上、王女がすることは二つ。」カイリが言った。
「自分がレイノルズ殿下に接触する時間を増やすこと。そのためにラーナ様に何かしらの妨害を加えて、ラーナ様がレイノルズ殿下に会う時間をつぶすこと。」
部屋に緊張が走った。
「王女はすでにラーナ様のこの部屋を知っています。おそらく頻繁に来ることでしょう。ちなみに、王女の侍女や護衛はどうなっているのでしょうか?」カイリの問いに、
「それが…ジーナという侍女一人です。護衛の騎士はいたのですが、王女を送り届けたあと、その日に帰国しました。」ケビンが答えた。
『陛下が言っていたことに合点がいくわ。…護衛を付ける必要もない、ということだ。なるほど、厄介払いか…。』
「では、そのジーナの動きにも注意が必要ですね。おそらく王女と同じ腹だと踏んで間違いないでしょう。私たちのやるべきことも二つですね。まずはその二人からラーナ様を守る。そして可能な限り早く、王女に帰国していただく。これだけです。」
皆がうなずいた。
その後の話し合いで決められたことはこうだ。
一、ケビンかノーラン、必ずどちらか一人はラーナのそばにいること。
二、テスとハンナは、これから毎日二人とも出仕すること。
三、カイリがラーナのそばから離れるときは、代理と入れ替わる。
「私のために、みんなに迷惑かけるわね。ほんとにごめんなさい。」ラーナが肩を落として言った。するとケビンがすぐに反論した。
「何をおっしゃるのですか!不謹慎かもしれませんが、私はラーナ様にお仕えできることを光栄に、そして嬉しくも思いました。どうかそのようにおっしゃらないで下さい。」
「ラーナお嬢様、私たちもおります!」テスとハンナも鼻息も荒く言ってくれた。
「…ありがとう。」ラーナは涙目で答えた。そして思った。
『なんとしてでも乗り切らねば…そしてなんとしてでも、この王城に平和を取り戻す。』




