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二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
秘境編

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暗躍

翌日の朝食後、ラーナにはどうしてもしておきたいことが二つあった。

一つはミリーネの様子を見に行くこと。二つ目は昨日の出来事について、カイリに詳しく聞くこと。

一つ目は意外にもカイリに却下された。

「あなたはご自分の命を犠牲にしてまでミリーネを助けて下さった。歩けるようになったら、あちらから正式なお礼と謝罪をしに出向くよう、妹にもハザンにも伝えております。これ以上あなたがあちらに赴く必要はありません。」ということだった。

『カイリ…身内には厳しいわね。』

「二つ目については…、これからのためもありますので、お話しておきます。」と目を伏せて言った。


カイリが教えてくれたことはこうだった。

まずは村の男たちは皆、剣、矢、体術など、一般的な武術は体得しており、村全体が騎士団のようになっているということ。カイリ曰く、そこらの騎士団よりも強いらしい。

とはいえ、なぜここまで強くなる必要があったかと言うと、もちろん聖女を守るためでもあるが、もう一つ理由があった。


森のずっと向こうに広がる、リサーマス国より送られたスパイから、身を守るためだ。

本来、聖女伝説は極秘事項としてルオナ村は建設されたが、それがリサーマス国に漏れたのだろうと、村は推測した。

理由としては、村設立初期のころ、数名が行方不明になったことがあげられるという。詳細は不明だが、当初ラビアの町に立ち寄ったリサーマス国民と、同様にラビアにいた村民が出くわし、そのものたちが村から消えた。おそらくリサーマス国に入国し、聖女伝説を売ったのだろうと村民たちは踏んだ。また、それが記録として残っていた。

たびたび訪れるスパイから、村と聖女を守るべく、男たちは騎士団のように強くなった。そして日頃から、村への侵入者に目を光らせていた。


そして今回、ダナンと名乗る青年の侵入。当然村は把握していたが、ラーナの来訪と重なったことが、分が悪過ぎた。もちろん、ラーナに余計な心配はさせぬよう、彼女にこのことは伏せられた。だが聖女の存在が、自分たち以外に、しかも他国のスパイに知られたことは、なんとしてでも消さねばならない事実だった。この非常事態に特需部隊が結成され、ダナンの様子を常に伺い、動きをは把握していたが、ラーナが誘拐された日の午後、突然行方をくらましたらしい。村全体で捜索したが、見つからなかったため、建物内が怪しいと踏み、カイリが急いでラーナの部屋へ駆けつけたときには、もぬけの殻だったという。

そのときのカイリの表情たるや、鬼の形相だったと、あとでリアとサラが教えてくれた。


それからカイリと特殊部隊がすぐさまあとを追った。ダナンとラーナを見つけるのは容易(たやす)かったが、ラーナを傷つけないよう、ダナンだけ捕らえる瞬間を狙うのに時間がかかった。

「そうだったのね。カイリ、ありがとう。あなたの顔を見たときには、力が抜けてしまったわ。帰り、おぶってくれたでしょ?昔、兄にしてもらっていたのを思い出して…あなたの背中が気持ち良くて、すぐに眠ってしまったみたいだけどね。」ラーナが笑顔で言った。

カイリは少し切なそうな顔で微笑んだ。


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