表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
秘境編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/102

困惑

「ザーザー」と鳴る雨音で、ラーナは目を覚ました。外は久しぶりの大雨だった。ラーナはふらつく足取りでベッドを出て、窓を開け放った。

空から降りてくる、光を帯びた無数の水の線と、その線が木々の葉に打ち付けて、飛び散っていく音とで、森は神秘的で、(おごそ)かな空気を作り出していた。

『城にいると考えもしないけど、本来の自然はなんとも大きく偉大で、たくさんの恵みをもたらしているのね。』そんなことを思いながら外を眺めていると、ノックの音がした。カイリだった。

「ラーナ様、目を覚まされたんですね。ですがそんなに急に動かれると…」言われた先にラーナがよろけ、カイリが瞬時に駆け付け抱き留めた。そしてラーナの瞳を見て言った。

「…こんな風になりますよ?」カイリがそのまま抱き上げてベッドにラーナを運んだ。


カイリがお茶の準備をし始めた。

「私、どのくらい眠っていたの?」

「丸二日です。」カイリが月の薬草茶のカップをラーナに渡した。お茶の匂いに癒されながら、ラーナはあの日のことを思い返していた。

「ミリーネはどんな様子?」

「おかげさまで、顔色も良く、先日は一瞬指が動いたと、ハザンが喜んでおりました。」

ラーナの顔がパッと明るくなった。

「そうなのね!実はこの前も、ミリーネの口元が動いたように感じたの。その途端ものすごく力を吸い取られているような気がして…。きっとあと少しなんだわ!」

カイリはなんとも言えない複雑な顔をして言った。

「無茶だけは…しないでいただきたいのです。」

「ここまで連れてきておいて?」ラーナがちょっと意地悪そうに言うと、カイリはフイっと横を向いて黙った。

「冗談よ。例えば私がミリーネの手当を断っていたとしても、あなた達が私に危害を加えるとは思えなかった。だから私は断ることもできたのよ。そうしなかったのは私の意思で、今していることのすべての責任は私にあるわ。だからこの先、私に何が起ころうとも、あなた達の責任ではないの。」そう言った途端、カイリがラーナの腕をつかんだ。眉間にしわを寄せ、歯を食いしばっているように見えた。

「お願いですから、そういう言い方はしないでください。あなたの犠牲を強いてまで、妹を助けたいとは思っていないのです。万が一そんなことが起きようものなら…私はっ、………。」そう言うカイリを見て、ラーナは慌てて取り繕った。

「ごめんなさい!言葉が足りなかったわね。私はもちろん、注意して手当しているつもりよ。カイリもそばで見ていてくれているし。ただこうやって倒れたりするのは、私のせいだから気にしないで。その代わり、ちゃんと助けてね。」そう言って笑うラーナの顔を見て、カイリは握りしめていたラーナの手を、そのまま自分の額に持っていき、目を閉じて言った。

「もちろんです。」

カイリの態度がいつもと違うことに、少し戸惑うラーナだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ