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二人で転生しました!が、  作者: 西野ゆいと
成長編

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33/101

舞台裏

成人のお披露目会当日、ラーナは準備を済ませ、王宮の自室で待機していた。


ここグリナリア王国では16歳で成人とされる。そして成人を迎えた貴族の子息や令嬢は、社交界への正式なデビューも兼ねて、王宮主催のお披露目会に招待される。会場では名前が読み上げられた順番に入場となり、パーティ開始を待つ。そして王家から成人を迎える者が出た年には、当人のダンスを皮切りにパーティが始まる。その後は会場に用意された軽食と飲み物で歓談、という流れだ。

ここで一つ問題なのは、レイノルズとラーナが共に入場するということだ。メルリーナが成人のときは、フィルがエスコートして、王家専用の入り口から入場し、二階から階段を降りてきた。二人も同じようにすれば良いだけなのだが、今回は二人が共に、成人する者として出席になることだ。ラーナの父クリスガルド公爵は、

「いくら忙しいとは言え、エスコートの時間くらい取れるに決まってるだろ!?なぜ私に先に相談しなかったのだ!?そしてなんでレイノルズ殿下がお前のエスコート役と決まっているんだ!?そもそも殿下は今回の主賓と言ってもいいんだ!となると何か!?ラーナがエスコート役なのか!?」と怒り心頭だった。自分が仕事の合間にエスコートしてでも、貴族用入り口から入場して、娘の成人の儀を華やかにスタートさせたい。そういう公爵の親心は、王家の陰謀?によって無残にも砕け散った。

母から「いいじゃありませんか、皇太子殿下と一緒に階段から降りてくる方が、よっぽど華々しいじゃない!」と慰められるも、それは逆効果のようだった。

「それがまずいのだ。婚約者でもないラーナが皇太子殿下と降りてくれば、皆、興味と妬みの目でラーナを見るだろう。陛下もそれを危惧して、私に謝罪してきたものの、そこはあちらに任せろと言ってこられた。こちらとしても委ねる以外に選択肢はないのだがな。」父は肩を落としていた。

『お父様、ごめんなさい。』ラーナは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。フィルも、

「俺も当日はメルリーナ様の側仕えで、離れられないからな…。ラーナのことが心配だよ。こうなった以上、皇太子殿下に任せるしかないな。まぁ何かあれば陛下に直訴して、いよいよラーナを返してもらうだけだ。」と不敵な笑みを浮かべていた。


そして当日、屋敷内は早朝から侍女たちの運動会と言ってもよかった。家族全員がお披露目会に出席するため、それぞれの正装に加えて、出席の準備など…ハロルドが老体に鞭打って頑張ってくれていた。ラーナの身支度は特に念入りに行われた。ドレスは白に近い、薄い桃色を選んだ。全体にフリルとパールがあしらわれ、どこから見てもキラキラと輝いて見える。胸元は開き過ぎず、若干大きめに丸く開いていて、鎖骨のラインが美しく見えるようになっている。袖は肘まであり、その裾が幅広くなっているため、胸の横でひらひらと揺れるのが女性らしさを演出していた。その後テスとハンナが入れ替わり立ち替わりで、派手過ぎず、でも華やかさを忘れずに、と化粧をしてくれた。髪の毛も上半分をアップにして下半分はおろしたまま、若い女性向けのかわいらしいスタイルだ。そして最後に、レイノルズがくれたネックレスをして仕上がった。落ち着いた赤色が、顔を華やかに見せ、ドレスを引き立てていた。

出来上がったラーナのドレス姿に、家族は、特に父と兄は涙目になってうっとりしていた。

「ラーナ!世界一美しいぞ!今日の主役間違いなしだ!」と父。

「あー!俺がラーナをエスコートしたかったぁ!」と、王女殿下のエスコート役のフィルは、若干問題発言をしていた。

「もうどこから見ても素敵な淑女ね。今日のところは人目を気にせず、楽しんできなさいな。」と母がやさしく言ってくれた。


全員の身支度が整うと、家族一緒に馬車に揺られて王宮に到着。それぞれが役割の場所へと向かって行った。ラーナは時間になるまで待機と言われ、自室にこもって心を落ち着けていた。階段を降りるとき、ダンスをするときをイメージしながら部屋で動いていると、ノックの音がして、レイノルズが入ってきた。そしてラーナを見た瞬間に視線と動きが止まった。

「綺麗だ…」自然と声に出てしまうほど、ラーナの美しさに呆然となった。そういうレイノルズも、ラーナが思わずドキッとしてしまうほど、王子スタイルが決まっていた。上は白の長めのジャケットで、端が金色で縁取られている。下も白色で少し短めの丈、その裾にも金の刺繍がグルっと入っていた。ラーナは照れながら、

「レイノルズ殿下、本日はよろしくお願い致します。」とドレスの両脇を握ってお辞儀をして見せた。レイノルズはラーナに歩み寄り、片膝をついてラーナの手の甲にキスをした。

いよいよお披露目会が始まろうとしていた。

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