第二十七章《満天の星々の下》
あれから私たちは展望台を目指して歩いた。
「ふー、着いたー!」
「大変だったねー。」
「うん。」
「まぁ、展望台だから高いところにあるとは思ったけど……。」
「上り坂きつかった。」
「だな。」
「ひーちゃん見てみて!」
「どうしたの?」
「星がたくさん見えるよ!」
「本当だ。」
「まだ、日が沈んで暗くなったばっかだから、夏の大三角形が見えるね。」
「えー!」
「そうなんだ。」
「夏の大三角形って秋にも見れたの!」
「うん。」
「へー。」
「あと、西の地平線すれすれに……。」
「何があるの?」
「えーと、あった!あの光ってるやつ見える?」
「うん。」
「あれが金星。」
「へー、星座、詳しいね。」
「うん。天体が好きなんだ。」
「じゃあ、秋の星座は?」
「えーと……。」
それから、葵の星座講座が始まった。
「あれがペガスス座!」
「ほほー。」
「秋の四辺形。」
「あれが……。」
葵の星座講座は二時間ほど続いた。
でも、葵が一方的に教えていただけだけど。
「いいねー。」
「満天の星々。」
満天の星々の下。
私たちはただ立ち尽くした。
言葉にならない思いが胸にあふれてきた。
「……来年もまた。」
「うん!」
「……。」
涙があふれてきそうなのを抑えながら言った。
「じゃあ、そろそろ行く?」
「行こー!」
満天の星々の下。
私たちは今歩き出した。
涙をこらえて。
「綺麗だったねー。」
「……うん。」
「冬の大三角形は十二月頃が見頃だからまた、見にこよう。」
「うん!」
「お腹すいたー。」
「だねー。」
「早く帰ろー。」
「おー!」
十月一日が終わる。
十二月、そして来年もここに来ると私たちは誓った。




