第十九章《林間学校⑼最後の夜前編》
「はいー!ということで最後の夜でーす!」
「あっ!」
「はい、そうです。つまり……。」
「あー!」
「夜更かしタイム!」
「げー。」
「約束だよー!」
「オーマイガー!」
「何する?」
「うーん。」
「菓子パっしょ!」
「菓子パってお菓子パーティのこと?」
「うん。」
「でも、お菓子の持ち込みはダメだったよ。」
「ふっふっふ。こっそり持ち込んでやったのだー!」
「茜音!声、大きいもう消灯時間過ぎてるんだよ!」
「あー、そうだった。」
「じゃあ、静かにね。」
そして、お菓子を食べた。
「おいしいね。」
「うん!」
「あれっ、あおちゃんチョコ苦手?」
「あ、うん。」
「知らなかったー!」
「ねぇねぇ、このあと何する?」
「うーん?」
「腹筋!」
「えっ!」
「いやいや、夜中にやることじゃないでしょ。」
「吹奏楽部なんだから腹筋は大事だよ!」
「えー。」
「限界まで起き上がれ!スタート!」
「一、二、三、四……五……六。」
「ひーちゃん!頑張れ!」
「あ、もう無理……。」
「おっと、氷雨選手ここでリタイアか?」
「三十回だね。」
「次は、あおちゃん!」
「よーし。」
「頑張れ!」
「一、ニ、三、四、五、六……。」
「おーと、葵選手、早い、早い早すぎる!何だそのスピードは?怒涛の勢いで氷雨選手の記録を超えていく!」
「はあはあ、ギブ!」
「あおちゃんは百五十回だね。すごい!」
「では、次に参りましょう。」
「茜音だね。」
「続いては本校、潮凪中学校の海老こと私、火燈 茜音でございます。」
「何その異名?」
「海老?」
「じゃあ、いくよ茜音!」
「いつでもどうぞ。」
「スタート!」
「一、ニ、三……四……五。」
「茜音……二十回。」
「何とかの海老って言う異名なかったっけ?」
「あはは、てへっ!」
「てへっ!じゃない!」
「そんなことは置いといて次は何する?」
「とりあえず、なんか話す?」
「いいねー。」
「じゃあ、恋バナ!」
「えー、またー。」
「うん!」
「仕方ないなぁ。」
「私も気になる。」
「もう、あおちゃんまでー。」
「それで、月斗とはなんかあった?」
「えーとね。キャンプファイアーでじゃんけん勝ってたじゃん。」
「うん。」
「その景品貰ったんだ。」
「へー、中身は何だった?」
「あっ、見てないや。」
「覗いてみたら?」
「うん。」
私は紙袋に入ってる景品を取り出してみた。
「何々?」
「えっとね、オルゴールかな。」
「いいねー!」
「あれっ?ひーちゃん紙袋にまだ何か入ってるよ。」
「えっ?」
「本当だー!」
「手紙?」
それは最後の一カ月ノートと同じ淡い水色の手紙だった。
「何が書いてあるの?」
「開けてみるね。」
ヒサへ
今夜の夜十二時にエントランスへ来てください。
話したいことがあります。
月斗
「わー!告白かな?」
「えー!ひーちゃんすごい!」
「あはは、どうだろうねー。」
「ついて行っていい?」
「ダメー!」
「えー。」
「じゃあ、物陰からこっそりならいいよ。」
「やったー!」
「林間学校最大のビッグニュースだね。」
「二人ともはしゃぎ過ぎ。」
「そういうひーちゃんだって顔真っ赤だよ。」
「えっ!」
「じゃあ、行こー!」
「う、うん。」
茜音と葵に押されて階段を降りた。
月斗はもうそこにいた。
「ふー。」
「ほらっ、行ってきな!」
「ちょっと待ってまただ、心の準備が……。」
私……今日、心臓保つかな?




