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第十二章《林間学校⑵出発》

夏の暑さも少しずつ和らぎ、朝夕には秋の風を感じる頃。

私は林間学校に行く最後の準備をしていた。

1. ハンカチ、ティッシュ

2. 歯ブラシ、コップ

3. 着替え

4. しおり

5. トランプ

「よしっ、準備オッケー。」

「じゃあ、行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

母は優しく送り出してくれた。

「おはよー。」

「うん、おはよう。」

「じゃあ、行こー!」

学校に着くとまた教室は文化祭の時みたいににぎやかだった。

「ねぇ、何持ってきた?」

「私はこっそりお菓子持ってきちゃった。」

「わー!ヤベッしおり忘れた。」

そんな声が聞こえてくる。

「ひーちゃんは何か持ってきた?」

「私はトランプ持ってきた。」

「いいね!バスでやろう!」 

「うん。」

そして舞園先生がやってきた。

「今日から林間学校だな。怪我するなよ。最後の行事だからしっかり楽しめ。」

「はい!」

「これで朝の会を終わる。全員校庭集合だ。」

そして舞園先生は出ていった。

「校庭集合だって。」

「うん、行こう。」

「そういえば、バスの席どうする?」

「確か、自由席だよな?」

「……うん、確か。」

葵と月斗が話に入り込んできた。

「じゃあ私はあおちゃんと座る。」

茜音が言った。

「じゃあ、ひーちゃんは月斗と座ってねー!」

「……う、うん。」

「よろしくな。」

「よろしく。」

私は少し顔が赤くなってしまった。

「じゃあ、校庭行こー!」

「うん。」

校庭まで行く途中で茜音がこっそり話してきた。

「ひーちゃん、花火大会で月斗となんかあったでしょ。」

「えっ。」

私は驚いて声が裏返ってしまった。

「なんか、気まずそうだから、その空気なんとかしてね!」

「あっ、うん。」

「応援してるよー!」

茜音はニヤニヤしながら葵の方に向かった。

(茜音にバレてた……。)

「おい、ヒサ。なんかあった?」

「あっ、えっ、いやっ、何もなかったよ。」

「めっちゃ、挙動不審だけど大丈夫そ?」

「あっ、うん。」

そしてバスに乗り込んだ。

「なぁ、ヒサ、窓側と通路側どっちがいい?」

「えっと、じゃあ、通路側で」 

「オッケー。」

「やっほー、ひーちゃん。」

「あっ、茜音とあおちゃん、後ろなんだね?」

「うんっ、ひーちゃんたちの様子を観察しようとねー。」

茜音がまた、ニヤニヤしながら言った。

隣を見ると葵もニヤニヤしていた。

きっと茜音から何か聞いたのだろう。

「もうっ、からかわないでよ。」 

私はまた顔が赤くなってしまった。

「いやっ、からかってないって。私たちは偵察してるだけだよー、ねぇ、あおちゃん?」

「うんうん、そうそう。」

「もう、あおちゃんまで。」

そんなことを話していると、

「よしっ、では出発だ。」

舞園先生が言った。

バスはゆっくりと学校を離れていった。窓の外では、手を振る先生や保護者の姿が少しずつ小さくなっていった。

これから始まる三泊四日。

きっと、一生忘れられない思い出になる。 

残された時間が少ないからこそ、一つ一つの思い出を大切にしたい。

そう心に決めながら、私は窓の外を見つめていた。

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