↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/17

第十一章《林間学校⑴》

今日も学校に行く。

茜音と月斗と葵と一緒に。

こんな毎日が続けばいいな。

そして、学校に着いた。

教室では、林間学校の話をしている人が何人もいた。

「本当に行けるのかな?」

「延期になったときは中止だと思ってた。」

「あと二週間しかないし、思い出作りかな。」

教室のあちこちからそんな声が聞こえてくる。

私も席に座りながら、窓の外を見つめた。

そして舞園先生が入ってきた。

「えー、隕石衝突の影響で延期になっていた、林間学校だが、来週から三泊四日で実施することになった。」

舞園先生は朝の会で急に言った。

「今日の三時間目に班などを決めるから、ある程度決めておいてくれ。部屋は女子が三部屋、男子が二部屋だ。班は男女好きに組んでくれ。」

そう言って、朝の会は終わった。

「ひーちゃん、班一緒になろー!」

「あと、月斗とあおちゃんも!」

「オッケー。」

「えっ、俺、男子一人なんだけど?」

「まぁまぁ、気にしない〜。」

「いいの?」

葵は申し訳なさそうに聞いた。

「もちろん!」

「ありがとう。」

「部屋どうする?」

「うちのクラスが女子、九人だから、私たち三人で一部屋かな?」

「……じゃあ、茜音とあおちゃんと私の三人でいいかな?」

「よしっ、決まり!」

「じゃあ、あとでね!」

四人は顔を見合わせて笑った。

そして三時間目。

「では、班を決める。もう決まっているところはあるか?」

「はーい!」

茜音が大声で言った。

「私たちの班は私、氷雨、葵、月斗で。」

「では、火燈、豊咲、早乙女、八神は同じ班でいいか?」

「他の班どうする?」

「うち人数足りない!」

教室は文化祭の時みたいににぎやかだった。

茜音は何度も私たちの名前を呼びながら手を振っていた。

そんな感じで班が決まっていった。

「では、次は部屋決めだ。」

「はーい、私たちの部屋は私、氷雨、葵で。」

茜音はまた大きな声で言った。

「では、火燈、豊咲、早乙女は同じ部屋だ。」

そんな感じで部屋も決まっていった。

「では、林間学校のしおりを配る。」

クラス中でしおりをめくる音が一斉に響いた。

「これで三時間目を終わる。」

そして放課後。

「みんな同じ班だねー。」

茜音は嬉しそうに言った。

「そうだなー。」

「てか、林間学校って何するんの?」

月斗が聞いた。

「……BBQとかキャンプファイヤーとかじゃないの?」

「確かにな。」

「BBQ楽しみ!」

「私は星空が見たいな。」

「俺は川かな。」

「あおちゃんは?」

「私は……みんなと写真撮りたい。」

「それ最後の一カ月ノートにも書いてあるね!」

四人は笑った。

「それじゃあ。」

「バイバイ。」

家へ帰ると、夕日が少しずつ傾き始めていた。

カバンを机の上へ置く。

制服を脱いでリビングへ向かう。

テレビではニュース番組が流れていた。

リモコンを手に取ろうとした、その時だった。

また速報がやっていた。

〔専門家によると、隕石衝突での死者は全世界の約80%だそうです。〕

「80%か……。」

「みんなも生きられないかな……?」

〔隕石の落下予測は日本の首都の東京ということです。〕

「えっ、日本?」

テレビを見つめたまま、言葉が出なかった。

東京。

そこには、ついこの前転校してきた葵が暮らしていた街がある。

葵はどんな気持ちで東京を離れたんだろう。

大好きな街だったのかな。

友達とも、急に別れることになったのかな。

胸の奥が、ぎゅっと締めつけられた。

「そんな……。」

「氷雨、ご飯だよ〜。」

母が呼んでいる。

「はーい。」

まぁでも奇跡は起こるかもしれないし。

『未来は私たちの中にある!』

私は茜音の言葉を思い出した。

「氷雨、ご飯だってば〜。」

「はーい、今行くよ。」

そうだよね、不可能はない。

私たちはきっと……。

まだ、諦めたくなかった。

食事を終えて部屋へ戻ると、机の上に配られた林間学校のしおりを置いた。

一日目 出発・ハイキング

二日目 川遊び・BBQ

三日目 キャンプファイヤー

四日目 帰校

私は「二日目 川遊び・BBQ」の文字をしばらく見つめた。

「みんなで笑えるといいな……。」

そう願いながら、しおりを閉じた。

林間学校まで、あと一週間。

残された時間は、少しずつ減っていく。

それでも私は、その一週間を楽しみにしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。