第十章《転校生》
〔速報です。専門家が測定した所隕石衝突は18日後の10月5日だと言うことです。後二週間と少ししかありません。皆さんもこの二週間を大事にしてください。...〕
あと二週間ちょっとか
そんなことを考えながら起きた。
朝ごはんを食べて飛び出した。
「おはよう〜!」
「今日も元気だね。」
「うん!」
学校へ着くと、教室が少しざわついていた。
「なんだろ?」
私はつぶやいた。
すると舞園先生が教室へ入ってきた。
「みんな席につけ。」
教室が静かになる。
「今日は一人、紹介したい人がいる。」
ガラッ。
教室のドアが開いた。
一人の女の子が少し緊張した表情で教壇に立つ。
「……早乙女葵です。よろしくお願いします。」
教室から拍手が起こる。
「じゃあ早乙女は、豊咲の隣の席に座ってくれ。」
「はい。」
葵は静かに歩いてきて席に座る。
私は少し緊張しながら言った。
「……よろしく。」
「よろしく。」
小さく笑う葵。
その様子を見て茜音が嬉しそうに話しかける。
「私は火燈茜音!よろしくね!」
「八神月斗だ。よろしく。」
少しだけ教室の空気が和らいだ。
そして昼休み、
「いっしょに食べよう!」
茜音が葵に話しかけに行った。
「いいの?」
「うん!」
「ありがとう。」
「ねぇ、なんで呼んだらいい?」
「前の学校ではあおちゃんとか言われてたかな......」
「じゃあ、あおちゃんね!」
「私は茜音でよろしく!」
「私ってなんて呼ばれてるっけ?」
「たぶん、ひーちゃんかヒサメって呼ばれてるかな?」
「じゃあ、ひーちゃんでいい......?」
「うん......」
「よろしくね......あおちゃん。」
「うん」
放課後の帰り道
「あおちゃんって、前の学校で部活何に入ってた?」
「私は吹奏楽部でクラリネット吹いてたよ。」
「えっ、吹部だったの!」
「うん......」
「えー!私たちも吹部だったんだ!」
「私はアルトサックス。」
「......私はフルート。」
「俺はバリトンサックス。」
「みんな木管楽器だね!」
「ねぇ、みんなでクレープ食べない?」
「えっ、またー?」
「うん、だって美味しいもん!」
「わかったよ。」
「あおちゃんもクレープ食べる?」
「いいの?」
「うん、もちろん、付き合わせてるのこっちだもん。」
「何食べる?」
「ひーちゃんと月斗はいつも通りだよね?」
「うん」
「あぁ」
「あおちゃんは?」
「私は抹茶で......」
「渋っ!」
「じゃあ買ってくるねー!」
茜音は列へ駆けていった。
「......あおちゃんって前はどこに住んでたの?」
「東京の港区......」
「えっ、都会じゃん!」
「うん。でも東京の学校はもう閉校になっちゃって……。」
「だから親の実家があるこっちで最後の時間を過ごすことにしたんだ。」
葵は少しだけ寂しそうに笑った。
「そうなんだ……」
「私たちには遠慮しなくていいからね!」
「ねぇ、月斗。」
「あぁ。」
「ありがとう......」
そんなことを話していると茜音が帰ってきた。
「お待たせ!」
「はいっいちご!」
「ありがとう……」
「はいっ、甘党くん、いちごチョコ!」
「からかうなって!」
「意外!」
「悪いかよ。」
「また照れてる!」
「うるせぇ。」
「まぁ、いつものことだから気にしないで!」
「はいっ、抹茶」
「ありがとう、でもやっぱり月斗が甘党なの意外!」
葵は笑った。
「あおちゃん笑った!」
「えっ。」
「転校初日で緊張してたでしょ!」
「あっ……うん。」
「もう友達だからね!遠慮は無用!」
「ありがとう。」
その表情は、教室で見たときよりずっと柔らかかった。
「じゃあまた、明日。」
「……また、明日。」
葵は少し照れたように笑って言った。
転校初日だったはずなのに、不思議とその言葉が温かく聞こえた。




