コンカラーという男 17
「誰だお前は!?」
「だれー?それ、答える必要なくないー?」
ギリリッ!
「ぐっ!」
腕に鋭い痛みが走る。
こいつ、とんでもないパワーだ…!
しかも、よく見たらこいつ女じゃないか…!
シルバーブロンドのくせっ毛に、濃紺色のグラデーションがかかったオーバーサイズのパーカーを身にまとい、袖口から小さな手が出て俺の腕を掴んでいる。
女として出るところは出ていて実に俺好みの見た目をしているが、そのパワーは明らかに異常だ。
「ぐっ!このっ!離せっ!」
押したり引いたりするが、その場からびくともしない。
完全にパワー負けしている。
この細腕の女のどこにこんな力が…?
「あ、アンタは…!?」
「る、ルミナス様…!?」
「……ルミナス?」
聖女と薄い黄色の髪をした女が、急に現れた女を見て騒ぎ出す。
ルミナス……どこかで聞いた覚えがある名前だ。
「…あーあ、なんで言っちゃうのー?せっかくかっこよく決めてたのにー」
ルミナスと呼ばれた女は、二人女に早々に正体を明かされて少し不満がある様子。
そして、視線がそちらに向くと同時に力が少し緩んだ。
……チャンス!
「っ!」
「あ、逃げられちゃった」
気を取られている隙に腕を振り払う。
そのまま後ろに跳んで距離を取った。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
(あのルミナスとかいう女…なんて馬鹿力だ…!骨が軋んでやがる…!)
なんとか逃れられたものの、腕に結構なダメージを負った。
また同じように掴まれれば、今度は折れてしまうかもしれない。
そして、そこであることを思い出した。
「……急に現れる…オーバーサイズの服を着た女…それにこの馬鹿力……お前、時空の聖女だな…?」
「およ?バレたー?」
とぼけたように首を傾げる時空の聖女。
噂には聞いていた。
創造の聖女、理の聖女に続いて三人目の聖女がいると。
時空の聖女と言うだけあって神出鬼没。
常にオーバーサイズの服を身にまとい、女とは思えない怪力で、さらに不思議な道具をいくつも操るという。
自身の肉体の時間すら止めているため、年も取らないとか。
人の形をしているが、その正体は人ではない何か。
時間の聖女とはそういうものだと聞いていた。
「こいつがそうだっていうのか…!」
こんなふざけた顔をした奴が時空の聖女とは信じられないが、急に真横に現れたこと。
さらにあの怪力は以前から聞いていた話通りだ。
おそらく間違いないのだろう。
しかもこの感じ、わざわざガキどもを守るために出てきたように見える……
本来なら見ることすら出来ないような存在の時空の聖女が守りに来るなんて、このガキどもに一体何があるっていうんだ…!?




