白黒ハッキリつけましょう 16
「お、収まった…のか?」
「そうみたい……」
模擬戦用の広場の出入口に殺到していた観客たちも、光が消えたことに次第に気づく。
徐々にパニックも収まってきた。
「でも、なんで急に__」
「お、俺は見てたぞ!メアリー嬢が光を抑えてくれていたのを!」
避難していた生徒たちの内の一人が、突然光が消えたことを疑問に思っていると、そこに被せるように興奮した声が上がる。
「正直、何してんのかさっぱりだったんだがよ?メアリー嬢が両手を合わせた瞬間、光が広がるのが止まったんだ!」
「…それ、本当なの?」
「ああ!苦悶の表情だったから結構辛かったんだと思うぜ?あれだけの魔法を止めてるんだ、そりゃ当然だよな?それから押し合いへし合いしてから、突如メアリー嬢が縦に一閃!光は完全に消滅!と、こういうことだ!」
「……ということは、私たちはメアリー様に助けられたってこと?」
「…どうやらそういうことらしい……」
1人の興奮した生徒の言葉が、徐々にみんなに浸透していく。
そして、それぞれの生徒たちが複雑な表情をしながらこちらに視線を向けてくる。
恐らく、今まで無色の公爵令嬢と蔑んできた事実があるため、素直に感謝することができないのだろう。
「…ありがとうな!メアリー嬢!おかげで助かったぜ!」
そんな気まずい雰囲気の中、一人模擬戦用の広場に響き渡る声でお礼を言うやつがいた。
声がした方を探すと、両手を上げてブンブンと恥ずかしげもなく振っている男がいる。
シルトだった。
「…………ありがとう。おかげで助かったよ」
「……私も、ありがとう。それと、今までごめんなさい…」
「俺も___」
「私も___」
それからは、シルトにつられるようにポツポツと感謝の言葉と謝罪があちらこちらから聞こえてきて、最後には模擬戦用の広場が感謝の言葉でいっぱいになった。
そして__
「な、なんだこれは!?」
「「「メアリー嬢(様)!!メアリー嬢(様)!!」」」
いつの間にか、感謝の言葉が大合唱にすり替わっていた。
「きゃあーっ!メアリー様ー!こっち向いてーっ!」
「実は、前々から麗しいって常々思っていたんですー!」
「それは新しい魔導具ですか?黒の瞳に中心の藤紫が映えてとても素敵ですー!」
なにやら黄色い声援まで紛れ込んでくる始末。
決闘が始まる前までは無色だなんだと蔑んでいたのに、この変わり身の早さ。
なんだか思うところはあるが、命を助けてもらったと感じていればこんな風になるものなのだろうか?




