白黒ハッキリつけましょう 17
「__もう我慢の限界です…!今すぐ代わりなさい!」
「ん?メアリー?どうした、そんなに慌てて__」
「忘れたんですか!?レオン殿下にみんなにバレないようにするって約束したでしょう!?貴方の瞳の色は目立つんです!」
……瞳の色?
そう言えば、黄色い声援の中に妾の瞳の事について叫んでいるやつがいたような気がする。
「あ、ああ!そうだったな。すっかり忘れていた」
「いいから!今すぐ代わりなさい!」
「ああ、わかったわかった」
ルナの意識が身体の中に潜っていく感覚。
そして代わりに、メアリーとしての意識が浮上してくる。
それに伴って、瞳も黒から白に変化していく。
「__よし、上手くいきましたね」
上手く私に戻れたようだ。
意識がある状態で入れ替わったのは初めてだったので少し不安だったが、特に問題ないようだ。
手のひらを閉じたり開いたりして、感覚がおかしくないか確認する。
『すまないな。少々目立ちすぎたようだ』
「はぁ…それはもういいです。あの状況だったのですから、それはこの際気にしません。それより……」
「「「メアリー嬢(様)!!メアリー嬢(様)!!」」」
「…こっちをなんとかしなければ……」
熱気と興奮が高まりすぎて、もはや収拾がつかなくなっている。
これを抑えるのは正直面倒くさい。
「メアリー嬢。一気に人気者になったな」
「れ、レオン殿下?それに皆さんも」
白い光で削られた地面の外縁部分に、レオン殿下たちが集まってきていた。
「ついにメアが、とても素敵で完璧な美少女だということが皆にわかってもらえましたね。しかし、不謹慎なようですが、今までそんなメアを独り占めできていたのにこれからはそうじゃなくなるかもと思うと、少し複雑な思いです」
「ヴィー……」
相変わらず、ヴィサス様は愛が重くていらっしゃる。
「それでどうすんだ?メアリー嬢の汚名がそそがれたのはいいが、さすがにこれは_」
「うるさいです黙りなさい。だから今どうしようか考えているでしょう?」
「…ひどい……」
私の言葉に一丁前に傷ついた振りをしているシルトは無視して、本気でどうしようか考える。
……面倒だ。
一人一人ビンタすれば正気に戻るのでは?
うん、それだ。
それがいいに違いない。
私は一つ覚悟を決めて、大合唱している生徒たちの方に顔を向ける。




