白黒ハッキリつけましょう 15
「ぐっ!うっ!うぅっ!」
光が広がろうとしては、押し返し、広がろうとしては押し返しを繰り返す。
何度も何度も同じことを繰り返している内に、だんだんとイライラが募ってきた。
「ぐうぅぅぅっ!偽物の分際で……調子に乗るな!」
カッと目を見開き、合わせていた両手を解くと、左手を縦に勢いよく振り下ろす。
その瞬間、イーリスを中心に広がっていた光が縦一直線に切れ目が入り、切れ目から光がズレたかと思うとそのまま消滅してしまう。
光の中心にいた神々しい男も、光と同じように縦に切れ目が入り、そこからズレて一緒に消滅してしまった。
「…え?あれ?どういうこと?」
残されたイーリスは、突然自身の魔法が解除されたことに目を白黒させている。
「…このっ!馬鹿者っ!」
ゴチンッ!
一瞬でイーリスの目の前に移動すると、そのままイーリスの頭の上に拳骨が炸裂する。
「あいたっ!な、なに…!?」
「お前はなにを考えているんだ!こんなところであの魔法を使いおって!」
「…え?あの魔法?」
妾の言葉に、イーリスは周りをキョロキョロと見回す。
そして、辺りの惨状を見て顔を青ざめる。
「え?なにこれ?なんでこんな…」
イーリスが立っているところの周辺を除いて、光が通ったところは軒並み塵にされて地面も綺麗に削れてしまっている。
さらに遠くを見れば、避難しようとしている生徒たちの姿が目に入った。
魔法が解けた今でも、我先に避難しようと出入口がごった返している。
「あの魔法は無差別に周囲を消し去る魔法だ!聖女ともあろう者が守るべき民を危険にさらすなど言語道断!あってはならぬことだ!」
「え?嘘、だってそんなこと知らな__」
「知らぬで済むか馬鹿者!」
ゴチンッ!
「あいたっ!うぅ…だって本当に知らなかったんだもん……ゲームではただの範囲攻撃だったし…まさかこんな魔法だったなんて…」
「自分が使う魔法くらい、しっかり把握できんで何が魔法使いだ。今回は妾が抑えられたから良かったものの、場合によっては大変なことになっていたのは、いくらそなたでもわかるであろう?」
「はい……」
「しかも、そなたは聖女なのであろう?当然、その行動にはそれだけの責任が伴う。わかったなら、ゆめゆめ忘れるでないぞ」
「うぅ…はい……すいませんでした……」
妾の説教を受け、さすがのイーリスも自分がしたことに罪悪感を感じたのか、落ち込んだ様子で項垂れる。




