白黒ハッキリつけましょう 13
「形勢逆転だよ!くらえ!」
「っ!甘い!」
「え、きゃあっ!」
体勢有利になって少し勢いづいたのか、大振りに拳を振り上げる。
そんな隙を見逃す私ではない。
イーリスと同じように両肩を掴むと、再び横に転がり体勢を入れ替える。
「フフフ、甘かったですね。人はとどめを刺すときに一番油断するものです」
「くぅっ!まだまだ!」
イーリスは再び、私の両肩を押さえる。
「なんの!」
私も、イーリスの両肩を押さえる。
「いい加減!諦めて!ください!」
「絶対に!嫌だ!」
ゴロゴロと右へ左へ転がる。
そのおかげで、制服や綺麗な髪は泥だらけになっていく。
「あー、なんとまあみっともない……」
「これが、神聖な決闘…なのですか…?」
「まあ、メアリー嬢らしいと言えばらしいけどな」
「私はそんなことより、メアにのしかかられているのが羨ましくてたまらないのですが?後で私にもしてくれませんかね?」
「「「……ヴィサス様…もう手遅れなのですね……」」」
レオン殿下、ゴヴェル様、シルト、ヴィサス様が順に私たちの汚い泥仕合を見て感想をもらす。
唯一、ヴィサス様だけ変なことを言っているのを聞いて、今までの清廉なヴィサス様はもう戻ってこないのだと、スィー様とフロー様とスエロ様は悲しみに暮れた。
「はぁ…はぁ…ここまでやるとは思いませんでしたよ、イーリス様」
「…はぁ…はぁ…それはこっちのセリフ!無色のはずなのになんでこんなに強いのよ!そんなのおかしいじゃない!」
あれからずっとゴロゴロ転がっているせいで、お互い目を回してしまい、いつの間にか二人で地面に仰向けに倒れていた。
二人共、ゆっくり立ち上がると息を切らしながらお互いを睨みつける。
「フフフ…属性魔法が全てではないということです。これで一つ学べましたね」
「ふんっ!それは認めてあげるわ!でも、これならどう!?」
そういうと、イーリスは両手を胸の前で祈るように重ね合わせ、集中し始める。




