白黒ハッキリつけましょう 12
「仕方ありませんね。ならば……」
私は拳を開き、平手のまま振りかぶる。
「あ、メアリー嬢!イーリス嬢は__」
「心配しなくても大丈夫ですよ、レオン殿下。殺しはしません」
ただ、今の私は無属性魔法による身体強化を行っていない身体にギリギリの攻撃ができるほど、魔力を緻密に制御出来ない。
なので……
「なにそれ?なにしようとしてるか分かんないけど、そんなのアタシに通じな_ブベラッ!」
イーリスの頬に平手打ちをかました。
イーリスは一回転しながら地面にズシャアッ、とうつ伏せに倒れる。
もちろん、魔力は《《全く》》込めていない。
魔力を下手に込めれば、イーリスが爆発四散しかねないため、それならばいっそ全く使わなければいいということだ。
「きゅ、急に…!女の子の顔をなんだと思って…っ!」
仰向けの体勢になって、こちらを睨みつけながらゆっくり起き上ろうとするイーリス。
私は、そんなイーリスのお腹の上に思いっきりジャンプしてお尻から着地する、いわゆるマウントポジションをとった。
「グエッ!……え、嘘、マジで…?」
「勝負とは常に無情なのです。ほら、キャットファイトの始まりですよ」
私は再び、平手を振りかぶる。
「このっ!やらせるもんか!」
イーリスも負けじと、下から手を伸ばして私に平手打ちをさせないよう腕を押さえてくる。
「お、やりますね。ですが!」
「そっちこそ!くらえ!」
手を払い、逆にイーリスの手を押さえる。
イーリスは私に手を押さえられないよう、下で暴れて私の体勢を崩しつつ、再び私の腕を押さえようとしてくる。
「この!そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃ!」
「くっ!ほりゃほりゃほりゃほりゃほりゃほりゃほりゃほりゃ!」
高速でお互いの腕の押さえ合い。
お互い一歩も引かず、腕を掴みかけては払われ、また掴みかかるの繰り返し。
「くぅっ!ほりゃっ!」
「な、なに!?」
そんな中、イーリスが私の一瞬の隙をついて両肩を押さえると、そのまま回転して上下の位置を入れ替えた。




