42.黒い馬車を追いかけろ!
|_・)
一年近く放置でマジすみません。
やっとこさ進み始めました。
でもまだゆっくり
何しろ根性無しが帰ってきてません
(ノ_Θ。)
携帯やりづらいよ
おお
勇者カルバン・クライン
勲し誉
強き脚は大地を駆け
折れぬ心を剣に宿す
まさに英雄此に在り
へいへい、ありがとよ。
けどな、いい加減に別の歌おうぜみんな。
俺は飽きた。
だいたいよ、カルバン・クラインの歌で思い浮かべるのはトパの顔だろ? 美形過ぎで笑っちまうって。
ま、俺を想像されても嫌だけどよ。
あいつがお人好しでよかった。ほんとほんと。
それにしても。やっぱ走ってちゃ追いつけねぇな。
と! あの角曲がりやがるか。一本道でサンダラン通りに抜けるな。んじゃこっちからいくか!
こちとらオルブランっ子でぇ! 抜け道も先回りも任しとけってんだ!
「何やってんだ?」
よう! 手伝えアリィ。
「おう。でも、何でこんな裏路走ってるんだ?」
馬車追っかけてんだよ!
「馬車? 何でまた」
話せば長い。
「じゃ結論だけ」
マリンが乗ってる。
「何ぃ!?」
説明は後だ! よっしゃサンダラン通り出た。正面!
「あの黒い二頭立てのば「止まりやがれくそぼけェ!」
「わ、阿呆! いきなり馬車の引き綱斬るな!」
構ってられっかよ!
手応えあり!
とにかく馬車の足を止める!
「うわ!?」
何ィ!?
「ぐぅっ!」
「カル!」
ふぅ……受け止めありがとさん。
「毎度のこった。それより見たか?」
ああ、ぶっ叩斬った綱が俺を弾き飛ばしてまた馬と繋がった。
「それだけじゃねえ。馬がふり向いてお前に火を噴きやがったぜ。ついでに火を噴く一瞬だけ、すっさまじく魔王の気配がした」
へ? 感じなかった。
「そらお前はそうだろうな」
ああ、吹き飛ばしたのか。
「そゆこと。結界要らずで便利だよな」
便利はお前だ、このまま抱えて飛んでくれ。
「おう」
いつもすまねぇな。
「それは言わない約束でしょ……って。追いかけるのはいいけどな。お前が空飛ぶ面白い人になってないか?」
なんで俺だけ?!
「お前は俺の勇者だから判んねえだろうがな。俺は今、天使属性になってるから勇者以外の人間にゃ見えねえし、壁も普通に突き抜けるし、お前を見えなくする不可視結界はお前抱えてたら張れねぇしってわけで、お前が一人で空飛んでるように見える、っと言う訳だ」
うわぁ……見てる見てる。見られてる! ソコの路地左!
「ほいほい」
ふぅ……よし、この路地突き当たりで右に行けば、カーツトン通りでまた正面狙えるはずだ。
「さすが地元民。でも、あの馬車がそっちに行くって確信あるのか? あの先は十字路だろ?」
大丈夫、間違いねぇ。馬車は大通りを避けながら大手門を目指してる。
「どうして大通りを避けるんだ?」
大通りには、今頃トパとお姫が騎馬隊率いて待ち構えてるからさ。
「あ〜わからん。後でちゃんと始めから説明しろよ。路地飛んでちゃうっかり壁突き抜けてお前落としそうだ。もっと見やすい位置に行くぜ」
うお、いきなり急上昇すんな!
「……っと。ここなら全部監視できるだろ? おまえも視力戻ったし」
高っけぇな。馬車が蟻並みだ。
「見ろ、人がゴミのようだ。とか言わないか?」
天使から見たら、人間なんてそんなもんか?
「……すんません、俺が悪かったです」
お前って、時々意味不明だよな。
「ユニバーサルギャップってのは、越えきれねぇもんさ……とりあえず、あの馬車どこに追い込む?」
中央広場がいいんじゃねぇか?
カーツトン通りからマンナッカ筋に追い込んで、トルダーシ通りに行かせれば、後は否応なしに中央広場に行くしかなくなせる。広場は今なら騎馬隊が本陣張ってるから一般人は居ねぇし、噴水にでもぶつけりゃ馬車も止まるんじゃね?
「お前にしちゃあえらく筋立った考えだな」
お前、俺を馬鹿だと思ってるだろ。
「まっさかぁ」
少なくとも馬鹿にはしてるぞ。
「しないしない、したこともない」
どうだか。
「ま、トパが人手持ってるならそれ使おうぜ」
んじゃ行くか?
「いや、それじゃまどろっこしい。俺より速いのを呼ぶぜ。ティルク。天使アレックスが喚ぶ! 喚び掛けに応えよ!」
うわ、偉そうだ。
「正式な天使からの妖精召喚はこういうもんなんだよ。ほら、来た」
おお来た来た、ちっこいくせしてえっらい勢いで飛んできたな。
「アリィ様ぁ〜カルバン様ぁ〜」
はは、声はのうてんきだ。
「よう、ティルク」
「ティルク、トパに騎馬隊をカーツトン通りから大門に抜けるまでの馬車道に展開するように伝えてくれ。奴らの馬車を中央広場に追い込む」
「はい! トパ様に、カーツトン通りから大門へかけての馬車道全てに騎馬隊を展開し、敵の馬車を中央広場に追い込むようお伝えします」
へぇ。復唱一つで飛んでくなんてな。
「なんだ?」
ティルクがベテランなんだなって、実感したのさ。
「今頃かよ」
いつもののほほんとしたツラからは、あんまし想像付かなくてな。
魔王の決戦でも、オロオロしながら俺に回復薬運んでたし。まぁ、和んだけどよ。
「魔王や手下達からの、隙間のない絨毯爆撃かいくぐってな」
あ、そういやそうだったな。なんだ、結構やるじゃねぇか。
「だから、今頃かよ」
ははは。
ま、とりあえず。騎馬隊が動き出したぜ。俺たちも行きますか。
「へいへい。わぁったよっと……あれは…?」
ん? どうした?
「塀の上見ろよ。あいつらも頑張ってるぜ」
レニ! くっそう。早いとこ馬車止めて駆けつけてやるぜ!
「お前、ほんっとにレイニーちゃんばっかだな。んじゃ行くぞ!」
おう! 手加減無しで急降下してくれ。
「了解!」
って、マジでキツ〜〜
「目を回すなよ!」
回すかバカ野郎。馬車の屋根の上に俺を落としてくれ。
「穴開けて入るってか?」
ったりめぇだろうが!
「ま、お前らしいや。じゃあ構えろ。タイミング一、二の三で」
三と同時か? 後か?
「後だ」
いいぜ! 落としたら、レニんとこ行ってくれ!
「了解。攻撃躱せよ。一、二の三!」
行くぜぇぇ!!
カルバンsideは二人称。
自分の周りの説明能力皆無なカルバンでは、情景描写が全くできないのが困りもの。
はてさて、壁の上はどうなってるんでしょうね。
( *´ー`)ところで、今回某ジ○リネタが二つ入ってます。
ひとつは判り易いですが、もう一つがわかる人はすごい。
それともう一つ。かなり懐かしの洋画のネタも入れときました。
これがわかる人は本当にすごい。
では次回。さ来週の今ごろ!
がんばりまーす