表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/17

# 第七話 ## 「勇者、魔王と会う」

# 第七話


## 「勇者、魔王と会う」


魔王城。


人類史上最大の会談が行われようとしていた。


勇者ユウト。


そして――


魔王。


千年続いた争いを終わらせるかもしれない歴史的瞬間だった。


王国も魔界も緊張している。


だが。


ユウトだけは別のことで緊張していた。


「絶対に揉め事を起こすなよ?」


「はい♡」


リリナ。


「分かりました♡」


エリス。


「任せて!」


ルナ。


「大丈夫です!」


ミレア。


「善処します♡」


クロエ。


全然安心できなかった。


---


巨大な扉が開く。


ギギギギギ……


玉座の間。


そこには黒いマントを羽織った男が座っていた。


黒髪。


鋭い目。


威圧感はある。


だが――


思ったより若い。


三十代くらいだった。


「来たか」


魔王が立ち上がる。


ユウトも前へ出る。


周囲が固唾を呑んで見守る。


勇者と魔王。


歴史的な対面。


そして。


魔王はユウトを見て一言。


「おお」


「思ったよりイケメンだな」


「え?」


全員固まった。


---


「父上?」


ルナも困惑している。


魔王は真剣だった。


「なるほど」


「これは娘が惚れるのも分かる」


「いやいやいや!」


ユウトがツッコむ。


「そこですか!?」


魔王は頷いた。


「重要だ」


「重要なんですか!?」


「娘の結婚相手だからな」


「まだ決まってません!」


---


するとリリナが前へ出る。


「魔王様」


「なんだ」


「勇者様は私が貰います」


場が凍る。


エリスも出る。


「いいえ私です」


ミレアも出る。


「ユウト様は王国の宝です!」


クロエも出る。


「私です♡」


ルナも叫ぶ。


「私のお婿さん!」


ユウトは頭を抱えた。


歴史的会談。


開始五分で崩壊した。


---


魔王は深いため息を吐く。


「静かにしろ」


全員が黙る。


やはり魔王。


一言で空気が変わる。


そして魔王はユウトを見る。


「勇者」


「はい」


「お前に聞きたい」


真剣な目だった。


「人間と魔族は共に生きられると思うか?」


玉座の間が静まり返る。


誰もが答えを待っていた。


---


ユウトは少し考えた。


そして笑う。


「分からない」


「ほう」


「でも」


ユウトはルナを見る。


エリスを見る。


クロエを見る。


そして仲間たちを見る。


「俺は魔族の友達がいる」


ルナが少し照れる。


「仲間もいる」


エリスも微笑む。


「好きな人たちもいる」


五人が顔を赤くした。


「だから」


ユウトは真っ直ぐ魔王を見る。


「やってみる価値はあると思う」


魔王は黙った。


そして。


ふっと笑った。


「初代勇者によく似ている」


---


その時だった。


ドォォォォン!!


城が揺れた。


「なに!?」


全員が立ち上がる。


兵士が飛び込んでくる。


「大変です!!」


「魔王様!!」


「どうした!」


兵士の顔は青ざめていた。


「封印の塔が破壊されました!」


グレイが立ち上がる。


「まさか……」


「ありえん……」


ユウトは尋ねる。


「何が起きたんですか?」


老人は震える声で答えた。


「千年前」


「勇者と魔王が共に封印した存在がいる」


空気が凍る。


「その名は――」


グレイの額から汗が流れる。


「破滅竜ヴァルガス」


「世界を滅ぼしかけた怪物だ」


---


魔王の表情が変わった。


「復活したのか……」


兵士は頷く。


「はい」


「既に北の大陸が壊滅状態です!」


全員が息を呑む。


王国と魔界が争っている場合ではない。


本当の敵が現れたのだ。


すると。


魔王がユウトへ手を差し出した。


「勇者」


「なんです?」


「共闘しよう」


勇者も手を伸ばす。


「もちろん」


ガシッ。


勇者と魔王が握手した。


その瞬間。


千年続いた対立に、


初めて希望の光が差した。


---


しかし。


その横で。


ルナが言った。


「共闘は賛成だけど」


「うむ」


「勇者様のお嫁さんは私だからね!」


「待ちなさい!」


「それは私です!」


「私ですよ!」


「譲りません♡」


「勇者様は私の隣です♡」


また始まった。


魔王は天を見上げた。


「世界の危機なのだが……」


ユウトも天を見上げた。


「ですよね……」


## 次回予告


**第八話「世界最強の敵、破滅竜ヴァルガス」**


魔王と勇者が共闘!

人類と魔族の連合軍結成!


だが破滅竜の力は想像を超えていた!


そして戦場で深まるヒロインたちの恋心――!?


「勇者様は私が守る!」


最終章開幕!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ