# 第七話 ## 「勇者、魔王と会う」
# 第七話
## 「勇者、魔王と会う」
魔王城。
人類史上最大の会談が行われようとしていた。
勇者ユウト。
そして――
魔王。
千年続いた争いを終わらせるかもしれない歴史的瞬間だった。
王国も魔界も緊張している。
だが。
ユウトだけは別のことで緊張していた。
「絶対に揉め事を起こすなよ?」
「はい♡」
リリナ。
「分かりました♡」
エリス。
「任せて!」
ルナ。
「大丈夫です!」
ミレア。
「善処します♡」
クロエ。
全然安心できなかった。
---
巨大な扉が開く。
ギギギギギ……
玉座の間。
そこには黒いマントを羽織った男が座っていた。
黒髪。
鋭い目。
威圧感はある。
だが――
思ったより若い。
三十代くらいだった。
「来たか」
魔王が立ち上がる。
ユウトも前へ出る。
周囲が固唾を呑んで見守る。
勇者と魔王。
歴史的な対面。
そして。
魔王はユウトを見て一言。
「おお」
「思ったよりイケメンだな」
「え?」
全員固まった。
---
「父上?」
ルナも困惑している。
魔王は真剣だった。
「なるほど」
「これは娘が惚れるのも分かる」
「いやいやいや!」
ユウトがツッコむ。
「そこですか!?」
魔王は頷いた。
「重要だ」
「重要なんですか!?」
「娘の結婚相手だからな」
「まだ決まってません!」
---
するとリリナが前へ出る。
「魔王様」
「なんだ」
「勇者様は私が貰います」
場が凍る。
エリスも出る。
「いいえ私です」
ミレアも出る。
「ユウト様は王国の宝です!」
クロエも出る。
「私です♡」
ルナも叫ぶ。
「私のお婿さん!」
ユウトは頭を抱えた。
歴史的会談。
開始五分で崩壊した。
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魔王は深いため息を吐く。
「静かにしろ」
全員が黙る。
やはり魔王。
一言で空気が変わる。
そして魔王はユウトを見る。
「勇者」
「はい」
「お前に聞きたい」
真剣な目だった。
「人間と魔族は共に生きられると思うか?」
玉座の間が静まり返る。
誰もが答えを待っていた。
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ユウトは少し考えた。
そして笑う。
「分からない」
「ほう」
「でも」
ユウトはルナを見る。
エリスを見る。
クロエを見る。
そして仲間たちを見る。
「俺は魔族の友達がいる」
ルナが少し照れる。
「仲間もいる」
エリスも微笑む。
「好きな人たちもいる」
五人が顔を赤くした。
「だから」
ユウトは真っ直ぐ魔王を見る。
「やってみる価値はあると思う」
魔王は黙った。
そして。
ふっと笑った。
「初代勇者によく似ている」
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その時だった。
ドォォォォン!!
城が揺れた。
「なに!?」
全員が立ち上がる。
兵士が飛び込んでくる。
「大変です!!」
「魔王様!!」
「どうした!」
兵士の顔は青ざめていた。
「封印の塔が破壊されました!」
グレイが立ち上がる。
「まさか……」
「ありえん……」
ユウトは尋ねる。
「何が起きたんですか?」
老人は震える声で答えた。
「千年前」
「勇者と魔王が共に封印した存在がいる」
空気が凍る。
「その名は――」
グレイの額から汗が流れる。
「破滅竜ヴァルガス」
「世界を滅ぼしかけた怪物だ」
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魔王の表情が変わった。
「復活したのか……」
兵士は頷く。
「はい」
「既に北の大陸が壊滅状態です!」
全員が息を呑む。
王国と魔界が争っている場合ではない。
本当の敵が現れたのだ。
すると。
魔王がユウトへ手を差し出した。
「勇者」
「なんです?」
「共闘しよう」
勇者も手を伸ばす。
「もちろん」
ガシッ。
勇者と魔王が握手した。
その瞬間。
千年続いた対立に、
初めて希望の光が差した。
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しかし。
その横で。
ルナが言った。
「共闘は賛成だけど」
「うむ」
「勇者様のお嫁さんは私だからね!」
「待ちなさい!」
「それは私です!」
「私ですよ!」
「譲りません♡」
「勇者様は私の隣です♡」
また始まった。
魔王は天を見上げた。
「世界の危機なのだが……」
ユウトも天を見上げた。
「ですよね……」
## 次回予告
**第八話「世界最強の敵、破滅竜ヴァルガス」**
魔王と勇者が共闘!
人類と魔族の連合軍結成!
だが破滅竜の力は想像を超えていた!
そして戦場で深まるヒロインたちの恋心――!?
「勇者様は私が守る!」
最終章開幕!




