# 第六話 ## 「勇者の血筋と千年前の秘密」
# 第六話
## 「勇者の血筋と千年前の秘密」
王都の祝勝会。
ユウトは相変わらず五人の美少女に囲まれていた。
「勇者様♡」
「ユウト様♡」
「結婚しましょう♡」
「私が先です♡」
「いいえ私です♡」
ユウトは現実逃避していた。
(魔王軍より、この人たちの方が強い気がする……)
その時だった。
ドォォォン!!
王城全体が揺れた。
「なに!?」
騎士たちが慌てて外を見る。
空だった。
黒い雲が王都を覆っている。
その中心に――
巨大な魔法陣。
「魔王軍だ!」
「敵襲!!」
王都中が騒然となった。
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空から一人の男が降りてくる。
黒いローブ。
白髪。
老人のような姿。
しかし放たれる魔力は桁違いだった。
「ほう」
老人はユウトを見る。
「お前が勇者か」
ルナの顔色が変わった。
「嘘でしょ……」
エリスも震えている。
「なんであの人が……」
ユウトは尋ねた。
「知ってるのか?」
ルナが頷く。
「あの人は――」
「魔王軍最高顧問」
「賢者グレイ」
周囲の空気が凍る。
魔王軍最古参。
千年以上生きると言われる伝説の魔導士。
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グレイは静かに言った。
「勇者ユウト」
「なんだ」
「お前に会いに来た」
「俺に?」
「そうだ」
老人はじっとユウトを見つめる。
そして。
驚くべき言葉を口にした。
「お前の先祖を知っている」
全員が固まった。
「千年前の初代勇者」
「アレン・アルフォード」
ユウトの心臓が跳ねる。
「初代勇者……」
「そして」
グレイは続ける。
「初代勇者は魔王の親友だった」
「は?」
王国側も魔王軍側も同時に叫んだ。
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グレイが語り始める。
千年前。
世界は魔物によって滅びかけていた。
人間も魔族も関係なく苦しんでいた。
その時。
一人の勇者が現れた。
アレン。
そして若き日の魔王。
二人は共に戦った。
種族の違いを超えて。
世界を救うために。
「嘘だろ……」
ユウトは呟く。
勇者と魔王。
宿敵同士だと思っていた。
だが違った。
彼らは友だったのだ。
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「しかし」
グレイの顔が曇る。
「ある日、人間たちは恐れた」
「魔王の力を」
「そして裏切った」
静まり返る王都。
「勇者は最後まで魔王を守ろうとした」
「だが間に合わなかった」
ルナが拳を握る。
エリスも悔しそうな顔をする。
「それ以来」
「人間と魔族は争い続けている」
グレイはユウトを見る。
「お前は初代勇者の血を引く者だ」
「だから我々はお前を監視していた」
「俺を?」
「そうだ」
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その時だった。
突然。
ユウトの胸が光り始めた。
「うわっ!?」
黄金の光。
そして空中に映像が現れる。
そこには――
金髪の青年。
伝説の勇者アレン。
そして隣には。
黒髪の青年。
若き日の魔王。
二人は笑っていた。
肩を組みながら。
まるで兄弟のように。
「まさか……」
グレイが目を見開く。
「記憶の継承だと……!?」
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映像の中の勇者アレンが言う。
『もしこの映像を見ているなら』
『世界はまだ争っているんだろう』
全員が息を呑む。
『頼む』
『人間と魔族をもう一度友達にしてくれ』
『俺たちが果たせなかった夢を』
そして。
最後に笑った。
『未来の勇者へ』
『頑張れよ』
映像は消えた。
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静寂。
誰も何も言えない。
ユウトは空を見上げる。
そして。
初めて勇者としての使命を理解した。
魔王を倒すことじゃない。
世界を救うこと。
人間と魔族を繋ぐこと。
それが本当の勇者の役目だった。
するとルナが微笑む。
「勇者様」
「ん?」
「私、ますます好きになった」
「そこなの?」
エリスも頷く。
「私もです♡」
リリナも笑う。
「結婚式はいつ?」
ミレアも負けない。
「私が正妻です!」
クロエまで加わる。
「勇者様は私のものです♡」
ユウトは叫んだ。
「感動を返せぇぇぇぇ!!」
王都に再び叫び声が響くのだった。
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## 次回予告
**第七話「勇者、魔王と会う」**
ついに実現する歴史的会談!
だが――
魔王はなぜかユウトを気に入りすぎていた!?
さらに魔王城で開かれる娘たちの恋愛バトル!
「父上!勇者様は私のお婿さんです!」
「認めん!」
「え?」
世界平和より先に恋愛戦争勃発!?




