# 第三話 ## 「悪役ヒロインだらけの勇者パーティー」
# 第三話
## 「悪役ヒロインだらけの勇者パーティー」
王城・謁見の間。
王様は頭を抱えていた。
その前には――
勇者ユウト。
盗賊団長リリナ。
魔王軍四天王エリス。
魔王の娘ルナ。
聖女ミレア。
という、どう見ても問題しかない集団が並んでいた。
「……確認するぞ」
王様がゆっくり言う。
「リリナは元盗賊団長」
「はい♡」
「エリスは魔王軍四天王」
「はい♡」
「ルナは魔王の娘」
「はいっ♡」
「なぜ勇者パーティーにいる?」
三人は同時に答えた。
「勇者様が好きだからです♡」
王様は天井を見上げた。
「誰か助けてくれ」
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数日後。
ユウトたちは旅に出た。
最初の目的地は西の大森林。
そこに現れた魔物を討伐するためだ。
しかし。
「勇者様!お弁当作りました!」
リリナ。
「勇者様!お茶をどうぞ!」
エリス。
「勇者様!手を繋ぎましょう!」
ルナ。
「勇者様!体調管理は私に任せてください!」
ミレア。
ユウトの周りだけが修羅場だった。
他の冒険者たちは遠巻きに見ている。
「羨ましい…」
「いや、地獄だろ」
「確かに」
全員納得した。
---
その日の夜。
森で野営することになった。
焚き火を囲む一同。
するとルナが突然言った。
「そういえば勇者様って好きなタイプいるの?」
空気が凍った。
リリナが振り向く。
エリスも振り向く。
ミレアも振り向く。
全員が真剣な目だった。
「え?」
「教えてください」
「参考にします」
「重要です」
「いや、そんな…」
逃げられない。
ユウトは考えた。
そして正直に答えた。
「優しい人かな」
その瞬間。
全員立ち上がった。
「私です!」
「私ですね!」
「私しかいません!」
「私ですよ!」
また始まった。
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翌朝。
大森林の奥地。
巨大な魔物が現れた。
高さ十メートル。
黒い毛に覆われた巨熊。
森の王と呼ばれる魔獣。
「グオオオオオオ!!」
地面が揺れる。
普通の冒険者なら逃げ出す相手だった。
だが。
「勇者様の前で活躍するチャンス!」
リリナが飛び出す。
「負けません!」
エリスも魔法を展開。
「私だって!」
ルナも参戦。
「皆さん危険です!」
ミレアも加わる。
ドォォォォォン!!
たった数秒後。
巨大魔獣は地面に沈んでいた。
圧勝だった。
ユウトは呆然とする。
「俺……何もしてない……」
実際、本当に何もしていない。
魔物は全て彼女たちが倒していた。
すると近くにいた冒険者が呟く。
「勇者様って……」
「もしかして一番弱い?」
全員が静かになった。
ユウトの心に深いダメージが入った。
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その夜。
落ち込むユウト。
「俺、勇者なのに……」
すると四人が隣に座った。
リリナが笑う。
「勇者様は優しいじゃないですか」
エリスも頷く。
「強さだけが勇者ではありません」
ルナも言う。
「私たちは勇者様だからついてきたんじゃないよ」
ミレアも微笑む。
「ユウト様だからです」
ユウトは少しだけ笑った。
その時だった。
空から黒い影が降りてくる。
ドゴォォォン!!
地面が割れた。
現れたのは黒い鎧の男。
巨大な剣を背負っている。
男は冷たい目でユウトを見た。
「ようやく見つけた」
「勇者ユウト」
「誰だ?」
男は不敵に笑った。
「俺は魔王軍最強の将軍」
「ゼクト」
その瞬間。
リリナたちの表情が変わった。
今まで見せたことのない緊張。
ゼクトは言う。
「魔王様の命令だ」
「勇者を殺す」
そして彼は巨大な剣を抜いた。
ゴゴゴゴゴ……
森全体が震え始める。
ユウトは悟った。
今までの敵とは違う。
本物の強敵だと――。
## 次回予告
**第四話「魔王軍最強将軍、襲来!」**
圧倒的な力を持つゼクト!
初めて敗北を味わう悪役ヒロインたち!?
そしてユウトに眠る謎の勇者の力が目覚める――!?
「お前たちは俺が守る!」
最強将軍との激闘開幕!




