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学校の怪異  作者: qp46
第一章 四階の白い女

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4/8

四話 最初の犠牲者

今回はいつもの異世界系とは少し違い、ホラー・サスペンス寄りの作品になります。


じわじわ不気味な空気感を楽しんでもらえたら嬉しいです。


第一章は“学校の怪異”として物語が進んでいきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

 朝から雨だった。


 駅前の歩道には水溜まりが広がっていて、車が通るたびに濁った水が跳ねる。


 私は傘を差しながら、いつもの待ち合わせ場所へ向かった。


 コンビニ前には、遥香が先に来ていた。


 スマホを見ながら、落ち着かなさそうにしている。


「あ、おはよ」


「……おはよ」


 様子がおかしかった。


「どうしたの?」


「麗奈、まだ連絡返ってこない」


「寝坊じゃない?」


「かなぁ」


 遥香はスマホ画面を見せる。


 未読のメッセージが並んでいた。


『どこ?』


『学校行く?』


『起きてる?』


「昨日の夜から?」


「うん」


「珍しいね」


「でしょ?」


 麗奈は、なんだかんだ連絡は返すタイプだった。


 既読すらつかないのは確かに珍しい。


「体調悪いとか?」


「かも」


 遥香はそう言ったものの、少し不安そうだった。


 その時。


 遥香のスマホが震えた。


 一瞬、表情が明るくなる。


 けれど次の瞬間、また曇った。


「……お母さんだった」


「期待した顔してた」


「いやだってタイミング!」


 私は少し笑った。


 遥香もつられて笑う。


 けれど、その表情はどこか落ち着かなかった。


 


     ◇


 


 学校が見えた瞬間。


 私たちは同時に足を止めた。


 校門前に、パトカーが停まっていた。


「……え?」


 遥香が小さく声を漏らす。


 制服姿の警察官。


 黄色い規制線。


 登校してきた生徒たちが、不安そうにざわついていた。


 雨はまだ降り続いている。


 灰色の空。


 濡れたアスファルト。


 校舎裏の方へ、人が集まっているのが見えた。


「事故?」


「誰か落ちたらしい」


「マジ?」


 周囲の声が混ざる。


 嫌な空気だった。


 みんな、怖がっているくせに興奮している。


 その時だった。


「……綾人?」


 誰かが声を上げる。


 校舎入り口の壁際。


 本条綾人が座り込んでいた。


 ジャージ姿のまま、顔色が真っ青になっている。


「どうしたの?」


 近くにいた男子が聞く。


 綾人はゆっくり顔を上げた。


 目が虚ろだった。


「……見たんだ」


 掠れた声だった。


「昨日、俺……見た」


 周囲が静まり返る。


 綾人は震える唇を押さえながら、校舎の四階を見上げた。


「白い女が、いた」


 一瞬。


 周囲の空気が凍りついた気がした。


「え……」


「マジで?」


「嘘だろ……」


 誰かが小さく呟く。


 綾人はまだ震えていた。


「四階に立ってて……誰かと喋ってて……その後、悲鳴が聞こえて……」


 そこで言葉が止まる。


 警察官が何かを制止するように近づいてきた。


「君、もう大丈夫だから。あとはこっちで話を聞くからね」


 綾人は何も答えなかった。


 ただ、怯えた目で四階を見つめ続けている。


 その時だった。


 規制線の向こう。


 白い布の端が、風で小さく揺れた。


 遥香の呼吸が止まる。


「……え」


 震えた声だった。


「……うそ」


 次の瞬間。


 遥香のスマホが、地面へ落ちた。


「……麗奈?」


 誰も答えなかった。


 雨音だけが、静かに響いていた。

第一章を読んでいただきありがとうございます!


今回はかなりホラー寄りの雰囲気で書いてみました。

少しでも不気味さや嫌な空気感を感じてもらえていたら嬉しいです。


また、現在は長期連載中の異世界作品も更新中です!

ストックもしっかりありますので、そちらも安心して追っていただければと思います。


完結済み作品もありますので、更新待ちの間などに読んでもらえたら嬉しいです!

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