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スペースコロニーのぼくら(仮)  作者: たいじゅ@音森の館
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コロニーシフト スペースコロニーが動く日

「コォロォニィイイイ、シィイイフトォ〜!」


なにやら必殺技っぽい名前を叫びながら、仰々しいポーズをとっているのは、エミリオ・バーンズ、リズの叔父さんだ。

そしてそれを見ながら、青ざめた表情で泣きそうになっているリズ。


うん、訳がわからないだろう、うん。

きっと誰でもそうだと思う、ここだけを見ると。


なぜこんなことになっているかというと、原因はエミリオの一言だった。


「いいか、リズ。

コロニーシフトというのはだな、公式発表されている内容あはデタラメで、本当はコロニーが中に住んでいる人間を悪者として退治するためにやっているんだ。」

「え、コロニーが?」

「そう、コロニーが」

「私たちを?」

「そう、私たちを。」

「ええ?」

「だから毎年人々を近隣のコロニーに逃してるんだよ。」

「えええええ!?」


コロニーシフトは学校の授業でも習うし、普段のリズならこんな言葉に踊らされることはないんだけど、散々叔父さんの武勇伝を聞いた後だとこの歴戦の古強者である叔父さんの戯言も、まるで事実の様に思えてしまうものらしい。

冷静に聞けばそれこそデタラメだってわかりそうなものなんだけどな。

そもそもスペースコロニーが、ってなんだ、AIの反乱かよ、と心の中でツッコミを入れる僕だった。




コロニーシフト


正式には、スペースコロニー・ポジション・シフティング・キャリブレーションとか、なんとかっていう長ったらしい名前で、要はスペースコロニーを移動して位置を調整することだ。



スペースコロニーは宇宙における陸であり灯台である。航行する航宙船やロボットなどにとってその位置を把握するための重要な基点なのである。

だからスペースコロニーの位置がそうそうコロコロ変わっては困る訳だ。

しかし実際には様々な天体の引力や、重心偏移による自転のズレから生じる慣性、些細な衝撃の数々などで少なからずその位置がズレていく。

そのため昔は小まめに位置を調整していたそうだが、こんな大きな物体を動かすとなるとほんのわずかな動きでも末端部分に至るとかなりの大きな動きに増幅されるため、下手するとその部分が損壊したり中にあるものがグチャグチャにシェイクされてしまうことにもなりかねない。

そこで今日ではそのズレも含めてスペースコロニーから情報が発信され、それを受信した航宙船などが個々にそのズレを元に現在位置を計算して動いている。

しかしこれもズレが大きくなりすぎると面倒なことになるため、年に一度その位置を修正する作業が行われる。

それが通称「コロニーシフト」である。



コロニーシフトはスペースコロニー自体を移動させる関係上、中にあるものや人々にとっての影響が大きく、下手をすると大規模な被害が出る可能性もある。

そのためコロニーシフトについては事前に実施予定日が公開されていて、安全のため全市民を事前に他のコロニーへ退避させることが通例となっている。

もちろんその間は学校もお休みとなるため、子供達が毎日コロニーシフトがあればいいのに、と思っていることは言うまでもない。



コロニーシフトは全てのスペースコロニーで行われる作業だが、全てのコロニーが同時に行うと基準位置の管理バランスが崩れてしまうため、いくつかの区域に分けてその中で順番に実施される。


実施にあたっては、近隣のコロニーから大型の曳航船が集まって共同で作業を行うためかなり迫力のある光景となる。

この曳航船は通常コロニーシフトの時にしか表に出てこないので、一部のマニアにとってコロニーシフトは重要なイベントの一つとなっているらしい。。

そのため毎年大勢のマニアが集まって一番いい瞬間を取ろうと躍起になって相争っている。

中には禁止されているにも関わらず、撮影のために自分で航宙船をレンタルして作業中の曳航船に近づき、その挙句に進路妨害で警備艦にとっつかまる輩もいると聞く。

かつて地球では撮り鉄とかいう似た様な行動をする人がいたっていうけど、これはアレだな、カズヤのいう「地球でもこっち(スペースコロニー)でも、バカはやっぱりバカだ」ってやつだな、うん。




市民が避難している別のスペースコロニーでは、一時的とはいえ観光客が増えたもう同然なので、収益につなげようとここぞとばかりにコロニーをあげて様々な催しを実施している。

子供達にとってもお祭り騒ぎのこの時期は他のコロニーに連れて行ってもらえたり、お祭り騒ぎを楽しんだりと一年でいちばんの楽しみとなっている。


と、授業で習ったことを思い返していたら、背後からやたらごめんなさいを連発している声が聞こえた。

振り返ると、叔父さんがリズにデタラメを言ったことをリズのお兄さんにツっこまれてリズに大謝りしているところだった。

次のコロニーシフトの日には一緒に作業を見る約束をしたそうだから、今日のお詫びに屋台の食べ歩きは叔父さんのおごりになりそうだな。

そう思った僕はさりげなく、自分の分もおごってもらう約束を取り付けることに成功したのであった。


コロニーシフト、バンザイ!


妄想ベースなので物理原則やその道の詳しい人たちから見ると、んなわけねーじゃん!ってツッコみたくなる部分がメチャクチャ多いと思います。

楽しけりゃいいってノリなのであまり考証せず書いてますけど、そーじゃなくてこーだ!って指摘は歓迎です。

ストーリーや世界観さえ破綻しなければ、さりげなく取り入れてしれっと書き直してるかもしれませんw

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