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贖罪  作者: 北村 達也
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贖罪31

 ストローフィーがフォスの家に向かい始めた頃、フォスはベッドの上で退屈していた。


 熱が出て辛いから寝ようと思っても、さんざん寝ていたために、もう眠くなかった。


 彼女は昨日からのことを思い出していた。

 

 昨日は天気が良かったし休みだったので、また花畑に行きたくなったのだった。


 綺麗なお花たちが咲いていて幸せいっぱいの休日になるはずだったのだが、急に雲行きが怪しくなり雨が降り出した。


 お花を摘んでいたところだったが、途中で止めてすぐに家に向かった。


 ストールがあったので頭に被ろうかと思ったが、お花たちが可哀想になりそれらにストールをかけることにした。


 そして帰り道でストローフィーに出会って傘を借りて帰ったのだった。

 

 朝になるとひどい熱で咳やくしゃみも出て、とても仕事に行ける状況ではなかったので、近くに住む一緒に働いている女性に言づてを頼んだ。


 雨に降られたことが大きかったが、気持ちの問題もあった。


 ピオニーと似た状況に遭ったことで自分にも悪いことが起こるような気がしていた。


 あの日もジョセフは心配してすぐに帰ってくるようなことはなかった。


 彼女が弱っているときに彼がいてくれればどれだけ心強かったことだろうとフォスは思った。


 そして今の彼女の状況はあの頃のピオニーのようであった。


 いや、ピオニーにはまだフォスがいた。


 だが今の彼女には誰もいなかった。


 このまま自分もピオニーのように死んでしまうのではないかと彼女は弱気になっていた。


 そんなことを考えていた時に扉をノックする音が聞こえた。


 一体誰だろうと思い、動くのも辛かった体を頑張って起こして扉に向かった。


 1分くらい待っても返事がないので、ストローフィーは心配になってもう一度ノックしようとしたところ扉が空いてネグリジェ姿のフォスが出てきた。


「あら、ストローフィー。」

かなり辛そうな様子で声を出した。思わぬ来客だったのでネグリジェで出たのが恥ずかしくなった。


「こんな格好でごめんなさい。具合が悪くて寝ていたの。」


「あの、寝ていてごめん。えっと、熱で寝込んでいるって。一緒に働いてるアゼリアさんが聞いて。様子が気になって。大丈夫、じゃなさそうだね。」

来ることばかり考えていて、何を言うか考えていなかったものだから、話がしどろもどろになってしまった。


「様子を見に来てくれたの?」


「うんごめん急に。」


「息が上がっているけれど、走ってきたの?」


「うん。心配になっちゃって。」


「お仕事は?」


「えっと、閉めてきた。」


 彼女は目を丸くして彼を見ていたので、彼女のためにここまでやっていることを気持ち悪がられはしないかと彼は心配だった。


だがその心配は無用だった。

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