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 「約束したじゃない!聞いてきてくれるって!」

 「そりゃあ、言ったけど・・・でも、そんなに急ぎだとは思ってなくて」

 「それに、どうしてケビンなんだよ?どこからケビンが出てきたんだ?」

 「だってケビンは今、人間の国にいるんでしょう?それならケビンが帰ってくるときに返事を貰ってきてくれるでしょう?」

 「早合点するなよ!どうしてお前らは想像だけで話を進めるんだ!」

 またもやメーラが怒りだした。

 しかし、今度は妖精たちも負けてはいない。

 「約束したじゃない!」「勝手に話を進めるな!」と、喧嘩はヒートアップする。そして、とうとうメーラが

 「お前たちみたいな勝手な奴らのお願いなんか聞けない!ジェナが大変な目に遭っちまう!この話しは無しだ!」

 と言いきると、コレットたちはショックを受け、大泣きして部屋から飛び出していってしまった。

 クレイは追いかけたが、妖精たちはすぐに姿を眩ませてしまい、どこに行ったかわからなくなってしまった。

 「あーあ、泣かせちゃった。もう、妖精金貨もらえなくなるぞ」

 「いるか、こんなもん!」

 そう言って、メーラは金貨をジャムに押し付けた。そして、ベッドの上の大量の布と糸を窓から外に放り出そうとする。

 「わわわ!待って待って!駄目だよ、こんなにきれいな布なのに!」

 「こんなん持ってたら、ドレス作れって迫られるぞ。お前、ジェナには及ばないけど得意だろう?こういうの」

 「まあね、でも、それはちゃんと断るよ。作る時間はないからね。それに、ジェナにもちゃんと手紙でお願いしてみる。約束だったからね」

 「・・・・・・」

 メーラは不満そうだったが、文句は言わなかった。言いすぎたことを分かっているのだろう。

 「くそ・・・調子にのってアレコレ言うんじゃなかった」

 そう言って、頭をかいている。

 確かに、ジェナが裁縫師にぴったりだと言ったのはメーラだ。フクロウ便を使うとか、具体的なことを言って、コレットをその気にさせてしまった。

 コレットは新しいドレスが手にはいるかもしれないと、とても喜んだのだ。あれだけ服好きなのだから、彼女は新しい裁縫師をだれよりも待ち望んでいたのだろうし。

 クレイは、コレットに宛てて手紙を書いた。

 ジェナにはお願いしてみること、でも、あまり期待はしないで欲しいこと、ケビンはなにも知らないからそれを妖精皆に伝えて欲しいこと。最後にメーラが言いすぎてごめんね、と書いて、布の上に手紙を置いた。

 夕食から帰ると、布と糸は全て無くなっており、手紙も消えていた。

 ベッドの上には可愛らしい桃色の花が一輪、ぽつんと置かれていた。


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