表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/44

14

「さて、ケビンの心配ごとはひとまず落ち着いたことだし、アカーリア、早速魔法をみてみようか」

 次の日の朝、朝食が終わったあとに、ステアがそう言った。

 ケビンはまたもや昨日に引き続き、たっぷりとご飯を食べた。昨日ほどではなかったが、いつもの二倍は食べていた。それを見ていたせいか、クレイもお腹が苦しくなるまで食べてしまった。

 メーラと一緒に牛乳を飲んでいたアカーリアは、ステアの言葉を聞いて、顔を明るくする。

 「はい!よろしくお願いします!」

 「うむ。クレイとメーラもどれだけ腕を磨いたかを見せてくれ。これを用意したぞ」

 ステアが出したのは、ファヴァーヴァル先生の授業でもやったジェンガだ。ただ、こっちのジェンガは少し大きめで、材質が違った。魔法が通りやすいことが一目でわかる。

 「師匠、これ、子供用だろ?」

 メーラが不満そうに言った。

 「この土地でなら、それくらいのレベルの方が良いのだ。それだって難しいと思うぞ」

 ステアの言葉に、メーラの瞳が輝き、早速箱を開け出した。

 ケビンと一緒に朝食の片付けを終えてから、クレイも参加した。

 ステアはアカーリアと向き合い、アカーリアの呪文の唱え方や杖の振り方を見ていた。

 メーラは既にジェンガ積みに挑戦中だ。

 「ぬぐぐぐ・・・本当だ、これも難しい・・・」

 メーラはゆっくりとジェンガの駒を積み上げていく。学校でやったときよりも苦戦しているように見える。

 クレイも杖を持ち、魔法で駒を持ち上げようとするが、つかみ損ねた。

 「む!?」

 学校とは違い、やはりこの土地の魔法は難しい。この四ヶ月、楽に使えていたせいで、昔の感覚を忘れている。

 「ぐぬぬぬぬぬ」

 「うむむむむ」

 必死に魔法に集中していると、どんどん体が暑くなってきて汗をかきだした。クレイは上着を脱ぎ、靴下も脱ぐ。袖をまくり上げるも、汗は止まらない。

 メーラもアカーリアも同様だ。

 それを見ていたケビンは、ちょっと迷ったようだが、暖炉の火を消してくれた。

 「もう一月だぞ。そんなに大変なのか?前はそんなこと無かったよな?」

 「久しぶりで、余計な力が入っているのだ。このジェンガを積み上げる頃には慣れている」

 ステアが楽しそうに言った。

 「お前もやってみるか?しばらく魔法を使っていなかっただろう」

 そう言って、ケビンにジェンガを差し出す。

 ケビンは腕組をして、その箱を見ていた。

 「・・・また、ぶっ倒れたりしないかな?」

 「大丈夫。ゆっくりやれば平気だ。あの時は落ちたら怪我する危険があったから、あんなに疲れたのだ」

 ステアがそう言うと、ケビンはひとつ頷き、傍らに置いていた剣に手を伸ばした。

 茶太郎が嬉しそうに尻尾をふりながら近寄ってきた。まるで、今からケビンに遊んでもらうかのようだ。

 ケビンの近くで魔力が揺らめいた。

 ジェンガの駒が浮き上がり、一つずつ積み重なっていく。駒の端が綺麗に合い、はみ出ている駒は見つからない。

 「うぬう・・・」

 「上手だ・・・」

 「わあ・・・」

 メーラとクレイとアカーリアは自分達の手を止めて、ケビンのジェンガに見いってしまった。

 もうすぐ完成というところに、茶太郎が前足を出して、塔を崩す。

 「おい、何すんだよ」

 散らばった駒の上にお腹を乗せて、床に伏せ、ケビンの顔を見る。

 まるで、オレから取ってみろと言いたげだ。

 ケビンは手を伸ばして、駒を拾い集めようとしたが、それは駒が許さない。逃げていく。

 ケビンが魔法を使うも、茶太郎は動かず、駒も取れない。

 「む?よし、これならどうだ?」

 風の魔法で駒が2つ、茶太郎の腹の下から出てきたが、茶太郎がそれを口でキャッチする。ケビンはそれを放すまいと魔法で引っ張っているようだが、茶太郎も負けない。

 引っ張りあいが起きている。

 クレイはケビンがどんなふうに魔法を使うかを見極めようと、目を凝らす。

 しかし、呪文を唱えない、杖もふらないケビンのやり方は、さっぱりわからない。

 「師匠、ケビンの魔法は俺たちの魔法とどう違うんですか?」

 クレイはステアに質問した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ