表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1134/1137

1334話 樹に融合されし者


〜メグミside〜




 案の定、それまでモンティート先輩&ナーティー先輩を「神様! 仏様!」と崇めていた敗者復活組は、次の試験の内容を知るや否や180°手のひらを返した。


 集金目的とはいえ、あんな惨めな落ち方をしたのに復活のチャンスを与えてもらえただけ、ラッキーだと思うが……


 本人達にとっては、「脱落の危機」を免れて落ち着いたとたん沸々と湧き出した「理不尽に対しての怒り」を、向けるべき相手が先輩方だったのだろう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


君達には二つの選択肢がある。


一つは、試験合格を諦めて自らここを去る。


もう一つは、その苗木を持った状態で僕を見つけ、戦って勝つことだ。


試験官だからって遠慮は要らないよ。


ボコり過ぎて殺しても、もう一人の試験官であるナーティーが合格判定を出してくれるから、安心して挑んでくれ。


ただし、一つだけ注意点がある。


その苗木は、君達のエネルギーを吸い取り育つ性質を持っている。


育っても持ち運べるなら失格にはしないが……最終的に持ち主を呑みこんで大樹になるので、取り扱いには注意しろ……とだけ言っておくよ。



by試験官爺


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



『殴っていいんだもんな? 顔の原型が分からなくなるくらいフルボッコにして、これまでの恨みを晴らしてやる!』


『アイツが寄越した支柱を使って、滅多打ちにしてやろうぜ! 神になりたてのひよっ子が、先輩をナメたんだ。ケジメつけねぇとな』


『そして、原型が分からなくなったところにこの女装服を着せる! 股も千切って平にしておけば、マジで"女の顔面粉砕ミイラ"になるぞ!』



 ハッキリ言ってダサイ……行動全てがダサイし、それを「ポロリしている、中古未洗濯のハイレグ水着」を着て言う神経も理解できない。


 百歩譲って「ムカつくからタコ殴りにしたい」までは理解できるけど、普通、自分の姿を見た段階で恥ずかしくなって言葉にするのを止めるだろう。






 しかし奴等は、モンティート先輩とナーティー先輩へのヘイトを堂々と口にしながら、探査スキルや神力を使って先輩方の居場所を探る。


「だけどそれ、墓穴だよね〜。苗木は"エネルギーを吸い取り育つ性質を持っている"んでしょ? 当然、能力を使ったらスクスク成長しちゃうじゃん」



 案の定、奴等の探知はエネルギーコントロールを乱されて精度が落ち、本来なら一発で居場所特定できるような神力を使っても目的を達した物はいなかった。


 それでも一応、先輩方が「ダンジョンの数階層下にいる」ことを掴んだ連中が、割れ先にと下への階段を探し出したが……


 たっぷりとエネルギーを吸って苗木から「抱えなきゃ持てない大きさ」まで成長した樹木の重さが、それを邪魔する。



『チッ! 神力<重力操作>。風船のように軽くなれ……ってうおおぉぉぉぉ〜〜〜〜!!!!』


 あ〜ぁ、効果継続型の神力なんて使ったら「ずっとエネルギー吸い放題」になって爆速で成長しちゃうじゃん!



 たしかに数十秒は風船のように軽くなったみたいだけど、離れたところで見ている僕が「陰に隠れて受験者見えない」と思うほど、樹木は大きくなり……


 もはや、持ったまま移動するには「背負う」しか方法がなくなった。



「あの神は終わりだな。あんな重量物を背負って移動したあと戦って勝てるほど、先輩方は甘くない。それに、背中に背負うのは"禁忌"だろう」


 能力使用時じゃなくても、生物は微弱ながら肉体からエネルギーを放出しているのだ。


 つまり樹木と密着中の背中にも、「エネルギーを吸える餌場」はある訳で……



『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!? マズイ! この樹木、背中から侵食してくるっ!!』


 より美味しいエネルギーを沢山吸おうと、「生き餌を取り込むように融合し貪り食う」可能性が極めて高い。






 だが先輩方のエグいところは、この"融合化"がスタート地点から1階層下に降りてから暫く経った後で起こった点。


 融合化が早すぎると、一神犠牲者が出た段階で他の神々も気付いてしまい、「樹木の生き餌」になる奴の総数がショボくなるんだよ。



 だけど先輩方がやったように、「1階層降りて軽度の探知じゃ探れなくなった場所」で一体化するなら、後続の神々には気付かれないから……


 奴等は「大規模な能力・常時発動型の能力を使うのは止めた方がいい」という学びしか得られず、ジワジワ成長する苗木を抱えている"同じ道を"辿る。



 ゆっくりではあるけど……肉体から漏れ出る微弱なエネルギーを完全に絶たない限り、苗木の成長を止めるのは不可能であり……


 大規模探知を使えず勘を頼りに進むため、樹木と融合した神に追いつく頃には、奴等の苗木もそれなりに大きくなっているから。



「何より樹木との融合が進むと、せっかくライバルから奪い取った"女装制服"が破けてしまう。そうなったら失格だ」


 資産を投げうって重課金し復活した奴等にとって、「不合格の烙印を押され、参加賞の"樹木"とセットで放り出される結末」は悪夢そのものだろう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ