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1130話 ポジション替わろうか?




 モンティートとナーティーによる「休憩という名のサバイバル」によって、バリカンでペラッペラの女装服 (ついでにチン)を剃られた、哀れな敗者が続出。


 彼等は尊厳と陰毛だけでなく心の安定も失い、他者の目があるにも関わらず泣き喚き、暴れながら去っていく。



 分かっているのだ……会場から出たところで、戻る場所などないと。


 それでも肉体が言うことを聞かず、トラウマのように会場から逃げようと動いてしまい、理性的な対応をする余力など残っていなかった。



「ルノーブル、会場から出たやつを"例の場所"へ。いつまでもメグミ君の城の前でたむろされちゃ困るからね〜」


「了解です!」


 その様子を冷めた目で眺めていたモンティートは、彼等が出るや否やルノーブルに指示を出して、彼等と会場の空間を切り離した。



「これで、もう後戻りはできない。執事君、脱落者リストにチェックを入れておいて。あと彼等の制服姿を収めた写真および映像は、全て保管するように」


「かしこまりました。バラ撒きは?」



「要らない。彼等が口をつぐむなら、わざわざ追加の嫌がらせをする必要なんてないからね。報復用の手札として、持っておくだけで構わない」


「承知いたしました」



 哀れだが、同情する必要はない。


 彼等は控え室で格下の魔王達をサンドバッグにしたうえ、アスタリアに下卑た視線を向けて「女性試験官の担当」からも外された、真性のクズなのだから。



 だが、クズにも使い道がない訳ではなく……


 破れた女装服を身にまとい、ポロリどころかモロ出しで試験会場から逃亡した彼等の先には、アスタリアの試験をボイコットした連中が"立ちんぼ"していた。






『『『『『『『『『『え…………っ????』』』』』』』』』』


『『『『『『『『『『はぃ…………っ????』』』』』』』』』』



 相手を視界に捉えたものの、お互いあまりの衝撃に言葉を発せず固まってしまい、気まずい沈黙の時間が流れる。


 リアル知り合いや、控え室で顔見知りになった相手もいたが、まさかその相手が"こうなる"とは夢にも思わなかったのだ!



『オェ……ッ! いや、流石にそれはダメだろう。どうした? 試験が過酷すぎて、途中で壊れて変態趣味の扉でも開いたのか?』


『黙れ!!!! 俺がどういう思いで、この屈辱的な服を着たと思って…………!!!!』



『いや、屈辱的なら着替えろよ。ここに居るってことは、もう試験落ちたんだろう?』


『あ……っ』



 数分間、キモイ珍種でも見るかのように互いを凝視しフリーズしていた彼等だが、さすがにショックから立ち直り口を開く者が現れた。


 そして……モンティート達の試験を受けたエロクズ神達は、久方ぶりに「しっかりした作りの下着を履く喜び」を味わう。



 もう彼等に、アスタリアを卑猥な目で見るような気持ちは残っていない。


 自ら"女装体験"したことで、「エロに興奮する本能」より「忘れられない惨めさ」がリンクするようになってしまい、女性らしい服を直視できなくなったのだ。



 だが、そんな彼等にも言い分がある。


『お前等、どうしてこんな何もない空間で突っ立っているんだ? しかも、なんか妙にチラチラと"異界の扉"がある方を見ていたし……』



 そう。


 自らの恥部を棚にあげ相手の奇妙さに不信感を抱いたのは、彼等も同じだったのだ!






『ここに居るって事は、お前等も落ちたんだろう? なのにどうして、いつまでもこんなクソみたいな場所に?』


『いや、お前等と一緒にするなよ! 俺達は"自ら"試験を抜けただけで、不合格を言い渡された訳じゃないし……』



 この一言を聞いて、元モロ出し勢の神々は察した。


 メグミ派入りを脳内で確定させて、試験に受かるかも分からぬ状況で啖呵を切って元派閥を抜けてしまったのは、彼等も同じだからである。



『いや、お前……さすがに試験バックレはマズイだろう。戻る所があるならいいが、そうじゃないならただのバカだぞ?』


『うるさい! 悲惨な姿で脱落したゴミに言われたくねぇよ!!!!』



 強がってはみたものの、彼等自身も「ヤバイ」と自覚しているから"立ちんぼ"なんかやっている訳で……今さらだ。


 それに目の前にいる元変態達は、終わりのない"立ちんぼ"でようやく出会えた獲物なのである。


 例えそれが「自分よりヤバイ状況で落ちたゴミ」であっても、見逃す気はなかった!



『なぁ、お前達……再受験の方法とか知らねぇ…………よな。替え玉でも何でもいいから、まだ脱落していなくて受験辞退する気でいる奴、知らねぇか?』


『言い方! だけどまぁ、気持ちは理解できる。多分だが、"替え玉"してもいいと思っている生き残りは、俺等の方には沢山いるぞ。試験がクソだったからな』


『マジ!?』



『あぁ。俺等は逃げちまったけど、たぶんポロリ確定のペラッペラな女装服を着て試験に潜り込めば、替え玉受験くらい余裕だ。試験官共は服しか見てねぇ』


『えっ、ちょっと待て。俺達に、あの変態服を着ろ……と?』



 たしかに、替え玉受験はしたいしこのチャンスも逃したくない。


 だがあの変態服を強要するような鬼畜試験を受けて、果たして未来はあるのか?


 待ち望んだ「替え玉チャンス」にも関わらず、微塵も希望が見えない条件を前にして、立ちんぼ神達は究極の選択を迫られる。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
まあ、それ以前にどうやってモンティート側の試験会場に戻るかって問題あるけどなぁ。 だからこそアスタリア側の会場近辺に連れて行ったんだろうし。 割とマジでハズレ者同士であちこちの領域荒らす野盗集団にで…
爺審査員組の脱落者が着衣したままっぽい描写なのはなぜ? > 特定のタイミングで補欠合格衣装を手にした者からその衣装を剥ぎ取り、代わりに着れば、その瞬間から貴方が「補欠合格者候補」となります。(1127…
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