1119話 ちゃんとした試験
〜アスタリアside〜
「ふふふふふっ♪ ありがたいわ〜。私が治める<信念のダンジョン>の中で殺し合いをしてくれるなんて。おかげで、お小遣いがチャリンチャリ〜ン♪」
敵対したわけでもない神々を試験と称して呼び集め惨殺したら、いくら波に乗るメグミ派といえど、しっぺ返しを受けかねないが……
こうして勝手に殺し合ってくれる分には、その証拠となる監視カメラの映像を、遺品とともに彼等の出身地へ送り返せばいいだけ。
それだけで受け取った側は、「あーうん。自滅したんだね。ザマァwww」と判断し我々への糾弾を控えるから、遠慮なく放置することができる。
「神々との戦争で、参加した者としていない者……それだけじゃない。スティーブ・カルマ・サーシャみたいな、裏方との実力差も開いちゃったからね」
ここで合法的に得たリソースを、彼等や不参加組のゴーブル&ルノーブルに回して、今後ギスギスしないように彼等を中級神へ押し上げなければならない。
「見た感じ、私が担当する受験者からは……合格出なそうね。これだけ数がいれば、もしかしたら一人くらいは……とも思っていたのだけど」
でもまぁ仕方ない。
マトモなのは全部サーシャの所へ行ってしまい、こちらに来たのは面接会場で暴力沙汰を起こしたうえ、男尊女卑思想すら隠せない無能なのだから。
「派手に暴れてくれるおかげで、割増料金のチャリンが止まらないわね。バイト代としては充分。もう暫く監視を続けましょう」
サーシャの方はどうなったかしら?
中級神<エース>が紛れこんでしまったものの、それくらいしか問題のないメンツだし、8割くらい合格したかな?
「あの子の実践も兼ねて、あそこは直接サーシャが"実技試験"の相手を務める事になっているけど……大丈夫よね? ケガとかしていないわよね?」
甘やかしちゃいけないのは理解しているが、まだサーシャは若く実力的にも未熟なので、どうしても心配が先にきてしまう。
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アスタリアの心配は、半分当たったが……そこまで大事には至らなかった。
札分身で全員と一対一の面接をおこない、猫を被った中級神<エース>含めて全員合格としたうえで、実技試験に至ったのだが……
ペラッペラの面接用札分身を実技試験でも使い回すわけにはいかず、札の中身を書き換えて"試験用"にし、足りない分は気合いと根性で補ったのだ。
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〜札分身〜
情報を書きこんだ式札を核として、「自我を持った分身」を創り出すことができる。
分身のスペックは核にした式札次第であり、強いものは術者と同等。弱いものは水一滴落ちてきただけで消えるほどの、差がある。
危険な場所の調査をするとき送りこんだり、術者に負荷をかけることなく膨大な情報を処理するなど、式札の書きこみ次第で使い道も広がるが……
もし分身が壊れてしまい回収に失敗すると、核になっていた式札はその場に残るため、敵に解析され情報を奪われてしまうリスクもついてまわる。
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その結果、札分身のスペックを上げるために「命以外は自分とリンクさせた状態」にしたものを、3体展開して無限試合をすることとなり……
勝ち負けもそうだが、連戦による疲労で思考が飛びかける限界状態に陥ってしまった。
だが、そこは働神<メグミ>の彼女。
愛の営みを重ねるたびに働神パワーが注入され、知らず知らずのうちに本人の基準値もブッ飛んだものになっていたため、この程度では折れず……
フラフラの姿を見て攻撃していいものか躊躇った受験者に対して、「押忍!」と気合のかけ声とともに向かっていき、正々堂々試験を続行。
何度か、メグミ・カルマ・スティーブが日常的に遊んでいる川に辿り着き、慌てて引き返したものの……
辛うじて正気を保ち、精密なリソースコントロールを維持して受験者達と渡りあい、彼等と五分五分の戦いを続けた。
いや……正確には、連戦が響いて分身が受けたダメージが本体に蓄積し、打撲&疲労骨折のオンパレードになってしまったのだが……
その様子をモニターで見ていたメグミが、居ても立っても居られなくなり、遠隔で得意の回復魔法をブッ放して強制解決。
サーシャのダメージは、あくまでも「正々堂々おこなった試験」で負ったものなので、メグミも相手への報復はせず……
モニターを見てハラハラ・オタオタし、心折れずに頑張る彼女をよそに泣きベソをかき、呆れたマサルにシバかれただけである。
「お前、ちょっとは落ち着け!」
「だってぇ〜!!」
「だってじゃねぇ!!!!」
監視室では、未だにマサル(ツッコミ担当)とメグミ(ボケ担当)による漫才がおこなわれ、騒がしくはあるものの……
その様子はサーシャに伝わっておらず、彼女は責任をもって試験管業務をやり遂げようと戦い続けているため、大きな問題はない。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






