1114話 信念の巫女の迎え方
〜アスタリアside〜
多感な年頃であるサーシャの心を傷つけず、いい感じに実践修行だけ積んでもらおうと、マトモな受験者を彼女に流した結果……
私の元へ来たのは、男女差別の権化みたいな男神ばかりだった。
「別に、それ相応の実力があるなら構わないんだけどねー。戦闘も世界の統治も、脳の構造的に男の方が強いのは事実だし。だだまぁ、アイツ等は……ダメね」
旗色が悪くなったと見るや泥舟脱出のためにメグミ派への加入を希望し、面接を受けに来たにも関わらず、審査側が出したもてなし要因をサンドバッグに。
そのうえ試験官である私に見抜かれるほど男尊女卑思想が強く、採点前なのに全員「マイナス10000点」を叩き出すとか……地雷物件すぎる。
組織運営において大事なのは、優秀な人材を確保することではなく組織を内側から壊すようなゴミを採らないことだと、理解していないのだ。
もしそれを理解していたら、男尊女卑思想持ちだとしてもそれを上手く隠すし、審査側が出したもてなし要員を無碍に扱ったりしない。
「そういう"擬態"すらできないゴミは、<農民><小鬼>同盟の関係者には要らないよ。エースを見てご覧なさい! 腹黒なりにちゃんと擬態したでしょう」
採用面接で本音を話す必要なんて、どこにもないのよ。
どこまで本性を出さず「無害そうな人材」に擬態できるか……それこそが大事であり、不快感を持たれる「個性」とか「こだわり」なんて要らないんだから。
「まぁ愚痴っても仕方ないわね。実力行使で排除しましょう」
幸いなことに中級神成りできたおかげで、私の能力は格段に上がり、それに伴い運営する<信念のダンジョン>も規格外の魔境へと変貌した。
なので分かりやすく「時間内にそこを突破できたら合格」と伝え、アイツ等をダンジョンに誘いボッコボコにしてやる。
「面接会場である<恵のダンジョン>の調査くらいはしたでしょうけど、メグミ君の仲間である私達のダンジョンはどうかしら?」
どうせ「取り巻き連中など大したことない」と判断して調査をサボり、予備知識ナシで臨んでいる無能が大半よねー。
「圧倒的な実力者ならそれでもいいけど、面接を受けに来るようなレベルの神材がそれじゃダメよ」
マサル君が元いた世界にもこういう教訓があるくらいだし、準備でほぼ決まるのはどの世界でも共通だもの。
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彼を知り己を知れば百戦殆うからず
彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す
彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし
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「アナウンスをONにしてちょうだい」
「かしこまりました」
「皆様、本日は遠路はるばるご足労いただき誠にありがとうございます。お疲れでしょうし、すぐに会って面接を始めたいところではあるのですが……」
ふふっ、もう舌打ちしているバカがいる。
「応募者の数が受入可能枠より明らかに多かったため、先に選抜テストを受けてもらい、その合格者のみ"面接→合格"の流れといたします」
あらら〜、次はニヤッと笑ったwww
たとえ私が非力な女でザコだったとしても、選抜テストのライバルは「自分と同じ面接を受けにきた神」なのだから、何の関係もないのにねー。
その「楽勝だぜ!」と言いたげな表情、呆れるを通り越して面白くなってきたわ。
「選抜テストの内容はシンプル。私が運営する<信念のダンジョン>を制限時間内に突破し、コアルームにある"面接室"に辿り着くこと。なお……」
ここからがミソよ。
「誠に勝手ながら、制限時間および合格可能枠については公表致しません。これも試験の一環ということで、ご理解ください」
実際には「用意している合格可能枠:ゼロ」なんだけど、わざわざ言う必要もないので、「精神を揺さぶる要素」というカタチに擬態させてもらう。
これでアイツ等は、いつ締め切られるかも分からないなかダンジョンアタックをしなければならなくなり……
合格可能枠についての言及もないため、「ライバルと一時的に手を組む」等の判断も難しくなる。
そして"迷いのある心"は、私のダンジョンと致命的に相性が悪い。
<信念のダンジョン>は水属性で攻撃性こそ低いものの、侵入者の心を試し、強い信念がなければ突破の糸口すら見つけられないからだ。
「神として長きを生き多くの修羅場を潜ってこられた皆様からすれば、神になったばかりである私のダンジョンを突破することなど、容易いこと」
…………と言っておけば、退けなくなるわよね?
「選抜試験という形ではございますが、私こそ皆様に学ばせていただくつもりで臨み、そのご勇士をしっかりと拝見させていただきます」
『『『『『『『『『『……………………』』』』』』』』』』
はい、これで文句も言えなくなった。
下調べ無しでのダンジョン攻略、頑張ってね〜♪
もし途中で心折れて撤退したら、「蔑んでいた"神に成りたての女"のダンジョンすら突破できなかった、真性の無能」ってことになるわよ。
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






