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1092話 丸っと神輿に




 一人でウンウン唸り、かといって自ら寝室を出て墓穴を掘るわけにもいかず、知恵熱でショートしたメグミは……


 やっとの事で上級神との戦いを制したのに、全然減らない厄介事に嫌気がさして不貞寝。


 動いていたのは頭だけで、下半身はサーシャに搾られ枯れ果てていたため、文字どおり"英気を養う"べく冬眠状態に入った。



 しかしメグミが「論外」と切り捨てた案は、意外とシャレになっておらず……


 派閥主を失い先行き不安になった神々の間で、水面下の話ではあるが、ジワジワと「<農民><小鬼>全員を担げばよくね?」論が広がっていく。



『宿敵云々言っているアホ共は、現実を見ていない。冷静に考えて、残っているマトモな上級神は働神<メグミ>だけなんだ。其奴と敵対してどうするんだよ』


『俺も、それ思った。派閥同士で後任争いが起きて、淘汰後イスに座れた生き残り連中が、派閥の序列を決めるための抗争をおっ始めるとか……』


『地獄でしかねぇよな。本人達は出世しか目に入ってないんだろうけど、巻き込まれる側の迷惑も少しは考えて欲しいぜ』



『普通の頭を持っていたら、"序列決めで終わるわけない"と察せそうなもんだけどな〜。今頃きっと天界のクソ神共が、舌舐めずりしているぞ』


『だよなぁ〜。他の奴等はどうなってもいいけど、俺は天界のいけ好かねぇ連中に潰されたくはねぇよ。この地獄の端で、干されライフを全うしてぇ』



 目立つのは野心家の神々なので、声の大きさこそ小さいが……神の中には、「もう疲れ果てた"抜け殻"」もそれなりにいるのだ。


 バカ正直にそれを言うと、声の大きい野心家連中にケツの毛まで搾り取られるため、立場こそ表明しないが、現実はどこの世界でもそんなものである。






 そして、やる気も野心もないからこそ冷静に物事を見られる神々は、メグミだけでなくモンティート達にも目をつけていた。


『<農民><小鬼>同盟で10いるんだろ? <闇神派>と<打算派>が潰れたとはいえ、残骸が残っている以上……10にできるだろう』



『というか、メグミ以外の9を各派閥の神輿に担いでメグミを頂点に据えれば、全て丸く収まって解決するんじゃね?』


『『『『『それだ!!!!』』』』』



 メグミ以外は中級神以下といっても、落ちていく一方の地獄世界勢とは違い、<農民><小鬼>同盟は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している有望株!


 しかも人間基準だと大ベテランな<農民>同盟メンバーも、寿命の概念が根本的に異なる神々視点だと、「ケツの青い若手」に見えるのだ!



 野心家の神々からすれば、そんな連中を神輿に担いでポジションを埋めたら、一生自分にお鉢が回って来なくなってしまうので、拒絶一択だが……


 出世争いとは関係ない無気力神達の目には、「若い有望株で仲もいい<農民><小鬼>同盟を、丸ごと神輿として担ぐ案」は魅力的と言えた。



『中級神って言っても、上級神連中のリソース……奪ったんだろう? なら、上級神一歩手前の奴……絶対にいるじゃん!』


『そもそもの話として、年長者の<農民>が<小鬼>のメグミを育てたの、お人好しすぎるだろう! 絶対、徴税精神ユルユルだぜ〜!!』



『だよなぁ! メグミだって、上級神になっても手のひらを返すことなく<農民>を慕っているんだろう? 俺等じゃ、考えられない関係性だ』


『基本、物理的搾取or精神的搾取の強要だからなー。自分の儲けにガメつくない、序列争いとも無縁な緩〜い若手神を担いで、のんびり暮らしてぇ〜』


『『『『『それなぁ〜〜〜』』』』』






 残念ながら理想と現実は違い、<農民><小鬼>同盟にも「過労精神を極めた末に働神へと至った鬼」や、「ナチュラルにパワハラをかます悪魔」はいる。


 だが仲間の命や幸せを奪ってもいいと思えるクズは、誰一人としていないので、恐怖政治を敷いていた上級神の後任として担ぐなら緩くはなるだろう。


 あくまでも税負担が減るというだけで、悪気なく加護札をバラ撒き社畜化を促すメグミによる統治が、皆の幸福に繋がる可能性は低いが。



『だけど、派閥鞍替えに動くのは……』


『うん、分かる。さすがにダメだ! この派閥に思い入れなんかねぇけど、今動いたら鞍替えに失敗したとき神生終わる』



『もう少し旗色を見て、メグミの動きが明確になったら……ってところだな。このまま<サルトー区・ポルカト界>に引きこもる訳がねぇし』


『『『『『あぁ。それだけは絶対にない!』』』』』



 メグミの意思なんて関係ないのだ。


 ここまで悪目立ちした以上、圧倒的な権力を持ち君臨するか有力者と手を組み地盤を確立しない限り、<農民><小鬼>同盟に未来はない。


 そして……若くして上手く立ちまわり上級神に上り詰めたメグミが、その事に気付いていないとは、誰一人として考えなかった。



 野心家の目は曇るが、出世に興味のない窓際族は客観視が得意なのだ。


 そして干されているがゆえに暇を持て余し、誰にも警戒されないため井戸端会議で「意識低い系ネットワーク」を広げられる。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
やってる事は他力本願の願望論なのに掲示板でクダ巻いてる底辺魔王共とはえらい差だな、おい。
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